ニコン「D610」発表があった10月8日には、リコーイメージングから、最新鋭一眼レフ「PENTAX K-3」の発表がありました。発売は11月上旬。 (ニュースリリース)
本当は、こちらの機種の方がAPS-C機としては画期的なスペックなのですが、ニコンを先に書いたのは、やっぱりフルサイズ機の格と、メーカーの影響力の大きさ、かな…
ペンタックス開発陣の力の入れ具合が分かる、高性能一眼レフ。リコーイメージングも「K」シリーズの最上位機種として位置づけています。
スペックの詳細はニュースリリースと、デジカメWatch に出ています。現在ペンタックスユーザーではないので(昔、最初に買った銀塩一眼レフはペンタックスでしたが)、それ以上付け加えることもありません。
しかし、キヤノン、ニコンユーザーも感心するようなスペックではあります。
K-3 と同じAPS-C機であるキヤノンEOS 70D、ニコンD7100と主なスペックについて(個人的に関心のある項目のみ)比較してみました。
K-3 | 70D | D7100 | |
有効画素数 | 2,435万 | 2,020万 | 2,410万 |
ローパスフィルター | なし(ローパスセレクター機能で選択可) | あり | なし |
AF測距点 | 27点(中央25点クロス) | 19点(全点クロス) | 51点(15点クロス) |
低輝度測距限界 | -3EV | -0.5EV | -2EV |
常用感度 | ISO100~51200 | ISO100~12800 | ISO100~6400 |
ファインダー視野率 | 100% | 98% | 100% |
ファインダー倍率 | 0.95倍 | 0.95倍 | 0.94倍 |
背面モニター | 3.2型 104万ドット 固定式 |
3.0型 104万ドット バリアングル |
3.2型 122.9万ドット 固定式 |
ライブビューAF | コントラストAF | デュアルピクセルCMOS AF、タッチスクリーン |
コントラストAF |
手ぶれ補正 | センサーシフト方式 | レンズ方式 | レンズ方式 |
防塵防滴 | ○ | × | ○ |
最高シャッター速度 | 1/8000秒 | 1/8000秒 | 1/8000秒 |
最高連写速度 | 約8.3コマ/秒 | 7コマ/秒 | 6コマ/秒 クロップ時は7コマ/秒 |
連続撮影コマ数 (最高連写速度で) |
JPEG(L★★★)60コマ RAW 23コマ |
JPEGラージ 65コマ RAW 16コマ |
JPEG FINE L 33コマ RAW(ロスレス圧縮14ビット) 6コマ |
動画 | 1,920×1,080 フルHD |
1,920×1,080 フルHD |
1,920×1,080 フルHD |
デュアルスロット | ○ | × | ○ |
スマホとの連携 | 別売りカード | Wi-Fi内蔵 | 別売り |
GPS | 別売り(アストロトレーサー機能あり) | 別売り | 別売り |
重量(本体のみ) | 715g | 675g | 675g |
有効画素数がK-5 II/IIs(1,628万画素)からアップして2,435万画素になりました。さらにローパスフィルターレスなので高精細な画像が期待できます。ローパスフィルターレスの弊害として現れる可能性のあるモアレなどについては、センサーの微細な動きでローパスフィルターと同様の効果を出すという、ローパスセレクター機能で対処できます。
建築物、織物などモアレの心配なときには、ローパスセレクター機能をオン(強弱あり)にし、自然風景などその心配がない場合はオフにしておけばいいわけで、実に画期的なことです。
画素数が多いのに高感度域がISO51200まで常用というのに驚きます。本当でしょうかね? 暗いところでのAF性能も期待できそうです。AF測距点は、ニコンD7100ほどではないが多い方です。
連写速度が8.3コマ/秒はすごいですね。プロが速写性能を評価してきたキヤノンのEOS 7Dでも8コマ/秒ですから。しかも連写できるコマ数が多い。バッファメモリの容量が大きいのか、画像処理エンジンのスピードが速いのか…
光学式ファインダー視野率100%、SDカードのデュアルスロット対応、防塵防滴と、高級機らしい堂々たる仕様でもあります。
APA-C機では、ライブビュー機能が向上したキヤノン、AF性能にすぐれクロップ機能もあるニコンと、それぞれに特色があるわけですが、スペック全般ではK-3が上回っているような気がします。星景撮影に便利なアストロトレーサーという、他の追随を許さないアクセサリもありますし…
難点は、(小型一眼レフに強いペンタックスにしては意外にも)少し重い、ということぐらいでしょうか。それから、レンズの品ぞろえ…
発売前の実機を試せる「PENTAX K-3体感&トークライブ」が東京、大阪、名古屋、福岡、札幌の5都市で開催されます。ぜひ手にとってみたいところです。