県が設置した「発達障害者支援のあり方検討会」(福岡寿座長)は26日、現場の保育士や教師らを後方支援する「サポート・コア・チーム」の創設などを柱にする支援策を阿部守一知事に報告した。知事は「発達障害のサポート態勢はまだ十分ではないと思っている。報告を契機に県として全面的に取り組んでいく」と述べ、新年度から事業展開する方針を明らかにした。
サポート・コア・チームは、広い知識や経験を持つ「サポート・マネージャー」を中心に福祉や教育など多分野の専門家で編成し、今後2、3年をめどに県内10カ所に設置する。保育所や学校に赴いて個々の課題を整理し、継続的に助言しながら県内支援の底上げを図る。
本格運用に向けては、支援手法の統一化やサポート・マネージャーの養成、障害者の周囲の人々が障害の情報を共有できる仕組みづくりなどが課題で、福岡座長は「関係者の理解が不十分だと、父母らは自分のせいだと思ってしまう。保護者の支援も大事だ」と指摘した。
阿部知事との懇談では「県内には人材が育ってきており、数年たてば全国トップクラスになる」と訴え、県として多角的な支援策を展開するよう求めた。
県健康福祉部は、新年度当初予算編成でサポート・コア・チーム事業などの関連事業費2900万円を要求している。
検討会は昨年6月に設置され、自閉症やアスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害者らの支援に向け、年代を問わず、教育や医療、労働などの垣根を越えた支援策を論議していた。