本格的な花見シーズン到来を前に、旅行や外出時のバリアフリー情報の発信をしているNPO法人「Check」(東京都世田谷区)は、横浜市の大岡川など県内の花見スポット周辺にあるトイレの情報をまとめた地図を製作した。ウェブサイト「Check A Toilet」(チェック・ア・トイレット)で公開しているほか、同名のスマートフォンアプリでも見ることができる。 (志村彰太)
Check代表理事の金子健二さん(36)は旅行会社勤務の経験があり、「旅行を企画する際、お年寄りや障害者も使えるトイレがどこにあるか、情報が少なくて困ることがあった」という。二〇〇八年、自ら情報をまとめようとNPO法人を設立。現在、地図や交通情報の会社と連携し、全国六万カ所のトイレを地図に掲載。四月からは、食物アレルギー対応の飲食店などを地図上にまとめた新サービスも予定している。
県内の花見スポットのマップは、関東学院大のボランティアサークル「ナンバーズ」の協力を得た。十一人の学生が三月初めから徒歩で調査。桜並木で知られる大岡川沿い(横浜市中区、南区)、京急線北久里浜駅(横須賀市)、三浦海岸駅(三浦市)周辺の四十三カ所のトイレ情報を掲載。詳細欄には、バリアフリー対応かどうかも記載した。
ナンバーズ代表の伊藤志門(しもん)さん(19)は、「調査時は寒い雨の日もあったが、皆で協力して作業できた」と達成感を語った。金子さんは「トイレがないからとお花見を諦めていたお年寄りや車いすの人も、安心して花見に行ってほしい」と話している。
花見スポットのトイレマップを製作した「ナンバーズ」の伊藤さん(左)と平井望さん(中)、Checkの金子さん(右)
2016年3月25日 東京新聞