ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

冷やしぜんざい

2011年03月07日 | 飲食:果物・菓子

 かき氷といえば

 東京に住んでいる頃、友人のKと二人で甘味屋冒険を何度かしたことがある。女子高生や女子大生ばかりの店内に、いかにも貧乏学生二人が、「何しに来たんだ」といった場違いな雰囲気の中で、「ぜんざい食いに来たんだ!」と確固とした意思でもって、ぜんざいを食っていた。豆の量より砂糖の量が多いのではないか?と疑われるほどの殺人的な甘さは、じつに衝撃的だった。辛党の私は食べるたんびに頭痛を起こしていた。

  沖縄のぜんざいは小豆では無く、金時豆を使う。甘さも控えめで、ミネラル分の多い黒砂糖を使うことも多いらしいので、健康的にも良いのではないかと思う。冬の寒い時期には暖かいものも出してくれるが、若い人たちは冬でも冷たいものを好む傾向にあるみたいだ。十分中年ではあるが、私もかき氷の掛かった冷たいものが好き。氷が溶けてさらに甘さが薄くなるので、私の糖分摂取許容範囲内に収まるからだ。
 私の実家の近く(徒歩30秒)にFという食堂がある。NHKの朝ドラ「ちゅらさん」のエリー、国中涼子がバイトしていたという店。そこの"ぜんざい"が美味しいという評判なのだが、実家を離れて久しい私は食べたことが無い。アメリカに住む私の姉は里帰りするたんびに必ず食べている。一緒にやってくる彼女の息子達も大好きなようだ。
      

 記:ガジ丸 2004.9.11 →沖縄の飲食目次


ジャスミンティー

2011年03月07日 | 飲食:飲物・嗜好品

 お茶といえば1

 昨年、沖縄にライブでやってきた若い女性ミュージシャンが、彼女のホームページの中で、「沖縄はジャスミンティーが主流で、ウーロン茶が無い。」といった内容のことを述べていた。それはまぁ、少し誇張して言ったのだろうが、そんなこたぁ無いのだ。自販機にもスーパーにもコンビニにもウーロン茶はある。ただ、言われてみれば確かに、ここ数年来、沖縄ではウーロン茶が減り、ジャスミンティーが目立つようにはなってきた。ペットボトルや缶入り飲料として、自販機やスーパーの棚にたくさん並んでいるのを見る。しかし、ジャスミンティーそのものは、最近急に流行りだしたという訳ではない。

  今はジャスミンティーという名が、特に缶入り飲料では主流だが、ウチナーンチュにとってそれは、サンピンチャという名で、昔から親しまれていたもの。中国語で"香片茶"と書き、"シャンピンチャー"と発音されていたのが、物と名前共々、沖縄に伝えられた。スーパーのお茶のコーナーには、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶などともに数種類のサンピンチャが並んでいる。ずっと昔から、沖縄でお茶といえばサンピンチャ、といってもいいくらい庶民に愛されていた、そして今も愛されているお茶である。 
       
 記:ガジ丸 2004.9.11 →沖縄の飲食目次

 参考文献

 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


ソーミンプットゥルー

2011年03月07日 | 飲食:食べ物(料理)

  チャンプルーでは無い

 母方の実家に遊びに行くと、ヒラヤーチー(薄いお好み焼きの様な物、詳細別項)とソーミンチャンプルーがよく食卓に出た。祖母の手料理で、朝食やおやつになった。
 ソーメンを焼きうどんみたいにして油で炒めたものを、最近の食堂やら居酒屋などではソーミンチャンプルーと言ったりしているが、当時(私が子供の頃)、祖母や祖父や母などは、それを確かソーミンタシヤーとかソーミンブットゥルーとか呼んでいたように覚えている。確かかどうか、さっき、母親に電話して確認したところ、ソーミンブットゥルーとのこと。タシヤーとも聞くが、南風原ではブットゥルーと言ったらしい。チャンプルーという言葉は割と新しい言葉で、昔はあまり使わなかったと、母の説明だった。

  図書館へ行って、言葉そのものの意味を調べてみた。チャンプルーとは「ごちゃ混ぜ」といったような意味。タシヤーは「炒める」、ブットゥルーは「とろとろ煮」とのこと。そういえば、祖母の作ったソーミンブットゥルーは、煮すぎてトロトロになったソーメンにサバ缶と油を加えて、和えただけのものだった。混ぜたものがサバ缶だけなので、チャンプルーでは無く、炒めてはいないので、タシヤーでも無いわけだ。
 最近はどこに行ってもソーミンチャンプルーしかない。祖母が作ってくれた、昔懐かしの、あのソーミンブットゥルーは久しく食っていない。自分で作ってみよう。
 
 
 

 記:ガジ丸 2004.9.11 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄語の入門』 西岡敏 仲原穣著、株式会社白水社発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


ポークランチョンミート

2011年03月07日 | 飲食:加工品・薬草・他

 お土産にスパム

 数年前のこと、観光で来た友人が、「お土産にスパムを買っていきたいんだけど」と言う。スパムを知らなかった私は、「何だ、それ」と訊いた。「ゴーヤーチャンプルーの中に細長いソーセージみたいなもの入っていたじゃない」と答える。で、判った。

 もう二昔以上も前の話。浪人して、大学受験のため東京へ行く。現役で大学に入り、東京に住んでいた友人のアパートに厄介になる。その友人に、沖縄から何を土産に持っていこうかと尋ねたら、チューリップのポーク缶詰がいいと言う。で、持って行った。持って行って、手渡したその場で彼は缶詰を開け、煮も焼きもせず、そのまま食い始めた。
 「大丈夫か、おい」と言うと、「大丈夫、食べたくて、食べたくてしょうがなかった。1個丸ごと食っても平気だ」と答え、ガツガツと食い続ける。ポークの塊は見る見る小さくなっていく。ところが、三分の一を残したところで、彼は手を止めた。
  しばらくして、「気持ち悪い」と彼は言った。さもあろう。加熱済みの缶詰なので、そのまま食って食えないことは無いが、ポークの缶詰は脂が強い。火を通さないと脂が白い塊のまま胃を襲ってくる。また、塩っ気も強い。三分の二も食えば相当の塩分過多だ。貧乏で、暫くまともな食事を取ってなかった胃には、負担が大きかったのだろう。
 若い頃から日本酒が好きで、味の濃い食い物をあまり好まなかった私は、ポークもたまには食べるが、好物では無い。缶詰から出した塊をスライスした2、3切れで食傷する。友人が塊をガツガツ食うのを見ながら実は、私もいくらか気分が悪くなっていたのだ。久しぶりに会った親友同士は、再会の夜、二人とも静かな夜を過ごしたのだった。
      
 ポークランチョンミート
 ポークランチョンミートの缶詰は、戦後、普及し、すぐに沖縄の食卓には欠かせないものとなった。沖縄ではポークというと豚肉ではなく、多くはポークランチョンミートのことを指す。スパムやチューリップはそのメーカー名、あるいは商品名で、両者が沖縄人の好みを二分しているようだ。主にデンマークから輸入されている。
 その食し方の王道としては、ポーク玉子というメニューを挙げていいだろう。スライスして、ソテーしただけのポーク2、3枚に目玉焼きを添えたもの。ポークそのものの味を堪能できる。最も一般的な料理としてはゴーヤーチャンプルー、トーフチャンプルーなどの炒め物がある。肉の替わりとして混ぜるのだが、肉よりもポークを混ぜたほうが好き、という人も多い。その他、味噌汁に入れたりもする。豚汁のような味になる。

 記:ガジ丸 2004.8.11 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


ゆし豆腐

2011年03月07日 | 飲食:食べ物(料理)

  熱々は危険、ゆし豆腐

 先週月曜日の晩飯はゆし豆腐。豆乳ににがりを加えた自作のゆし豆腐。かつおだしと醤油で味付けし、畑の葱と畑の島唐辛子を薬味として添える。
 ゆし豆腐はあんまり熱を加えすぎると豆腐の凝固が進み、堅くなるので、にがりを加えたら火を消し、それ以上は熱を加えない。そのまま蓋をして、5分ほど蒸らした後食すと味も良く、すごく軟らかく、まるでヨーグルトのような食感。
    
 その日のゆし豆腐はしかし、少々堅めで、非常に熱かった。出汁を入れ忘れたので、蒸した後加えた。出汁はぬるかったので当然、ゆし豆腐その ものもぬるくなった。で、暖めた。うっかり暖め過ぎた。よって、少々堅めで、非常に熱いゆし豆腐となったのだ。
 いつも通りのゆし豆腐なら、器に入れて、すぐに食べることができる。いつも通りではない熱いゆし豆腐を、オジサンはうっかりして、いつも通りのゆし豆腐と同じように食ってしまった。口の中に放り込んだスプーン一杯の豆腐は非常に熱くて、舌が火傷しそうになった。慌てたオジサンは思わずそのまま飲み込んでしまった。死ぬかと思った。喉から胸にかけて食道の中を熱い塊がゆっくり落ちていった。喉から胸にかけて食道の中をオジサンは火傷した。見えない火傷だったが、確かな火傷だった。食卓に両手を付いて、頭を下げて、目を閉じて、叫びそうになるのをじっとこらえる。3分間、耐える。
 食道ガンは、こういった火傷から発生することも多いらしい。気をつけよう。
     
     

 ゆし豆腐  
 ゆし豆腐は中国にもある、というか当然、中国がルーツなのだろうが、日本(大和)にも"おぼろ豆腐"という名で存在する。豆乳ににがりを加えて型に入れる、その前にトロトロになった鍋の物を食ってみようと思った豆腐屋は、中国にも日本にも沖縄にもいたのだろう。それにしても、大和(沖縄以外の他府県をヤマトゥと言う)でゆし豆腐をあまり見かけないのは不思議に思う。それを「なかなか美味いじゃないか」と感じた豆腐屋が大和には少なくて、沖縄には多かったからなのか、どうなのか、不明。
 沖縄では、ゆし豆腐は大人気。朝、街行く豆腐屋さんも豆腐ではなく、ゆし豆腐を主に売っている。ゆし豆腐がメインの店もいくつかあり、どこのスーパーでも、何種類ものゆし豆腐が置かれてあり、沖縄人の大好物の一つと云って良い。私も大好物。
 →作る
     
     
     
     
     
     
     

 記:ガジ丸 2004.8.11 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行