ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者の日用品をオーダーメード、ボランティアが手作り/横浜

2012年06月05日 00時57分38秒 | 障害者の自立
 箸で食べる、髪を洗う―。そんな日常生活の行動に不便さを感じている障害者らをサポートしようと、体が不自由でも使い勝手のいい箸やシャンプーブラシなどの日用品「自助具」を手作りする工房がある。「かながわ自助具工房」(横浜市神奈川区、かながわ県民活動サポートセンター内)は、生活必需品から趣味に使う道具まで、障害の程度や好みにぴったり合った製品を届けている。

 「もう一度、編み物がしたい」。女性が工房を訪ねてきたのは2年ほど前だった。脳梗塞の後遺症で左手がまひし、長年の趣味からも遠ざかっていた。

 製作スタッフは、医療の専門知識がある作業療法士も交えて女性と話し合いを重ねた。約1カ月後、片手だけで編み物ができる器具が完成した。

 太ももで挟んで固定できる仕組みの編み棒と、右手に持ったもう1本の編み棒で毛糸を編めるように工夫を凝らした。編み棒の長さなども、女性の体に合うように微調整。「諦めていた趣味を再び楽しめるようになった」。女性は大喜びだったという。

 日用品は、ひと工夫加えるだけで変身する。工房では1990年の開所以来、たくさんの自助具を創作してきた。

 例えば、食べ物がつかみやすくなるように箸にバネを付けたり、肩が上がらない人にはU字形のプラスチックの中央にシャンプーブラシを取り付け、乾布摩擦の要領で髪を洗えるようにしたり…。スプーンの持ち手にスポンジを巻き付ければ、握力が弱くても楽に食事ができる。

 製作に携わっているのは定年退職した男性を中心としたボランティアだ。作品はリウマチ患者などの間で評判で、製作・修理する自助具は年間約300点にも及ぶ。10年以上のベテランの安東徹郎さん(87)は「世の中にない道具を考案して、使う人が便利と言ってくれるのが何よりもうれしい」と笑う。

 一方、開所当初に比べて訪れる人が減っているという。ケアプラザなど地域の支援施設が充実。民間業者が誰にでも使いやすいユニバーサルデザインの日用品に目を向け、市販品が増えてきたのも要因だ。

 今年3月末、県社会福祉協議会による運営が終了。かながわ県民活動サポートセンター内に併設されている自助具の展示場が閉鎖されることが決まった。

 それでも、材料費だけを利用者に負担してもらい、無償で自助具を提供するのは県内唯一。使い手のことを考えた道具は手作りでないと生み出せない。

 工房の運営は製作スタッフらが立ち上げたボランティア団体が受け継ぎ、春以降も活動を継続している。安東さんらは「作ってほしいという人がいる限り、工房を続けていきたい」と話し、製作体験教室なども開催していくという。

 問い合わせは、県社会福祉協議会ともしびセンター電話045(312)4813。


使う人のことを考えて、自助具の製作に取り組む工房のボランティア

カナロコ(神奈川新聞) -2012年6月4日

障害者全国集会:制度改革などテーマに討論 /埼玉

2012年06月05日 00時52分56秒 | 障害者の自立
 障害をもつ人の特定非営利活動法人「障害者インターナショナル(DPI)日本会議」(88団体加盟、東京都千代田区)の全国集会が3日、さいたま市浦和区の浦和コミュニティセンターで開かれた。11年に政令指定都市で初めて障害者の差別を禁止する条例(ノーマライゼーション条例)が制定されたことを記念して、さいたま市で開かれた。

 DPIは「われら自身の声」をスローガンに、障害者自身が暮らしやすい生活作りを目指して、日本では86年から活動を続けている。集会には全国から約350人のさまざまな障害をもつ人たちが集まった。

 午前は、市内のNPO法人「自立生活センターくれぱす」事務局長の見形信子さん、内閣府の担当者や弁護士ら5人が「障害者制度改革の動向と課題」というテーマで話し合った。午後には、バリアフリーや教育、就労について実例を交えながら分科会で話し合われた。

 自身も障害者である見形さんは「24時間の介助は私たちが当たり前に生きるために必要な人権。それを(自立支援法のように)制限するのは危ない社会。障害のない人も巻き込み声を上げ続けたい」と話した。

毎日新聞 2012年06月04日 地方版

障害者の目で運営点検

2012年06月05日 00時46分20秒 | 障害者の自立
◆ぎふ清流大会リハーサル
 10月に県内で開かれる「第12回全国障害者スポーツ大会(ぎふ清流大会)」まで4カ月。本番に向けて競技運営の改善点を洗い出そうと、2、3の両日、岐阜市など14会場でリハーサル大会が開かれた。県内の選手層が薄い競技では、県外から選手が駆けつけて「実戦」を演出した。


◆県外選手も参加 本番演出
 関市の中池公園陸上競技場では3日、アーチェリー競技が開かれた。同競技場は5月に改装されたばかりで、車いす利用者も駐車場から段差なしで入場できる。仮設の多目的トイレにはスロープが設置された。
 本番では全国から選手60人、監督・コーチら240人以上の来県が見込まれる。県内選手が4人と少ないため、競技を運営する県アーチェリー協会(田中勝英会長)は、健常者の選手に協力してもらいリハーサルをする予定だった。
 だが、同協会の水野利之副理事長(65)が他県の競技関係者に協力を呼びかけると、隣県の愛知や三重はもちろん、静岡や東京などから障害のある選手計26人が集まってくれた。
 「暑さで温度をコントロールできない障害者もいるし、トイレの使い方もみな違う。たくさんの人が参加すれば、いろんなことが見えてくる」。東京都の服部和正さん(55)は、大垣市出身ということもあって、選手仲間に声をかけた。「スポーツで気持ちが前向きになれる。障害者がみなさんに支えてもらって主役になれるこの大会は非常に大事だと思う」と話す。
 補助員の高校生約60人は的に刺さった矢を抜くなど、運営を手伝った。関商工3年で、弓道部主将の長尾昌昇さん(17)は家族に車いすを使う人がいる経験を踏まえ、杖を使う選手を担当したという。「地面に物を置かないよう気をつけた。選手やほかの学校の補助員と交流できるのが楽しい」と話した。
 観客席の一角には「情報保障」と書かれたテントが設けられた。手話や、難聴者向けの要約筆記のボランティアが競技の進行に合わせて情報を伝える場所だ。要約筆記のリーダー西部智恵子さん(56)=美濃市=は「式次第など事前にわかる原稿は紙に書いて、張り出す形にする。見やすく、わかりやすくを心がけたい」と意気込む。
 県協会の水野さんは「高校生たちは初めて補助員を経験するので心配していたが、動きが次第に良くなった。選手や役員の声を聞いて本番に備えたい」と話した。


◆的台35台 関商工生が1年かけ製作…県アーチェリー協会依頼
 今回のアーチェリー競技の的台35台は、関市立関商工高校の部活動「建設工学部」が1年がかりで製作したものだ。材料はすべて県産のヒノキ。県アーチェリー協会から「競技用具をレンタルではなく、大会後も残る形にしたい」と依頼があり、28人のメンバーが得意の木工技術で応えた。
 ノミやカンナを使って木材を加工し、十分な強度を持たせた。一つずつ「関商工」の焼き印も押した。
 この日、同協会に的台を贈った3年の武藤修嗣さん(17)は「一生懸命作ったので、選手の皆さんには競技を頑張ってほしい」と話した。(


リハーサル大会で熱のこもった戦いをするアーチェリーの選手たち=関市塔ノ洞

朝日新聞 - 2012年06月04日