ゴエモンのつぶやき

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障害者自立支援法施行から2年  給付金大幅減で現場悲鳴

2008年07月06日 22時39分37秒 | 障害者の自立
 障害がある人たちが自宅から通い、作業などに携わる横浜市内の通所施設で、重度の障害がある人を受け入れる所を中心に、大幅減収に追い込まれる施設が相次いでいる。二〇〇六年の障害者自立支援法施行に伴い、利用日数に関係なく安定支給されていた給付金が、日割り計算方式へと変更されたことが最大の原因。現場からは「このままではやっていけない」と悲鳴が上がっている。 (中山高志)

 「日割り計算方式は施設の経営基盤を危うくするものです」。横浜市栄区で重度障害者通所施設「朋」を運営する社会福祉法人「訪問の家」理事長の日浦美智江さん(70)は、厳しい表情で訴える。

 「朋」には、知的障害と身体障害が重複する計四十八人が通う。職員のサポートを受けながら体を精いっぱい動かし、クッキーやジャムづくり、アルミ缶回収などさまざまな作業に挑戦している。

 しかし、メンバーはいずれも障害が重く、体調悪化や長期入院などで休むことも少なくない。このため利用は平均すると週三日程度で、人によっては一カ月に二日しか通えない場合もある。

 自立支援法施行以前は、市から県国民健康保険団体連合会経由で施設に払われる給付金は、通所日数ではなく利用者数に応じた定額だった。

 ところが法施行により、実際に通所した日数分しか給付金を支払わない日割り方式に変更され、「朋」のように通所日数が安定しない施設はもろに影響を受けた。〇七年度上半期の給付金は約三千万円だったが、日割り方式導入後の同下半期では約千五百万円と半減した。

 「朋」では、メンバーが休む場合でも、職員が自宅や病院を訪問するなどして本人や家族のケアに努めているが、現行の仕組みではこうしたサービスは給付金に反映されない。この制度に対し、市の福祉関係者からも「『来てなんぼ』という日割り計算の考え方は実態にそぐわない」との批判がある。

 横浜市障害支援課によると、市内の障害者通所施設約八十カ所の大半が、日割り計算方式の影響で減収に追い込まれた。中でも「朋」のように、重度障害者が多く通う施設ほど影響は大きい。施設からは「毎月の収入が読めず、まるで『ギャンブル経営』だ」という声まで出ている。

 厚生労働省障害福祉課によると、日割り計算方式は「利用者がサービスを組み合わせ、自分にあったサービス利用ができるようにする」という目的から導入したという。

 一方、障害が重い人の給付金単価を引き上げたり、〇八年度に限っては前年度の施設給付金の九割を保障したりするなど施設側にも配慮したといい、「制度変更は考えていない」(同課)という。

 しかし、日浦さんはこう訴えた。「給付金を日割りにしても職員の給料を日割りにすることはできない。元の制度に戻してほしい」