◇手話で被災体験語る 「恐怖」などテーマにDVD制作
聴覚障害者が阪神大震災(95年)の被災体験を手話で語るDVD「震災体験を語り継ぐ『阪神・淡路大震災』~ろうあ者の1・17~」を、県聴覚障害者協会(神戸市中央区)と県立聴覚障害者情報センター(神戸市灘区)が制作した。聴覚障害者の被災体験が語られる機会は少なかった。耳が聞こえないために避難所などで必要な情報を得られなかった体験を発信し、今後の防災施策に生かす。
聴覚障害者のボランティア5人らによる制作委員会が企画、撮影、編集した。「恐怖」「不安・苛立(いらだ)ち」「悲しみ」「助け合い」「感謝」のテーマごとに、40代~70代の聴覚障害者11人が被災体験や救援活動に携わった体験などを手話で語っている。
制作委員会のメンバーが撮影した被災直後の街の映像や写真なども盛り込んで2時間半に編集した。聴覚障害者が救援対策本部を作り、安否確認や支援に駆け回る貴重な記録映像も収録している。
淡路市(旧淡路町)で被災した巌末子さん(76)は、壁の薄い仮設住宅で、使っている洗濯機やテレビの音が聞こえないために、近隣住民から苦情を受けた体験などを紹介。
神戸市東灘区の自宅が全壊した山村妙子さん(75)は、支援物資を配布する情報が聞こえず、走っていく周囲の人に従って、何があるのかも分からずに列に並んだ体験などを振り返り、「一番欲しい支援は手話通訳者」と訴えている。
字幕なしのDVDは既に500枚を作成し、全国の聴覚障害者団体や手話サークルなどに配布した。今後、字幕付きのDVDも作り、今後の防災計画に反映されるよう、自治体などへの配布を想定している。
同センターの嘉田眞典所長は「聞こえない障害がどういうものかを知ってほしい。震災を知らない世代も増えており、私たちの体験や苦しみを伝えていきたい」と話している。
問い合わせは県聴覚障害者協会(078・371・5613、ファクス371・0277)。
毎日新聞 2010年6月13日 地方版
聴覚障害者が阪神大震災(95年)の被災体験を手話で語るDVD「震災体験を語り継ぐ『阪神・淡路大震災』~ろうあ者の1・17~」を、県聴覚障害者協会(神戸市中央区)と県立聴覚障害者情報センター(神戸市灘区)が制作した。聴覚障害者の被災体験が語られる機会は少なかった。耳が聞こえないために避難所などで必要な情報を得られなかった体験を発信し、今後の防災施策に生かす。
聴覚障害者のボランティア5人らによる制作委員会が企画、撮影、編集した。「恐怖」「不安・苛立(いらだ)ち」「悲しみ」「助け合い」「感謝」のテーマごとに、40代~70代の聴覚障害者11人が被災体験や救援活動に携わった体験などを手話で語っている。
制作委員会のメンバーが撮影した被災直後の街の映像や写真なども盛り込んで2時間半に編集した。聴覚障害者が救援対策本部を作り、安否確認や支援に駆け回る貴重な記録映像も収録している。
淡路市(旧淡路町)で被災した巌末子さん(76)は、壁の薄い仮設住宅で、使っている洗濯機やテレビの音が聞こえないために、近隣住民から苦情を受けた体験などを紹介。
神戸市東灘区の自宅が全壊した山村妙子さん(75)は、支援物資を配布する情報が聞こえず、走っていく周囲の人に従って、何があるのかも分からずに列に並んだ体験などを振り返り、「一番欲しい支援は手話通訳者」と訴えている。
字幕なしのDVDは既に500枚を作成し、全国の聴覚障害者団体や手話サークルなどに配布した。今後、字幕付きのDVDも作り、今後の防災計画に反映されるよう、自治体などへの配布を想定している。
同センターの嘉田眞典所長は「聞こえない障害がどういうものかを知ってほしい。震災を知らない世代も増えており、私たちの体験や苦しみを伝えていきたい」と話している。
問い合わせは県聴覚障害者協会(078・371・5613、ファクス371・0277)。
毎日新聞 2010年6月13日 地方版