開幕中のASEAN外相会議を含め、南シナ海とインド洋の中国支配権の拡大が更に顕著となっている。
南シナ海のスプラトリー諸島に中国が造成中の人口島の写真が報道されたが、3000mの滑走路や数階建ての建物も整備され既に軍事基地としての機能は整ったものと推測される。ASEAN内部では国際司法裁判で自国の正当性が認められたフィリピンが中国の軍門に下り、マレーシア、ミャンマー、カンボディアでは強力な親中政権が維持された結果、南シナ海での中国の現状容認に傾きつつある。唯一マラッカ海峡を扼するシンガポールが中国の影響を排除しようと努めているが多勢に無勢の感で、南シナ海の中国支配はおろかASEAN自体が中国の下部組織化する日も遠くないとも推測できる。インド洋に目を転じれば、先に港湾機能が中国に租借されたスリランカのハンバントタ港から20㎞しか離れていない国際空港(中国の借款で建設)が経営困難に陥り、スリランカ政府はインドに救済を求めていることが報じられた。同空港は国際空港とは名ばかりで1日の利用者が10人程度で定期便も就航していないとされており、そのように採算が取れないことは明白な地域での空港整備に中国が借款を与えたのは、港湾施設と同様の手法で空港施設の租借を狙ったものであることは明白である。既にスリランカとモルディブの港湾施設を手にした中国が、スリランカの空港まで手に入れることになれば、インド洋における中国軍の軍事行動は飛躍的に強化される。
国際信義など意に介さない狡猾な中国がインド洋・南シナ海で制海権を得た場合、日本の命脈を左右するシーレーン内での謎の海難事故や、海賊船の横行等の違法・無法が常態化する事態は充分に起こり得る。そのような事態を防止するために、スリランカの国際空港救済に日本が無償援助することを検討してはどうだろうか。
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