労働政策審議会 障害者雇用分科会とは?
労働政策に関する調査審議を行う労働政策審議会にて、2019年1月18日、「今後の障害者雇用対策の在り方について」をテーマに障害者雇用分科会が開催されました。
この労働政策審議会とは、2001年1月6日に厚生労働省設置法第6条第1項に基づき設置されたもので、厚生労働大臣が任命する30名の委員で組織され、任期は2年と定められています。また、審議会には、次の7つの分科会が置かれています。
・労働条件分科会 ・安全衛生分科会 ・勤労者生活分科会 ・職業安定分科会
・障害者雇用分科会 ・職業能力開発分科会 ・雇用均等分科会
分科会ごとに、それぞれの調査審議が行われ、「障害者雇用分科会」においては、障害者の雇用の促進、その他の職業生活における自立の促進に関する調査審議が行われます。
「今後の障害者雇用対策の在り方について」をテーマに障害者雇用分科会が開催
2019年1月の開催を含む計3回にわたるこの障害者雇用分科会では、民間企業における障害者雇用の促進に関して「現行制度に係る課題・提言・指摘」と「今後の対応・方針」が話し合われました。
いくつか具体例をご紹介します。
【課題・提言・指摘1】
障害の特性から、中長期にわたり現行の雇用率制度の対象となる働き方(週所定労働時間20時間以上の勤務)に移行できない者や、こうした働き方を求められること自体がストレスに繋がる者が一定程度見られる。
また、週所定労働時間20時間未満の就労であれば働ける者や、働く意欲をもって前向きに就職に取り組めるようになる者が一定程度見られる。
【今後の対応・方針】
週所定労働時間20時間未満の障害者の雇用に対して、納付金制度において評価・支援する仕組を創設してはどうか。その場合、
・支給額は、調整金との均衡等を踏まえ、どのように考えるべきか。
・中長期にわたり20時間以上の勤務に移行できない者等も見られることを踏まえ、支給期間についてどのように考えるか。
・週所定労働時間の下限を設定すべきか。
【課題・提言・指摘2】
中小企業における障害者雇用を進めていくためには、従来からの制度的枠組みだけでなく、個々の中小企業における障害者雇用の進展に対する社会的関心を喚起し、経営者の障害者雇用に対する理解を深めていくとともに、こうした取り組みを進めている事業主が、社会的にさまざまなメリットを受けられるようにしていくことが必要であると考えられる。
【今後の対応・方針】
障害者の雇用に関して優良な取り組みを行う中小企業事業主を認定する制度を創設してはどうか。その際、認定のメリットとして、たとえば公共調達におけるメリットの付与等、どのように考えるか。
このように、より多くの障害者が安定的に長く働き続けるための制度の見直し、中小企業における障害者雇用促進のための制度の創設などが対応策としてあげられています。
また、厚生労働省が開催する「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」の報告も行われ、その中で「障害者が長く安心して安定的に働き続けられる環境整備に繋げる制度の在り方」について言及されており、国主導の障害者雇用促進への取り組みが期待されます。
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