元鳥取県立聾学校教諭で、同校写真部を全国強豪に育てた高田啓一さん(62)=鳥取市雲山=の写真展「あれから」が8日から、同市の中電ふれあいホール(片原1丁目)とギャラリー柏葉(若桜町)の2会場で開かれる。同校の創立100周年に合わせて企画。卒業生65人の在校当時と”今”を約120点のモノクロ写真と文章で紹介しながら、地域社会に暮らす聴覚障害者への理解を訴える。13日まで。
高田さんは同校に1976年から33年間勤務。写真部顧問として、引っ込み思案の生徒たちが社会に出ても自立できるように「写真」を通じたコミュニケーション能力の育成を図ってきた。
写真展は、創立100周年記念式典が9日に開かれるのに合わせて開催。数年前、知り合いのカメラマンに「聾学校の生徒たちを撮れる人はあなたしかない」と背中を押されたことをきっかけに、定年を控えた年の暮れから卒業生らの姿を2年がかりで追いかけた。
撮影に協力した卒業生は今春卒業した人から50歳近い人まで。県内だけでなく北海道や東京、名古屋など各地に暮らす。結婚して夫や子供に囲まれた笑顔の写真や、さっそうと大型バイクにまたがる姿などが並び、高田さんは「在校時は写真に写るのを嫌がっていた生徒も、今回の撮影には快く応じてくれた。みんなが写真展を楽しみにしてくれている」と喜ぶ。
さらに今展は、写真の下に卒業生たちが聾学校時代の思い出や現在の生活で困っていること、社会に対するメッセージを添えているのも特徴だ。
中には「仕事場に障害者用トイレを設置してもらえず人間関係に疲れた」「進路を決めるとき、まだ障害者差別が残っていることを知り悲しかった」など厳しい現実も語られている。
高田さんは「写真展だが、卒業生たちの書いた文章がメーン。悩みや葛藤を抱えながら一生懸命に生きている彼らの姿を知ってもらうことで、少しでも住みよい社会に変われば」と話している。
日本海新聞 -
高田さんは同校に1976年から33年間勤務。写真部顧問として、引っ込み思案の生徒たちが社会に出ても自立できるように「写真」を通じたコミュニケーション能力の育成を図ってきた。
写真展は、創立100周年記念式典が9日に開かれるのに合わせて開催。数年前、知り合いのカメラマンに「聾学校の生徒たちを撮れる人はあなたしかない」と背中を押されたことをきっかけに、定年を控えた年の暮れから卒業生らの姿を2年がかりで追いかけた。
撮影に協力した卒業生は今春卒業した人から50歳近い人まで。県内だけでなく北海道や東京、名古屋など各地に暮らす。結婚して夫や子供に囲まれた笑顔の写真や、さっそうと大型バイクにまたがる姿などが並び、高田さんは「在校時は写真に写るのを嫌がっていた生徒も、今回の撮影には快く応じてくれた。みんなが写真展を楽しみにしてくれている」と喜ぶ。
さらに今展は、写真の下に卒業生たちが聾学校時代の思い出や現在の生活で困っていること、社会に対するメッセージを添えているのも特徴だ。
中には「仕事場に障害者用トイレを設置してもらえず人間関係に疲れた」「進路を決めるとき、まだ障害者差別が残っていることを知り悲しかった」など厳しい現実も語られている。
高田さんは「写真展だが、卒業生たちの書いた文章がメーン。悩みや葛藤を抱えながら一生懸命に生きている彼らの姿を知ってもらうことで、少しでも住みよい社会に変われば」と話している。
日本海新聞 -