野々市市郷町の金沢脳神経外科病院が、交通事故で重度の後遺障害を負った患者に専門的な治療をする独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA、東京都)の運営委託施設に選ばれ、患者の受け入れを十八日に始めた。NASVAの療護施設としては全国十カ所目で、日本海側の自治体では初めて。
国土交通省所管のNASVAは交通事故防止の事業を手掛けるほか、被害者支援の一環として、宮城、千葉、岐阜、岡山県などで重度後遺障害者を受け入れる療護施設を整備したり、委託したりしている。専門病院のない「空白地域」の解消に向け、昨年十月に金沢脳神経外科病院と運営委託契約を結んだ。
ベッド数を絞った「小規模委託病床」として五つの病床で運営する。体を動かすことが困難な患者の小さな変化も見逃さないよう、病室の様子を常時見ることができるモニタリングシステムを新たに備え、看護師を手厚く配置するなどしている。
NASVAの担当者は「施設の環境などから金沢脳神経外科病院を選んだ。これまで病院までの移動距離が長く、治療を受けるのに苦労していた人たちの負担軽減につながれば」と話している。
2019年1月19日 中日新聞