ニコンの小型軽量フルサイズ一眼レフ「D600」の後継機「D610」が発表されました(写真はフリー画像)。発売は10月19日。(ニコンの製品情報)
◇マイナーバージョンアップ
「D600」からの変更点については、デジカメWatchから引用させてもらうと、以下のようになります。
『(ニコンは)「連写性能への不満からD600の購入を躊躇していたユーザーの声を反映した」としており、コマ速アップや静音連写モードの追加がなされている。
連写速度は、アルゴリズムの改良などによりD600(2012年9月発売)の5.5コマ/秒から6コマ/秒に向上。D600の静音撮影と同レベルというシャッター音で3コマ/秒の連写が可能な静音連写モード(ダイヤル上のQcポジション)も追加した。静音連写は新しいシーケンスの開発により実現したという。
また、撮影頻度が高いというシーンでのオートホワイトバランス精度を向上。青空における黄色かぶり低減、顔における顔認識での自然な肌色再現、人工光下における色被り低減などに変更を加えたとしている。』
他にスペックの変更はなく、マイナーバージョンアップのようです。
連写速度は0.5コマのアップ。それでもユーザーにとっては魅力でしょう。静音連写もいい機能。
もうひとつのホワイトバランス精度向上ですが、「撮影頻度の高いシーンでの制御がさらなる進化を遂げており…(ニコンのページ)」という意味が最初は分からなかったですね。たとえば人によって撮る被写体の頻度が違う(風景派、ポートレート派など)ため、個人的な傾向にあわせて、カメラがホワイトバランスを調整してくれるのかと思ったのですが、どうも違うみたい。
一般によく撮られる特定のシーンについて、好まれる色に調整しているということのようです。
価格.com新製品ニュースによると、
『画質面では、撮影頻度の高い「青空」「顔」「人工光下」でオートホワイトバランスを向上させている。「青空」では、黄色かぶり低減することで、見たままの印象に近い鮮やかさに再現。「顔」では、より自然な肌色を再現。「人工光下」では、人工光下での色かぶり低減し、より自然な色再現を実現している。 』
とあります。これならよくわかります。
とくにスカッとした青空が撮れるなら、風景派にとってはありがたいところです。青空って案外きれいに写ってくれない場合がありますから…
◇ゴミ問題は?
発表前の噂では「D610はD600のゴミ問題を解消しただけでは?」という声がありました。
今回、それについてニコンの説明はないようです。
D600のゴミ問題というのは、おもにシャッターユニットから飛び出すオイルやホコリがイメージセンサーの前面のローパスフィルターにたくさん付着するというもので、以前からネットで取り上げられていました。
個人的に言えば、同じ軽量フルサイズ機であるキヤノンEOS 6Dと比較して購入を検討していたころ、D600のほうが高機能にもかかわらず、このゴミ問題が決定的な“マイナス要素”に。
どの機種でも多少はセンサーにゴミがつくもの。ただ、センサーの清掃をたびたびしなければならないほどひどいのは、御免こうむりたいですから…
ニコンは今年2月に、この問題について「お知らせ」を出しています。
が、ネットではまだ尾を引いていて、最近も Nikon Rumors が以下のような調査を実施。約13,000件の回答があったとのこと。
・ニコンD600を持っていますか?
「はい」 6,834 52%
「いいえ」 6,193 48%
・(「はい」と答えた人に)これまでに過度のオイル/ダスト/スポット(センサーのゴミ)問題を経験しましたか?
「はい」 4,144 67%
「いいえ」 2,049 33%
・(「はい」と答えた人に)D600をニコンへ修理に出しましたか?
「はい」 1,590 38%
「いいえ」 2,554 62%
・(「はい」と答えた人に)修理の後でもまだオイル/ダスト/スポットがありますか?
「はい」 1,010 64%
「いいえ」 580 36%
Nikon Rumors では、「科学的な調査ではない」と断わっていますが、修理した後でもゴミ問題が解消していないという回答が意外に多いのは深刻です。
D610は、連写速度がアップしたことから、シャッターユニットに何らかの改良がなされていることが想像できます。これでゴミ問題が決着すればいいですが…
しかし、D600ユーザーにとっては心境は複雑でしょう。
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