ゴエモンのつぶやき

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無断で障害者算入・甘すぎる確認 法令無視した官僚たち

2018年08月30日 11時40分36秒 | 障害者の自立

 国の障害者雇用の水増しが中央省庁の約8割に広がっていた。算入できる範囲の解釈が違ったなどの弁明が相次いだが、法令を無視していたような実態も明らかになった。障害者雇用の牽引(けんいん)役となるべき国の機関で、「数合わせ」が横行していた背景には何があったのか。

 障害者雇用促進法は、省庁や企業が雇用率に算入できる障害者の範囲を厳密に定め、障害者手帳などで確認するよう求めている。28日の政府の再調査結果を受けて、担当大臣ら各省庁トップからは「解釈の仕方の違い」(麻生太郎財務相)などと、対象範囲の勘違いが原因だったとの弁明が相次いだ。

 しかし、水増ししていた省庁の具体的な説明から浮かびあがったのは、こうした法令上のルールを長年にわたって事実上「無視」していた実態だ。

 約150人のうち、7割にあたる約100人を水増ししていた経済産業省。秘書課によると、少なくとも10年以上前から、歴代の人事担当者が「障害者手帳などを確認しなくてもよい」と、そもそも法令に反する運用を引き継いでいた。人事担当者は、人事希望調査の書類で申告された症状を見て「障害者」かどうかを判断していたといい、法令無視が常態化していた。

 最多の約1千人を水増ししていた国税庁でも、職員が個人的事情を記す「身上申告書」に書かれた病名や指定医以外の診断書を見て、人事課が「障害者」と判断していた。こうした法令無視は「おそらくは(1960年の)制度開始当初」(同庁人事課)から続いているという。

 総務、外務、法務、国土交通、文部科学、防衛の各省なども、担当者が法令で認められていない書類を見て「障害者」と判断する誤った運用を続けていた。総務省は本人に無断で雇用率に算入しており、他省庁でも同様のケースがあったという。総務省は「本人に(手帳の有無を)聞きづらい面もあったようだ」と弁明するが、障害者を法定雇用率を達成するためだけの「数字」と捉えていたとみられかねない運用だった。

 こうした法令無視がまかり通った理由の一つに、国の機関の障害者雇用のチェック体制が、民間企業に比べて甘いことがある。

 各省庁は、障害者の雇用数を厚生労働省に毎年報告するものの、障害者手帳のコピーなど証拠書類は必要なく、集計した数字を報告するだけ。監督機関も、虚偽報告をした際の罰則もない。厚労省の北條憲一・雇用開発部長は、28日の記者会見で「国だから自主的に雇用義務を果たすだろうという性善説の仕組みだ」と述べた。

写真・図版 

国の障害者雇用はチェックが緩かった

2018年8月29日        朝日新聞


視覚障害者を別席へ移動 コンサートで、名古屋

2018年08月30日 11時29分49秒 | 障害者の自立

 CBCテレビ(名古屋市)と同市が共催したコンサートで、視覚障害者の女性(77)を、購入した席とは別の席へ座らせていたことが28日、市などへの取材で分かった。

 市などによると、7月5日に同市の日本特殊陶業市民会館で開かれたクラシックコンサートで、女性は4階の中央席を購入していた。女性は歩行できるが、会場スタッフが車いすに乗せ同じ階の壁側の席に誘導した。「当時、雨で床がぬれ、段差があったため転倒しないようにした」という。

 女性は中央席で聴きたいと繰り返し求めたが断られ、移動させられた席で聴いた。

 CBCテレビは「今後は障害のある方に適切な対応ができるよう、スタッフに徹底させる」と謝罪。市は「再度このようなことが起こらないよう、イベント運営側に対応を促す」と話した。

2018/8/28        日本経済新聞


衆院、裁判所も障害者雇用水増し

2018年08月30日 11時15分08秒 | 障害者の自立

 衆院事務局は29日に開かれた議院運営委員会庶務小委員会で、障害者雇用水増し問題を受けて改めて調査した雇用状況を報告した。2017年度の障害者の雇用人数は33人と厚生労働省に報告していたが、実際は23人だった。一方、最高裁が全国の裁判所の雇用状況を調べた結果、障害者数を水増ししたケースがあったことが29日、関係者への取材で分かった。既に厚労省に報告しているという。

 衆院事務局担当者は小委員会で、不適切な対応を陳謝し「障害者が生きがいを持って働ける仕組みをつくり直したい」と述べた。出席した複数の野党議員は「あり得ないことだ」などと批判した。

(共同通信)     2018年8月29日


「国民への背信行為」=障害者団体、怒りあらわ

2018年08月30日 11時04分00秒 | 障害者の自立

 国の33機関のうち8割超が障害者数を過大に計上していたと政府が発表した28日、障害者団体は「国民への背信行為だ」「大きな怒りを感じる」と口々に非難した。一方で、しっかりと検証し、障害者雇用の改善につなげるきっかけとするべきだとの指摘もあった。

 国の33機関のうち8割超が障害者数を過大に計上していたと政府が発表した28日、障害者団体は「国民への背信行為だ」「大きな怒りを感じる」と口々に非難した。一方で、しっかりと検証し、障害者雇用の改善につなげるきっかけとするべきだとの指摘もあった。

【関連ニュース】障害者雇用水増し問題

 DPI(障害者インターナショナル)日本会議の西村正樹副議長は「大きな怒りとやり場のない思いを感じる」と語る。政府が地方自治体へと調査範囲を拡大することを評価し、「これを機に、障害者の雇用実態や労働環境を検証し、改善につなげていくべきだ」と訴えた。
 日本難病・疾病団体協議会の森幸子代表理事は「障害者の雇用を推進する立場で水増しが起こったことは驚き」と話す。その上で、障害者手帳を持たない難病患者は法定雇用率算出の対象になっていない現状に触れ、「(今回の問題を受け)手帳のない難病患者が働く割合が低くなっては困る」と危ぶむ。
 森氏は「就労の選択肢を増やすため難病患者も雇用率算出の対象に認めてもらいたい。難病患者も含めた障害者が働くためどんな支援が必要なのか、この機会に現状をつかんでほしい」と求めた。

(2018/08/時事通信


走れない、だけど野球が好き 障害者の世界大会出場へ

2018年08月30日 10時07分33秒 | 障害者の自立

 9月に神戸市で開かれる世界身体障害者野球大会で、愛知県岡崎市教育委員会職員の水越大暉(たいき)さん(19)が日本代表メンバーに選ばれた。両足に障害を負いながらも、野球を続けてきた。「障害があってもスポーツを積極的にする子が増えてほしい」と話す。

 小学1年の時、父親に連れられてナゴヤドームで試合を観戦。球場の雰囲気に圧倒され、「自分も野球選手になりたい」と思ったのが、野球を始めるきっかけだった。すぐに、友達と市内のクラブチームに通うようになった。

 そのころ、足に違和感が出始めた。「歩き方が他の子と変わっている」と言われた。足首や股関節が硬くなる「脊髄(せきずい)性まひによる体幹機能障害」と診断された。原因は分からず、成長とともに症状は進行し、今は走ることができない。

 ログイン前の続きそれでも野球が大好きで、ずっと続けた。肩を強くしようと遠投の練習に打ち込んだ。小学6年で一時、ソフトボールに転向したが、中学校では野球部に入部した。

 足が悪くても、ダッシュや長距離のランニングに励んだ。だが、思春期に入ると、走っている姿を見る周りの目が気になり、走るのをやめてしまった。「あれを乗り越えていれば、選手としてもっとやれたのでは」と、今でも悔やむ。

 高校2年生の時、監督から「学生コーチになってほしい」と言われたという。投手の球を受けたり、キャッチボールの相手をしたりして部員たちの練習をサポートする立場だ。「野球をやっている意味があるのか」とつらくなり、家に帰って3日間泣いた。

 その時、中学時代に聞いた身体障害者野球のことを思い出し、名古屋にあるチーム「名古屋ビクトリー」の練習を見学した。その日は練習試合があり、チーム関係者から出てみないかと誘われた。それまでは野手だったが、遠投で鍛えた強肩を見込まれ、やったことのなかった投手になった。小学生のころから続けた努力が実った。

 高校の野球部では、学生コーチを引退まで続けた。チームメートとのキャッチボールは自身の練習にもなった。平日は部活動に励み、土曜日は名古屋ビクトリーで練習した。

 今は、仕事のかたわら、素振りをしたり体幹トレーニングをしたりしている。世界大会では「優勝が目標」と水越さん。「投手として、日本に勝ち星をつけたい」と話す。

 県内のチームからは、水越さんのほかに名古屋ビクトリーのメンバー2人も出場する。9月1、2日にある世界大会は4年に1回の開催で、日本のほかに、米国、韓国、台湾、プエルトリコの4チームが参加する。

 

世界身体障害者野球大会に出場する水越大暉さん

2018年8月28日       朝日新聞