神戸市北区の社会福祉法人が取り組む知的障害者らの「就労支援」が、地域で実を結び始めている。自分たちで育てた野菜を販売したり、ゴルフ場の整備作業を黙々とこなしたりする姿が信頼を勝ち取り、雇用を前向きに検討する企業も。同法人は「障害があっても、労働の必要性を自覚し自立できるようさらに力を入れたい」としている。
北区淡河町東畑の「上野丘さつき会」(上野智理事長)。障害者の自立した社会生活の支援を目的に、1968年に設立された。知的障害や発達障害のある人ら100人ほどが入所、もしくは通所している。
同会では、食事や入浴のサービスを提供するほか、障害の程度に応じて調理や洗濯、読み書きなど日常生活で必要な能力の訓練を実施。また、農地での野菜作りやゴルフ場などで働く機会も用意し、可能な範囲で経済的自立を支援している。
仕事場の一つである有馬ロイヤルゴルフクラブ(同区淡河町北畑)は、10年以上前から同会の障害者を受け入れている。利用客のショットで削られた芝生の修復作業や落ち葉の回収など、コースの管理を任せている。
作業に取り組む杉浦孝治さん(34)は「仕事が楽しみ。仲間と仕事できるのがうれしい」。コース管理部の小西志希子さん(71)は「まじめで一生懸命やってくれる。人の手が足りない中で本当に助かる」と信頼を寄せる。
同ゴルフクラブは、同会と雇用契約を結んでいるが「いずれは一人一人を直接雇用したい」と副支配人の山本良太さん(36)。「運転免許の取得など課題はあるが、直接雇用で(障害者の)収入も増やせる。地域社会の一員として支援できれば」と話す。
ほかにも雇用を進める事業所などがあるといい、同会の丸山博徳さん(45)は「障害に同情するのではなく、受け止めて支援しようという環境がもっともっと広がってほしい」と期待している。
神戸新聞
北区淡河町東畑の「上野丘さつき会」(上野智理事長)。障害者の自立した社会生活の支援を目的に、1968年に設立された。知的障害や発達障害のある人ら100人ほどが入所、もしくは通所している。
同会では、食事や入浴のサービスを提供するほか、障害の程度に応じて調理や洗濯、読み書きなど日常生活で必要な能力の訓練を実施。また、農地での野菜作りやゴルフ場などで働く機会も用意し、可能な範囲で経済的自立を支援している。
仕事場の一つである有馬ロイヤルゴルフクラブ(同区淡河町北畑)は、10年以上前から同会の障害者を受け入れている。利用客のショットで削られた芝生の修復作業や落ち葉の回収など、コースの管理を任せている。
作業に取り組む杉浦孝治さん(34)は「仕事が楽しみ。仲間と仕事できるのがうれしい」。コース管理部の小西志希子さん(71)は「まじめで一生懸命やってくれる。人の手が足りない中で本当に助かる」と信頼を寄せる。
同ゴルフクラブは、同会と雇用契約を結んでいるが「いずれは一人一人を直接雇用したい」と副支配人の山本良太さん(36)。「運転免許の取得など課題はあるが、直接雇用で(障害者の)収入も増やせる。地域社会の一員として支援できれば」と話す。
ほかにも雇用を進める事業所などがあるといい、同会の丸山博徳さん(45)は「障害に同情するのではなく、受け止めて支援しようという環境がもっともっと広がってほしい」と期待している。
神戸新聞