重度の知的障害がある20代女性が3日、心理的虐待を受けたなどとして兵庫県姫路市西庄乙の共同生活援助事業所「ぐるーぷほーむ みのる」=廃所=の運営会社の女性社長(53)を神戸地裁姫路支部に提訴した。訴状によると「私はうそつきです」といった内容のプラカードを首から下げるよう強いられたという。女性を支える姉(46)は「なぜ妹が嫌がるようなことをしたのか、真実が知りたい」と話した。
知的障害者の女性は姫路市生まれ。中学卒業後、身の回りの世話をしていた父親は肺がんで死亡。母親も認知症が進み、姉が面倒を見てきた。通っていた施設の運営会社が同事業所を立ち上げることを知り、「信頼するスタッフと暮らせたら」と入所を決めた。
姉が情報公開請求で得た施設の業務日誌には「首からかけるカードが気になって、そのことばかり言い続けて困りました」「聞き流しで構いません」といった記述があった。女性は長時間立たされるなどして腰痛や不眠を訴え、約1カ月の入院後、施設を移った。
市の監査で被害が発覚したが、施設側から説明はない。姉は「信頼していたのに裏切られた思い。謝罪してほしい」と話した。