キヤノンが2月6日、レンズ交換式カメラ「EOS」シリーズの累計生産台数が2月5日に7,000万台を達成したと発表しました。 (キヤノン ニュースリリース)
EOSシリーズは、1987年に「EOS 650」の生産を開始して以来。フイルム、デジタル、そして最近のミラーレス機が含まれています。
まあ、7,000万台といってもピンとこないし、この手の話はキヤノンの社報ならともかく、一般のユーザーにはあまり関心がないと思います。
でもEOSの第一号機「650 」が出たころの話はちょっと面白い。
フイルムカメラにAF機能を盛り込もうと各社が躍起になっていた時代。ミノルタが迅速なAFを可能にする「α7000」を発売。これが人気を呼び、カメラメーカーのシェアが変わってしまったといわれます。いわゆる「αショック」。
あわてたのはキヤノン。新時代に合わせたカメラを必死で開発。その過程で、レンズを取り付けるマウントの情報伝達で機械的接点を廃し、完全に電子制御に切り替えてしまいます。
それが「EOS 650」(写真はウィキペディアより:Thomas Steiner)。
EOS 第一号機「650」。
このマウント変更の結果、たとえば私が持っていたFDレンズは切り捨てられ、使えなくなってしまいました。
個人的には残念なこと。でも、ユーザーの批判を押し切り、過去のレンズ資産を切り捨てても断行したキヤノンの決断は今、様々な電子制御に対応できる、すっきりしたレンズ体系(EFレンズ)として生きています。
このほか、キヤノンによるとEOS用のEFレンズ累計生産本数が、2014年内に1億本を達成する見込みだそうです。レンズはすべて手作りですから、1億本というのは大したものです。
数字もさることながら、それに貢献した多くの従業員の努力に敬意を表するべきでしょうね。