ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

今週の本棚・新刊:『障害者の福祉的就労の現状と展望』=松井亮輔、岩田克彦・編著

2012年01月16日 02時27分28秒 | 障害者の自立
 公的、私的な支援を得て授産施設などで働く「福祉的就労」には、20万人を上回る障害者が従事している。だが、月額平均賃金は「福祉工場」などを除き、1万2000円前後。一般就労への移行は年間約3400人(08年)に過ぎず、国の目標9000人には及ばない。

 背景に労働・福祉の政策連携不足があると、本書は指摘する。障害の重い人でも働く能力が低いとは限らない。働く障害者に労働法の適用拡大を慎重に進めつつ、就労能力を評価する仕組みを整え、所得保障に連動する制度の構築を主張している。

 経済学、労働法などの専門家、現場を知る施設経営者ら14人が、福祉就労に必要な取り組みを共同で執筆した。欧米諸国の現状も詳細に記され、障害者の就労支援をめぐる国際動向を知るのにも役立つ。

 編著者の岩田氏は国立社会保障・人口問題研究所の特任研究官。長男が重度の身体障害者で、障害者の雇用・就労問題と社会保障の政策連携をライフワークの一つとしている。より柔軟な時間、条件による就労を可能にする「フレックス・ジョブ」を導入したデンマークを、「日本がモデルにすべき一つ」と語る。 (中央法規・3150円)

毎日新聞 2012年1月15日 東京朝刊

村木・内閣府政策統括官:障害者の雇用を 千葉で講演--推進団体設立 /千葉

2012年01月16日 02時25分22秒 | 障害者の自立
 さまざまな理由で働きづらい状態にある人を迎え入れ、共に働くことを目指す「ユニバーサル就労ネットワークちば」が14日、千葉市内で設立された。村木厚子・内閣府政策統括官(共生社会政策担当)が「障害のある人もない人も地域ではたらくということ」と題し、同市内のホールで講演した。

 村木氏は、民間企業の障害者の雇用率は、法定雇用率(1・8%)には及ばないものの、雇用者数(11年6月現在)は8年連続で過去最高と報告した。一方で、重度の知的障害者や精神障害者の雇用が進みにくく、発達障害など、障害特性に応じた雇用の研究が新たに必要になってきているとした。

 その上で、「仕事を進めるなかで、必要なサポートを受けられるかや、仕事内容のステップアップ・ダウンができるか。やりがいのある仕事で、適切な報酬があるかどうか、などが重要なポイントだ」と指摘した。

毎日新聞 2012年1月15日 地方版

「木工で卒業記念作ろう」 相模原の障害者ら、被災地交流を企画 宮城・石巻の小学校訪問へ /神奈川

2012年01月16日 02時21分32秒 | 障害者の自立
 相模原市中央区相生の障害者地域作業所「ウディーショップきこり」のメンバーが、宮城県石巻市立釜小学校の6年生に「卒業記念の木工品を」と31日と2月1日の両日、同小を訪れ木工教室を開く。東日本大震災で被災した児童と交流し、「ハンディ、逆境を乗り越え、共に生きる希望のともしびをかざそう」と企画した。

 釜小学校は石巻港から約2キロ離れた北上川運河沿いにあり、児童25人が大津波の犠牲になった。工作用機器などは浸水で使えず、6年生98人が手掛ける恒例の卒業記念品も作れない状況となった。きこりで働く知的障害の15人はスタッフと相談。「励まし、助け合いたい」と交流を持ちかけ、卒業記念の木工制作が決まった。

 交流するのはきこりで働く青山淳一さん(43)と原芳明さん(24)の2人。きこりの活動を支援する組み木デザイナー、小黒三郎さん=熊本県小国町在住=や、おもちゃの活動グループ「きんとんうん」事務局の小林弘子さん=東京都西東京市在住、きこりの活動を支える「力こぶ」メンバー2人も参加する。

 卒業記念品のテーマは「動物の仲間」。小黒さんが31日、6年生3クラスで各100分間の授業を受け持ち、糸ノコの実技や動物デザインについて説明する。2月1日は小黒さんの指導と青山さん、原さんの実演を見ながら、児童が小黒さんのデザイン画などを参考に思い思いの動物の組み木作りに取り組む。

 完成した作品は卒業式の記念品として、校長の祝辞を添えて児童に手渡される予定。きこりは来春の卒業生の制作分を含めて工作に使うカツラ材(縦横20センチ、厚さ2センチ)200枚を、「きんとんうん」メンバーも電動糸ノコ5台と替え刃100本、ボール盤1台を同小にプレゼントする。

 きこりは87年に民家を借りて開設された障害者自立支援の地域活動センター。09年からNPO法人の運営となり、21~43歳の男女15人が動物をかたどった木のはがきやパズルなど自主作品を制作・販売している。大震災後の昨年3月下旬、「みんなで助け合いたい」とわずかな給料から1人100円をカンパ。力こぶメンバーも義援金を出して福島県の知的障害者施設の団体に100万円を贈った。今年4月には、同県内の知的障害者とお花見の交流会も計画している。

毎日新聞 2012年1月15日 地方版

知的障害者が熱演 第九に合わせ無言劇「不戦賛歌」

2012年01月16日 02時14分51秒 | 障害者の自立

 豊島区南長崎六の通所授産施設「みつばちブンブン」に通う知的障害者たちが十四日、区内の劇場でベートーベンの交響曲第九番全四楽章に合わせたオリジナルの無言劇「不戦賛歌」を上演した。心身のこわばりを解く目的で取り入れたイメージトレーニングが発展して始まった公演活動は評判を呼び、この日も満員の約三百人の観客から大きな拍手を受けた。 


 地球を大写ししたスライドが原爆投下の写真に変わると、血まみれのぼろをまとう役者たちがうめくように立ち上がり、倒れた。地球を奪い合う権力者に民衆が弾圧される-。


 極めてストレートな反戦の表現に、二十二歳から六十五歳までの年齢も症状もさまざまな障害者たちの存在感が、重みを与える。怒り、喜ぶ表情や、重い足取りが真に迫る。


 平和の訪れで幕が下りると、観客が「よかった、すごかった」と語り合っていた。初めて見た男性公務員(50)は「障害者かどうか関係なく格好良かった。一時間半があっという間」と感心した。


 みつばちブンブンは約二十年前、区内在住の演出家三浦弘之さん(70)の指導で、音楽に合わせ体を動かすイメージトレーニングを取り入れた。重度の自閉症や多動でいすに座っていることもできない利用者もいて、最初は泣く人もいた。だが、今はこの練習を楽しみにする人が多く、日常生活でも仲間意識や落ち着きが生まれた。


 十五年前の初公演は好評で、以来四作品を不定期で上演した。不戦賛歌は五年ぶり三度目だが、第九の全楽章に合わせたのは初めて。二年以上練習を重ねた末の舞台だった。


 かつて勤務先でいじめられ自宅に約一年引きこもった佐久間有紀子さんは、この公演で地球を表すオブジェをささげ持つ重要な役を演じた。「楽しい。続けたい」と笑顔を見せた。


 三浦さんは「障害者への心の垣根を取り払うことも目的の一つ。学芸会レベルでなく、観客の心を動かす舞台を目指している」と語った。


知的障害者らが熱演を見せた「不戦賛歌」の舞台=豊島区で

東京新聞 -2012年1月15日

得意分野見つけて、障害児支援者対象に学習会/横須賀

2012年01月16日 02時04分46秒 | 障害者の自立
 障害のある子どもたちの支援者を対象にした合同学習会「仕事にチャレンジ!」が14日、横須賀市本町の市立総合福祉会館で開かれた。保護者や教育、福祉関係者ら約160人が参加。障害者を雇用する企業や市内の特別支援学級教員らによるパネルディスカッション、グループ協議などを通じ、効果的な支援の在り方について学んだ。

 就労に関する知識や必要な支援法を学ぶことで障害のある子どもたちの自立につなげようと市教育委員会が毎年開催し、11回目。

 市立田浦中学校の三浦昭夫校長がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、6人のパネリストが登壇。市内の特別支援学級で取り組んでいる職場体験や、企業側が求める人材などについて紹介した。

 障害者雇用を進める特例子会社「ファンケルスマイル」社長の簑島修さんは「皿洗いや掃除など、家庭や学校でさまざまな役割を子どもに与え、その子の得意分野を見つけてほしい」とアドバイス。横浜高島屋総務部の大橋恵子さんも「その子の強みをたくさん褒めてあげることが将来の就労につながる」と呼び掛けた。

 このほか、職場見学を体験した市立田浦中の特別支援学級の男子生徒による発表や、パネリストらと参加者が質疑応答を交わすグループ協議を実施。参加者は熱心にメモを取り、支援への理解を深めていた。 


障害のある子の自立をテーマに話し合うパネリストら=横須賀市本町の市立総合福祉会館

カナロコ(神奈川新聞) - 2012年1月15日