兵庫県はこのほど、兵庫県豊岡市中央町の市役所本庁舎と、隣接する交流センター「豊岡稽古堂」を、高齢者や障害者らが利用しやすい「ひょうご県民ユニバーサル施設」に認定した。県内23件目で、自治体の役場としては初めてだという。
県は2011年度から、高齢者や建築士らを「福祉のまちづくりアドバイザー」として登録し、さまざまな施設を点検し、改善点を助言してもらう制度を設けている。誰もが使いやすい「ユニバーサルデザイン」を普及させることが目的。「ひょうご-」の認定もその一環で、同じく11年度から実施している。
豊岡市役所の認定は、実は約2年がかり。同市が要請し、2016年3月に同アドバイザーから両施設のチェックを受け、「庁舎入り口の点字ブロックが玄関マットで隠れている」「車いすの貸し出し表示が分かりにくい」などと指摘された。
助言を基に、市はこれらの課題を改善。その上で本年度、県に両施設の認定を申請した。課題が改善されたこともあり、このほど、大学教授ら有識者による会議で認定された。
市役所本庁舎は2013年に建設された。鉄筋コンクリート造り7階建てで、各部署の事務スペースなどがある。一方稽古堂は、旧豊岡市役所庁舎を改修した3階建て。同市議会の議場のほか、市民団体のギャラリー、会議場などとして使われている。
県によると、両施設は車いす用駐車場に屋根があったり、雨にぬれず屋外の通路を移動できるよう、連続した屋根を設けたりしている点などが評価された。また、設備が充実した多機能トイレ、広い授乳室やおむつ交換室を設け、障害者や子育て世代の利便性も高めている。
認定を受け、豊岡市総務課は「改善すべき点はまだまだ多く、市民の声を聞きながらより一層使いやすい施設を目指していきたい」としている
2019/1/10 神戸新聞NEXT