内閣府の「障がい者制度改革推進会議」は6月22日、「障がい者総合福祉法」(仮称)のあり方を議論する「総合福祉部会」の第4回会合を開催した。
この中で、民主党などの議員立法で前国会での成立が目指された「障害者自立支援法改正案」をめぐり委員らが、冒頭のあいさつ後に途中退席しようとした山井和則厚生労働政務官に、「極めて遺憾」などと反発する一幕があった。
同改正案をめぐっては、委員から「何の連絡もなく議員立法が進められた」「(国と障害者自立支援法違憲訴訟団の)基本合意書に反する」「ここでの議論は何のためなのか」などの批判が相次いでいた。同改正案は、鳩山由紀夫前首相の退陣に伴い、前国会での成立間際で廃案となった。
同改正案について、山井政務官は冒頭のあいさつで、「政策調査会がスタートしたので、そこの障害福祉担当と情報交換してもらいたい」とし、公務を理由に途中退席しようとした。しかし、委員らは「あいさつだけで帰るのは心外。今後、何の連絡もなく議員立法が進められるようなことがないと明言すべき」と反発。これに対し山井政務官は、「政務官という立場上、議員立法については何も言えない。越権行為になる」とし、続いて質問した委員の発言途中で退席した。
山井政務官の退席後も、国と障害者自立支援法違憲訴訟団の基本合意書の解釈をめぐり、委員と厚労省の担当課長が反発し合う場面があった。
■法案化へ本格的な議論開始
この日の会合では、障がい者総合福祉法についての本格的な議論に入り、▽法の理念・目的・範囲▽障害の範囲▽支給決定▽サービス体系▽地域移行▽地域生活の資源整備▽利用者負担▽報酬や人材確保―などの論点が示された。今後、これら論点の内容について議論し、来夏をめどに法案の大筋を固める。
( 2010年06月22日 21:37 キャリアブレイン )