1160万年前に起きた生物の大量絶滅の原因が、海に落ちた隕石である可能性が大きいことが日本の海洋研究開発機構から発表された。
生物の大量絶滅は、恐竜を絶滅させた6600万年前が最も新しいと思っていたが、その後も3600万年前と1160万年前と2度も起こっていることを知った。大急ぎでネットの記事を拾い読みしたところでは、既に明らかとされている生物大量絶滅は4億4千年前以降に幾度となく繰り返されており、3億年前以降でも11度の絶滅が確認されているそうである。絶滅という字面から、地球上の全ての生命が死に絶えるというイメージを持っていたが、恐竜を絶滅させた6,600万年前の事象にあっても70%の生物は死滅したものの、環境変動に耐えることができた30%の生命は生きながらえて次世代の王(主力)となっている。特に1160万年前の大量絶滅は、我々人類にとっては遠い祖先である類人猿が出現・繁栄できる元となった記念すべき大量絶滅・代替わりであることも知った。大量絶滅の原因は大きく分けて火山の大規模噴火と隕石(小惑星)の衝突に分けられている。火山の大規模噴火は大陸の衝突等によるマントルの異常によるものとされており、現在の大陸移動の状態から見て近未来に起こる可能性はないが、隕石の衝突の方は、6600万年前の絶滅時は直径10㎞の小惑星が、1160万年前は直径6㎞の惑星が衝突されたとされている。現在直径1㎞以上の小惑星(地球近傍天体(NEO))は1000個、直径数百mのものは5000個以上も存在する。新たな発見によってその数は更に増えるとされており、各国の軍・研究機関が監視しているが、今年(2019年)7月に起きたNEO(直径100m内外)の異常接近・通過(地球から約7万㎞)では、兆候を捉えたのは前日であった。映画アルマゲドンでは惑星との衝突を回避するために決死隊が惑星に降り立ち核爆弾を埋め込んで粉砕するが、実際はそんな時間余裕はなく我々は何が起きたかも解らずに死んでいくことになるのかもしれない。
中国古代の杞の人は天が崩れ落ちてきはしないかと心配した(杞憂)というが、NEO衝突は起こり得ることかもしれない。生物大量絶滅の原因解明を読んで、いささかの無常観を感じつつ、本日の口演終了。