ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

コミュニティーの再生 人口減少の地域社会支える基盤

2016年03月13日 01時58分42秒 | 障害者の自立

11日に大きな節目を刻んだ東日本大震災の教訓の一つとして、住民同士の顔が見える、町内会や自治会単位の地域コミュニティー(共同体)の役割が改めて問われている。

大規模災害時の被害を最小限にとどめるには「共助」が欠かせない。高齢者や障がい者、妊婦など、災害時に手助けが必要な人に、手厚い支援の手を差し伸べるには、地域住民の日ごろのつながりが大きな力を発揮する。

また、災害で九死に一生を得た後も、人々のつながりが健康や精神面の立ち直りに影響するとのデータもある。

米ハーバード大学などが東日本大震災に関して行った調査によると、住民同士のつながりが強い地域の人々は、そうでない地域に比べ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症率が4分の3程度に抑えられるという。

地域のつながりは、災害時だけでなく、日常生活においても、個人や家族レベルでは解決が難しい問題をサポートする役割を担う。人口が減少し、地域の中での人間関係の希薄化が進む中、ご近所の力を今一度、見直すべきではないだろうか。

先週には、認知症男性が鉄道事故に巻き込まれて列車を遅延させた問題で、事故の防止が難しい場合は家族の賠償責任を認めない、との最高裁判決が出た。認知症患者は今後も増えていくことが確実視されているが、行政の対応だけでは限界がある。そこで地域住民による見守りがあれば、このような事故を防ぐ力になるのではないか。

地域住民の視線があれば空き巣などの犯罪防止にも役立つ。痛ましい児童虐待事件を防ぐ上でも、コミュニティーの機能は欠かせない。

既に、自治体の中にはコンビニに見守りの協力を求めたり、家庭や町内の異変に気付きやすい新聞、郵便配達員などに協力を要請している動きもある。

世代を超えたつながりを作るため、高齢者や子どもが気軽に参加できるウオーキングイベントを開催する取り組みも東日本大震災の被災自治体で始まっている。

地域コミュニティーの構築は、一朝一夕にはいかない。できることから一つずつ進めていきたい。

公明新聞:2016年3月12日


車いす駅伝 初代会長悼み喪章で出場

2016年03月13日 01時50分35秒 | 障害者の自立

 京都市で13日に開かれる「第27回全国車いす駅伝競走大会」に佐賀県チーム(土井志穂監督)が出場する。今回は5人がそろい、15回大会以来の単独チームとして出場する。先月亡くなった佐賀車いすマラソンクラブ初代会長の岡田年平さん=鹿島市常広、享年74=を悼み、喪章をつけて走る。

 大会は5区間21・3キロで23チームが競う。この2年は宮崎県との合同チームで出場したが、若手が加わり、久々の単独チーム出場となった。佐賀車いすマラソンクラブ代表の川尻信二さん(60)=有田町=をはじめ、百武強士さん(29)=伊万里市、山北泰士さん(17)=武雄市、脇山陸久さん(17)=唐津市、原野優季さん(33)=同=が出場する。

 大会を前に意気が上がる中、先月25日に岡田さんの悲報が届いた。岡田さんは32歳の時に仕事中の転落事故で脊髄を損傷し車いす生活となったが、さまざまな障害者スポーツに挑戦した。車いす駅伝にも初回から3年連続で出場した。だが、24年前に脳梗塞になってからは競技を離れていた。

 弔辞を述べた川尻さんは「前向きな人で、事故に遭ってから、障害者スポーツに打ち込む気持ちの切り替えが早かった。面倒見がよく、みんな頼りにしていた」と、ともに駅伝大会に出場したころを振り返る。「もっと佐賀県も強くならんといかん」。いつも口にしていた言葉を思い出しながらレースに臨む。

佐賀県チームとして全国車いす駅伝に出場する(左から)川尻信二さん、脇山陸久さん、百武強士さん、山北泰士さん、原野優季さん

2016年03月12日    佐賀新聞


東日本大震災から5年、通信ネットワークの災害対策は進んでいるのか?

2016年03月13日 01時46分47秒 | 障害者の自立

 東日本大震災から5年を迎えた。改めてこの大災害で犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された多くの方々に心よりお見舞いを申し上げたい。

 被災地で津波に流された方々の捜索に当たった方から聞いた生々しい話がある。手が「あるもの」を握る形でお亡くなりになられているご遺体がとても多かったという。その「あるもの」とは……、ご想像いただけるとおり、「携帯電話」である。助けを求めるために、最後まで何度も発信を試みたのであろう。いつでも持ち歩いて利用されている携帯電話は、万が一の時には命綱にもなる。しかし、あの日は残念なことに役に立たなかったのだろう。とてもやるせない気持ちだ。

■モバイル学会シンポジウムでは災害関連テーマが激増

 3月10日、11日の2日間、茨城県つくば市の産業技術総合研究所つくばセンターにて、筆者が副会長を務めるモバイル学会主催のシンポジウム「モバイル’16」が開催され、モバイルをめぐるさまざまな研究発表が行われた。じつは東日本大震災が発災した5年前の3月10日、11日にも、同学会がシンポジウム「モバイル’11」を開催していた。その時の開催場所は筑波大学だった。ちょうど筆者がセッションの座長を務めている最中に、震度6弱の強い揺れに見舞われることになった。つくば市ではその後停電し、シンポジウムの催行も数演題を残したところで中止することになった。震災から5年を経て、また同じ日程で、しかも再びつくば市にてこのシンポジウムが催行されることとなった。

 震災翌年から、このモバイル学会において発表・公表される研究演題に、震災や災害対策に関わるものが急増している。携帯電話やスマートフォンを万が一の災害時に有効に活用したいと誰もが考えているということだ。そして社会からもその有効活用への期待は大きい。

 今回開催された「モバイル’16」で発表された話題からいくつか災害対策関連の演題をご紹介しよう。まず、名古屋大学減災連携研究センター准教授の廣井悠氏は、AXSEED、ウェルシステム、MCPC認定SMC防災ネットワーク研究会との共同プロジェクト「スマート防災プロジェクト」で開発した安否確認・避難誘導アプリ「まもるゾウ・防災」の紹介を行った。

 大都市において大災害が発生した場合、通信混雑により地震直後から周囲の被害や家族安否、移動先の情報などが受け取れない状況になり、また各地で大渋滞や混雑現象が発生し、これに伴って迅速な避難や消火・救急・救助活動が大幅に阻害されるなど、大都市特有の課題が発生する。

 このような都市災害の特殊性に注目したうえで、災害時の個人の情報収集や避難行動、滞留行動の助けとなる支援システムとして、この「まもるゾウ・防災」アプリの提供を行っている。位置情報付き安否確認機能、同伝言版機能、避難場所・避難所・災害拠点病院などの検索・誘導機能、家族の集合場所記録・共有機能、災害情報検索機能などを備える。

 また、東京工業大学大学院情報理工学研究科に在学する丹羽一輝氏は、災害時に複数のユーザーが獲得した情報をリアルタイムに収集し、それを二次利用するシステムの提案を行っている。二次利用の一例として、被害予測が可能なシステムをWebアプリケーションとして開発した。東京都世田谷区で地域住民参加型の実証実験を行っている。投稿された情報をもとに、火災延焼シミュレーションを行うなど、減災効果の検証を進めている。

 また筆者は、青森県庁企画政策部が2013年度から実施している「視覚・聴覚障害者向けiPad講習の人材育成講座」について、昨年開催されたシンポジウム「モバイル’15」で紹介を行っている。これは視覚障害者、聴覚障害者などがアクセシビリティ機能が充実しているiPad、iPhoneを利用できるよう教えられる講師を育てていこうという取り組みである。個別に視覚障害者、聴覚障害者に教えるのも良いが、それではなかなか広がりが出ない、そこで教えられる人材を増やしていこうという発想だ。講師までできないにしても、アクセシビリティ機能の使いこなしを学ぶだけでも、有用としている。

 じつは、東日本大震災時に障害者の死亡率は健常者に比べ高い割合だったことが知られている。「地震があったことはわかったが、それに伴って職場の健常者がみんな帰ってしまった。耳が聞こえないので、周囲の人が何をしているのかわからず、仕方ないので戸締まりして帰った」「避難所に入っても、音声による連絡では状況がわからず、食事をもらえなかった」「そもそも防災無線は聞こえない」といった声が多数聞かれ、こうした状況を打開するためには情報に主体的にアクセスできるタブレット等を障害者にも積極的に使ってもらおうという自治体関係者の願いから、こうした事業につながっている。

 このほかにもモバイルを用いた被災地での支援の成果や災害対策システムの提言など、学会では毎年多数の実践的取り組みや開発事例などが発表されており、その数も年々増えてきている。

 このように携帯電話やスマートフォンを災害対策等に活用しようというこうしたアイデアは尽きないのだが、どれほどコンテンツ企業や研究者、さらにはユーザーが工夫をこらしたところで、いざというときに通信インフラが正常に利用できなければ災害対策向けサービスは十分な力を発揮できない。ここは通信事業者の努力に委ねたいところだ。

■通信事業者の対策と実用可能なアイデア

 震災直後、当然ながら筆者のポケットにあった携帯電話やスマートフォンは使い物にならなかった。音声通話はもちろん、Eメールでさえ送受信できない状況に陥っていた。一方で、TwitterやFacebookは、リアルタイムとまではいかなかったが、なんとか通信を行うことができ、これらを使ってようやく家族の安否を確認することができた。大災害が発生すると一斉に通信が行われるために通信がつながりにくい「輻輳(ふくそう)」という状況に陥る。通信事業者が通信規制も行うのでますますつながりにくい状況となってしまう。音声通話ができなくなるのはこれが要因である。

 さらに東日本大震災の教訓としては、長時間の停電によって基地局への電力供給ができなくなり、震災直後は通信できた基地局も、翌日以降は備えられている蓄電池の電力も尽きてしまって、各地で携帯電話の電波が途絶え「圏外」になってしまうという状況に陥った。津波被害を受けたエリアでは基地局そのものが流出してしまったところも少なくなかった。

 各通信事業者とも、震災直後はアンテナや通信設備などを装備した基地局としての機能を備えた「移動基地局車」を被災地に派遣し、通信エリアの補完を行った。NTTドコモの場合は自衛隊と連携し、直ちに被災エリアの通信確保に動ける体制を持っていた。一方、KDDIやソフトバンクは東京から東北の被災地まで陸上を自走し支援に向かっていた。その涙ぐましい努力は関係者からたびたび聞かされた話だ。

 こうした基地局そのものの被害に対する対策として、通常の基地局とは別に半径約7km、360度のエリアをカバーする災害時専用の基地局である「大ゾーン基地局」の整備を通信事業者は進めている。NTTドコモは2011年度以降全国に106か所の大ゾーン基地局を設置しており、さらに人口密集地の更なる通信容量確保を目的として2016年度末までに全てLTEに対応させるという。大ゾーン基地局のLTE対応により通信容量は約3倍に拡大できるという。大ゾーン基地局は停電対策も通常の基地局以上の配慮が行われており、自家発電機や発電機を回すための重油タンクなども備える。NTTドコモに続き、KDDIも大ゾーン基地局の整備を2013年から始めている。

 またNTTドコモは大ゾーン基地局の他に「中ゾーン基地局」の整備も進めている、これは通常の基地局の基盤を強化した基地局で、平時は通常の基地局として運用し、災害時に周辺の基地局がサービス中断に陥った場合、中ゾーン基地局のアンテナ角度を変更することでエリアの広さを拡大できるものである。多様な自然災害への備えとして、大ゾーン基地局ではカバーしきれない沿岸部や山間部などの通信確保を目的に、NTTドコモは2017年度末までに全国で1,200局以上の中ゾーン基地局を整備するとしている。

 冒頭、犠牲になられた方の多くが最後まで携帯電話を握りしめていたことに触れた。緊急地震速報に代表されるように、携帯電話(スマートフォンを含む)には緊急時における情報を受け取る機能やサービスは充実してきた。今後期待したいことは、逆に端末側から情報を発信する機能の方だろう。緊急時に助けを求められるよう位置情報付きの緊急信号を発する機能などが考えられる。

 またモバイルネットワークも輻輳が想定され、緊急時に本当に緊急の通報が必要とする人たちが信号を発信できる手段の考案も求められる。せっかく携帯電話やスマートフォンには、位置情報を加えた情報を発信する機能が備えられている。これを緊急時に使わない手はない。

 2013年から、サイバーフィジカルシステム研究所の曽根高則義氏は、バルーンを使って簡易基地局を上空に飛ばし助けを求める被災者等を捜索できる「初動緊急期対応ソリューション」というアイデアを考案し、実用化に向けアクションを起こしている。技術的な側面もさることながら、こうしたシステムの実現にはさまざまな法律も壁になり一筋縄ではいかないことが容易に想像できる。とはいえ緊急事態は待ってはくれない。ここは緊急時に備える制度整備が迅速に進んで行くことを期待したいものだ。

2016-03-11      RBB Today


大震災・原発事故5年 復興の二極化 全力で防げ

2016年03月13日 01時39分48秒 | 障害者の自立

 「復興」とは何だろう。政府は着実に復興が進んでいる状況を強調するが、それはマクロの視点でしかない。被災住民の視点に立てば、復興には程遠い現状が露出する。岩手県の達増拓也知事はこう言う。「究極的には1人1復興。一人も取りこぼしがないようにしなければならない」

 それが「ふるさとを消滅させない」ことなのだ。

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から5年。政府の「集中復興期間」が終わり、4月から5年間の「復興・創生期間」に入る。25兆5千億円を投じても東北の再生はまだら模様だ。地域格差が目立ち3県の沿岸部における住宅再建のスピードは2倍の差がある。進展と停滞の二極化だ。まず生活再建を急がなければならない。

 特に福島県では、県外に流出した18歳未満の子どもは1万人強に上る。未曽有の災害は人口流出と高齢化を加速させるばかりか、地域の未来をも危うくする。ハードからソフトへ、生活実態に合ったきめ細かい支援や若者の雇用を確保する新産業創出が不可欠だ。

 ■分断される生活■

 交通や港湾整備、高台移転などインフラ整備は進んでも、生活の立て直しは容易ではない。災害公営住宅の整備も遅れている。東北3県のプレハブ仮設住宅入居者はピーク時の半分ほどに減ったが、まだ約5万9千人が暮らしている。

 空室率は44%となり、新たな生活の場を確保した住民も多い一方、高齢者や障害者など生活弱者が取り残され、孤立する懸念が増している。警察庁調べで、仮設住宅での1人暮らしの死者が昨年末で202人に上った。6割が65歳以上だ。生きがいを失う高齢者らに地域コミュニティーを分厚くする支援が欠かせない。

 復興庁によると、震災の避難者は東北3県で計17万8千人。ピーク時の47万人からは減ったが、福島県ではなお10万に近い住民が避難生活を送る。再建のめどが立たず、遠方の地で定住する家族も増えてきた。

 ■復興進まず7割■

 福島県では、除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設計画を受け入れたものの、地権者への理解が得られず、めどが立たない状況。原発に近い楢原町は昨年9月の避難指示解除後も数%が戻ったにすぎない。風評被害も収束せず、「前進したと思うと、より複雑な課題が現れる」(内堀雅雄県知事)。これが福島のジレンマである。

 日本世論調査会の調べでは、復興が「進んでいない」と考える人が72%に上る。一方で被災地への関心も77%が「薄くなっている」とする。あれほど多かった国民の寄り添う気持ちが徐々に薄れ、ボランティアも減少。深刻な人手不足が復興を遅らせる。大震災を風化させてはならない。

 ■東電への不信感■

 世論調査では、原発事故への国の取り組みも64%が「不適切」とみている。これは東電の対応力に問題があるからではないか。

 国民の不信感がさらに増す実態が露見した。事故直後に最も深刻な炉心溶融(メルトダウン)が起きていたのに「炉心損傷」として否定し続け、2カ月後やっと認めたことである。2月の会見で、判断する基準の社内マニュアルを見過ごしていたと釈明したが、作為的に事故を過小評価したと疑われても仕方がない。

 廃炉工程表では21年に溶けた核燃料の取り出しを始め、事故から30〜40年で廃炉を完了させる計画。現実は高濃度の放射線に阻まれ作業が進まない。汚染水対策も試行錯誤が続き、約千基(約80万トン)に及ぶタンクの林立が事態の深刻さを表す。「安全神話」が築き上げた原子力政策の「負の遺産現場」である。

2016年3月11日    福井新聞