ギズモード・ジャパンに「ニコンD800レビュー総ざらい:キヤノンEOS 5D Mark IIIと、どっちを選ぶべき?(動画あり)」という記事が出ています。
Mario Aguilarという人が、D800について、5D Mark IIIとの比較をしています。
大体は、D800のすごい解像度と、5D Mark IIIの高感度性能など、これまで聞いたような話なのですが、中で少し気になったことが。
◇D800のAFに不満?
レビューによると、『D800で一番がっかりしたところは、オートフォーカスです。ちゃんと使えてはいますが、他のカメラほどスムーズではありません。高解像度になったことはすごいですし、時代を切り開いたと言ってもいいのかもしれません。でも、それなら既存のシステムを流用するのではなく、解像度をもっと生かせるようなオートフォーカスシステムを新たに作ってくれればよかったな...と思います』
というのですが、ただしその根拠はあまり具体的ではありません。『オートフォーカスシステムは前世代からのお下がりです。なので、D800で撮っていると何となく早くは感じるんですが、微妙に気が利かない感じがします』
というもの。いまひとつ、分かるような分からないような。AFが正確ではない、という意味なのか、そうでないのか、よくわかりませんでした。
◇画像ファイルの大きさ
たぶんそうだろうと推測するのが、画像ファイルの大きさに伴う、処理の遅さ。
『12.1メガピクセルのD700では連写速度が5コマ/秒でしたが、D800では4コマ/秒と遅くなっています。またコンピューターで画像を取り扱う際も、D800のRAWファイルは33MBにもなるので、ファイルの処理がまどろっこしくなります。PhotoshopとかApertureで画像を処理しようとすると、もう発狂しそうになります。数百枚ものRAWファイルをJPEGに変換するとしたら、2時間くらいは見ておいた方がいいです』
発狂しそうというのは大げさにしても、こりゃー大変だなと思いましたね。
撮ったRAWを全部JPEGにしていたらそうなりますね。処理に2時間とは! その間、食事して、お茶して、それでもまだ終わってない…。映画でも見られますね。何か、大昔のMacの画像処理や3Dのレンダリングみたいです。
◇被写体によって変化
しかし、『D800のRAWファイルは33MBにもなる』というのは、条件付きで読んだ方がいいです。
画像のファイルの大きさというのは、何を撮ったかによって大きく変化し、幅があります。情報量の多い(細かい、明るい)ものほどファイルサイズが大きくなります。
ファイルサイズが大きい被写体の1例(RAWで36.1MB)
クリックで拡大します(WEB用にJPEG圧縮、画質を落としています)。
これまで自分がRAWで撮った画像をざっと見てみると…
- 人物などのスナップ 約20~25MB
- 木が茂った風景 約25~36MB
- 背景をぼかした花 約20~22MB
という具合。D800の33MBのRAWファイルというのは、私がすでに撮った風景写真のファイルの大きさの範囲内です。
「最低でも33MB」という意味でしょうか。それならさすがに大きい。あるいは「平均33MB」でしょうか。たぶんそう読むべきなのでしょうが、そうすると、びっくりするほどの大きさでもない。
かりに、これをTIFFファイル(16ビット)にすると、80~100MBという非常に大きい(重い)ファイルになり、読み込みに時間がかかるようになります。カメラで扱うには適当でなく、画像処理のためのファイル形式です。それでも一応、私の旧式パソコンで処理はできています。
D800を自分で使って、処理してみないと分からない事ですが、「少しファイルが重いかな」というレベルではないかと想像しています。
◇結局は「目的次第」
上記レビューの結論は『D800と5D Mark IIIのどちらを選ぶべきかは難しい問題です。どちらも素晴らしいカメラで、それぞれに得意なことがあります。1週間ずつテストしてみましたが、D800の高解像度センサーが5D Mark IIIの柔軟性に勝てるかどうか、判断しかねています。
それを判断する良い方法は、自分の使い方を考えてみることだと思います。スタジオでポートレートを撮るプロカメラマンとかか、ヨセミテ渓谷の風景を撮るNational Geofraphicsの記者とかなら、D800が向いていると思います。突発的なニュースを撮る報道写真家とか、幅広くいろんな写真を撮ってみたい若手カメラマンとかなら、5D Mark IIIの方が合っているでしょう』
というものでした。