厚労省の裁量労働制に関する調査データが不適切であるとの指摘が連日報道されている。
法案提出時の説明では、裁量労働の方が残業時間の短縮等に繋がり労働環境を改善し得るとのデータであったが、データ処理が不適切で説明資料の体をなしていないことが指摘されているものである。加えて、生データの存在を隠すという体たらくも暴露され、公務員の信頼を一挙に失墜させてしまった。おそらく労働環境の調査と分析は民間業者が行ったものであろうが、厚労省が事前審査すべき設問項目選定と期待成果を得るための設問の相関関係の設定という調査の準備段階、調査の設計に誤りがあったもので、誤った設計下に行った調査では満足な分析ができなかったものと思う。厚労省が真剣に労働環境の改善を目指すならば、虚心を持って調査に当たり、もし法案が現状の改善に寄与しないとの調査結果が出れば法案提出を見送ることを進言すべきであり、それこそが行政の王道、官僚の矜持であると思う。労働環境の現状と現場労働者の意見を改竄することは、役人として絶対にやってはいけないことではないだろうか。データの改竄問題はさておき、個人的には裁量労働制の方が労働意欲の向上と収入の向上(長期的に見て)が期待できるのでは無いだろうか。確かに裁量労働の方が成果の質を高める努力がより必要となるために就業時間(残業時間)は増加するだろうが、自分の労力が目に見えて評価されることの達成感、成果が以後の昇給や昇進に結び付く期待感は計り知れないと思う。今は無職の自分が裁量性労働の是非について云々するのは不遜であるかもしれないが、現役時代を顧みての繰り言とご容赦頂きたい。
裁量労働の業種や裁量範囲等の選択肢を多くする方が、労働者には労働意欲の向上となり、企業としては生産性の向上となり、少子化による若年労働力減少にも寄与し得ると思うのだが、楽観的過ぎるだろうか。