ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者がレース場の“裏側”見学

2010年06月04日 00時38分20秒 | 障害者の自立
 飯塚市大日寺の身体障害者療護施設「梅香苑」の利用者4人が2日、同市の公営競技「飯塚オート」を訪れ、走路内やバイクの整備室など、いつもは立ち入ることができないレース場の“裏側”を見学した。

 同苑は、交通事故や脳疾患で体が不自由になった70人が利用。年1回、美術館や水族館など、利用者が希望する場所へ職員とともに出かけている。

 飯塚オートでは、利用者らが、一般は立ち入り禁止になっている走路内側の芝生上でレースを観戦。選手がバイクを整備する「ロッカー」と呼ばれる部屋にも入って、選手に「エンジンの調子はどうですか」と声を掛けたり、一緒に記念撮影をしたりした。

 以前はレース場に通っていたという利用者の白川槻美さん(63)は「名前を知っている選手と会えてうれしい。間近で観戦するとやはり迫力が違う」と喜んでいた。

(2010年6月3日 読売新聞)

盲導犬:視覚障害者の神戸・大下さん、育成の支援求め 募金箱設置に協力を /兵庫

2010年06月04日 00時36分35秒 | 障害者の自立
 ◇活動で「アイメイト協会に恩返し」

 神戸市兵庫区新開地4で大下治療院を営む鍼灸師(しんきゅうし)、大下義広さん(47)は、盲人更正援護施設「アイメイト協会」(東京)の盲導犬育成のために募金活動と取り組んでいる。大下さんの呼びかけに応じて神戸市内の飲食店やホテルなど30カ所に募金箱が置かれているが、大下さんは「盲導犬は視覚障害者が自立した社会参加を果たすために重要な役割を果たします」と支援の広がりを求めている。【小園長治】

 大下さんは網膜色素変性症のため19歳で失明した。以後28年間、白杖(はくじょう)を利用して生活してきた。この間、駅のホームから転落、階段の踏み外し、歩道に置かれた放置自転車やはみ出した看板とぶつかるなどけがが絶えなかった。

 大下さんと盲導犬が出会ったのは昨年9月。アイメイト協会から盲導犬を提供され、東京で1カ月間、盲導犬との歩行訓練などを受けた。昨年10月から妻美穂さん(37)、長女りかちゃん(1)の家族と一緒に自宅で暮らし、大下さんの生活も大きく変わった。

 大下さんは「私が盲導犬を授かるためにアイメイト協会に支払ったのは滞在費、指導費など約15万円です。盲導犬のおかげで、安全に歩けるようになりました。私に安全を与えてくれたアイメイト協会に恩返しをしたい」と募金活動を始めた。

 「盲導犬1頭を育てるには600万円から4000万円もかかる場合もあります。どうしても多くの方々の支援が必要です。視覚障害者が尊厳と自信を持って暮らせるお手伝いをしたいと思っています」と大下さんは言葉を続ける。

 現在、神戸市内の飲食店、ホテル、歯科医などに専用の募金箱を置き、協力を求めているが、大下さん「さらに支援をいただける所を探しています」と話す。大下治療院で針やマッサージを受ける患者も募金箱に多くの善意を寄せている。

 募金箱設置などの問い合わせは大下治療院(078・766・7900=9~18時)。

毎日新聞 2010年6月3日 地方版

劇団四季の名曲とダンス公演 収益は障害者福祉に 

2010年06月04日 00時34分22秒 | 障害者の自立
 劇団四季のミュージカルの名曲とダンスを詰め込んだ「55ステップス」(神戸新聞社など後援)が19日、尼崎市昭和通2、尼崎アルカイックホールで上演される。収益は障害者のために寄付するといい、主催する実行委員会は「障害者も健常者も一緒に楽しんで」と呼びかけている。


 障害者支援をするNPO法人運営者や障害者の母親らでつくる「劇団四季尼崎公演チャリティー実行委員会」の主催で、12回目になる。

 今回は劇団四季創立55周年記念の作品。「キャッツ」「ライオンキング」といったミュージカル作品の名曲などをアレンジし、音楽とダンスが一体になったパワフルなステージを披露する。車いす席(完売)を設けており、医師や看護師も待機する。当日は約100人のボランティアが介助する。

 収益は、障害者の一時預かりなどを担うNPO法人「ヴィ・リール生活支援センター」(尼崎市)に寄付する。

 同実行委の長尾かほる委員長(66)は「ステージを楽しむことが障害者支援につながる。ぜひ来場を」。

 午後6時開演。S席8千円、A席6千円、C席3千円。同実行委TEL06・6438・8363

神戸新聞

記者の目:発達障害がある人の犯罪と矯正 野沢和弘

2010年06月04日 00時31分36秒 | 障害者の自立
 なんとも不可解に思える事件で検挙された人に発達障害があったとき、刑事手続きのあり方やメディアの報道をめぐってよく論議になる。その問題を考えてみたい。

 見ず知らずの女性を刺殺した高校生が「人を殺す経験をしてみたかった」と供述して騒然となったのは10年前のこと。高校生は発達障害の一つであるアスペルガー症候群と診断された。脳に何らかの原因がある先天的な障害でコミュニケーションや相手に共感することが苦手なため、悪意はなくても相手の感情を逆なですることがある。

 7年前、4歳児が裸で立体駐車場から発達障害ありとされた少年に突き落とされた事件では、地元新聞各紙が3日連続1面トップで障害名を報じ、障害者の家族や支援者からマスコミ批判が起きた。

 そのころから報道は変わった。自宅に放火して家族を死なせたり、母親に毒物を盛って衰弱していく様子を観察したり、若い姉妹を惨殺したり……。これらの事件でも容疑者に発達障害があると診断されたが、障害名が大きく報道されることはなかった。

 今年3月、触法障害者の矯正について英国を取材した。二つの保安病院を視察し、研究者や英国自閉症協会のスタッフに会った。殺人など重要事件を起こした障害者が収容されている高度保安病院では、患者1人に年間4000万円の予算が費やされている。再犯のリスクが低減して地域生活に戻ると、後見命令によって6~12人のスタッフが24時間態勢で見守り支援をするという。これらは本紙くらしナビ面「障害者の『罪と罰』~イギリスからの報告」(3~4月掲載)で紹介した。

 ◇議論が政策生む
 悪意や反省という概念が私たちのようには成り立たない障害特性への理解、彼らの矯正に多額の公費をかけることを許容する世論にメディアがどう関与しているのか、私は知りたかった。そこでいきなり冷水を浴びせられたのは著名な自閉症研究者のパトリシア・ハウリン教授の言葉だ。「猟奇的な犯罪はメディアをひきつけ、アスペルガー症候群の人はみんな事件を起こすかのように報道する。10年前から少しも変わらない。ニュース性がなくなるとすぐに忘れ、フォローもしない」

 その後も弁護士や医師など会う人ごとにメディア批判を聞かされた。彼らにとってマスコミは敵であり憎悪の対象だった。実際、英国に滞在していた8日間、過去に重要事件を犯した人物の現況を報じるセンセーショナルな新聞記事を何度も見た。加害者の子どものころの写真を大きく載せた新聞もあった。

 他方、当事者団体やNPOが障害者の権利擁護や刑務所改革に取り組んでいた。政治家や省庁と協議の場を定期的に持ち、テレビやラジオで主張をアピールし、マスコミもそうした活動を報道する。むき出しの主張や思想が激しくぶつかり合い、議論のしぶきが政策決定の場にも飛んでいることを実感させられた。

 ◇刑罰でなくケア
 英国に比べ日本のマスコミはまだ抑制が利いていると思う。当事者団体やNPOの取り組みも弱いので、この問題が政治課題として注目されることもなく、予算も付かない。批判されなければマスコミは安心だし当事者団体も楽だが、被害者への同情が膨張する裏側に、「ゆがんだ障害者観」が張り付き、いつか偏見が腐臭を放つことになりはしないか。センセーショナルな報道には反対だが、批判を恐れて書かないことは問題を潜在化させるだけだ。

 権力や巨悪をナタで切るようには料理できない繊細で複雑な取材対象があるのに、私たちはその重要性を十分認識していないのではないか。テーマに合った取材手法や報道のあり方はもっと研究されていい。触法発達障害者の問題は、多様な専門性を要する繊細なテーマの典型だろう。

 英国取材は内山登紀夫医師(福島大教授)、大石剛一郎弁護士、堀江まゆみ白梅学園大教授、桝屋二郎医師(神奈川医療少年院)らと同行した。別々の専門領域のメンバーが同時に同じ取材をし、思考が固まらないうちに空港やホテルやタクシーの中で議論した。異職種チームで複眼的アプローチを試みたのである。

 触法の発達障害者に必要なのは刑罰ではなく自分を肯定できるケアであり、それが再発防止や治安維持にも有効であること。英国には死刑がなく、終身刑という概念が刑事政策の隅々に影響していること。共感や反省が苦手な発達障害者の特性を理解せず、被害者感情を盾に厳罰化を求めても真の安心は得られないこと。性急に結論を出そうとして発達障害の本質をはずしているメディアや司法が議論の熟成を阻害していること--などのヒントが浮かんだ。国内で調査研究を続け、報告したいと思う。


毎日新聞 2010年6月3日 0時39分

取り戻した歌声、障害者の願い込め 病で気管切開の声楽家が音楽会

2010年06月04日 00時29分37秒 | 障害者の自立
 神経の病気で気管を切開し、一度は声を失った京都市の女性が、歌声を取り戻し、公演活動を続けている。気管切開をしながら復帰した声楽家は全国でも例がないという。6日には中京区の京都アスニーで、医療的ケアが必要な障害者が暮らせる社会を考える講演会の後、当事者として舞台に立つ。障害者の声に耳を傾けてほしいとの願いを込め、クラシック曲を歌い上げる。

 右京区の青野浩美さん(26)。子どものころから音楽教師になるのが夢で、同志社女子大音楽学科に進んだ。声楽を学んでいた2006年12月に突然、体が動かなくなった。検査の結果、神経性の疾患と分かったが、病名は判明しなかった。リハビリに励んだが、足は全く動かず、車いすでの生活になった。

 呼吸が突然止まる発作も出始め、首に穴を開けて気管にカニューレ(管)を入れる必要がでてきた。医師は「歌えなくなるだろうが、切開しないと命の保証はできない」と告げた。青野さんは病気を忘れさせてくれた歌を失うのがつらく、半年間悩んだが、手術を決意した。

 術後、体に合った会話用のカニューレを探し、声は取り戻せた。幸運にも声質は変わっていなかったが、以前のようには歌えなかった。一度に息を吸える量が減ったため、息継ぎを細かくする▽切開した穴とカニューレとのすき間を指で押さえて空気が漏れるのを防ぐ-など、工夫を重ねながら再び歌い始めた。

 ■6日にコンサートと講演会「多くの課題知って」

 6日の講演会は、NPO法人「医療的ケアネット」が催す。福祉職員がどこまで担えるかがあいまいで、当事者や家族の負担が重い「たん吸引」などの医療的ケアについて考える。その後のコンサートで、青野さんは「アヴェ・マリア」や「野ばら」などをソプラノ独唱する。自身もたん吸引が必要で、介護事業所に移動介護を断られた経験がある。「障害者が社会で生きていくには多くの課題がある。親しみやすい音楽を通じて、大勢の人に現状を知ってもらえれば」と話す。

 講演会は午後1時、コンサートは3時半ごろから。参加費1500円。問い合わせは医療的ケアネットTEL075(693)6604。

京都新聞