医療とは、病気を治すこと、苦痛を和らげること、これが癒しというものと考えます。
哲学的なことを時間をかけて考える余裕というか、プロセスに時間をかけることはあまり心臓血管外科医はありませんが、患者さんが助けてほしい、苦痛を取ってほしいという要望にダイレクトに応答する反射神経のようなプロセスは、通常の心臓血管外科医なら持ち合わせていると信じています。
建前はそうでも、実情はそうもいかない現状もあります。90代の急性大動脈解離が搬送され、緊急手術が可能な病院へ依頼しても、高齢、という理由だけで、治療の適応がないといって断られてしまう、こうした事実があります。また、術後の合併症で、もしかしたら他の診療科の応援がほしいと思っても、同じように高齢という理由だけで、それ以上の治療適応がない、と言われてしまう事もあります。この一週間で二度もそのような反応を目の当たりにして、世の中は残念な医者が多い、と思わざるを得ませんが、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、基本的に医療の本懐は患者の苦痛を和らげることを本懐としているため決して年齢だけを基準にそのような対応はしていないつもりです。それを具現化する証拠として、90代の症例の緊急手術を何例も受け入れています。
とはいえ、高頻度に、高齢という理由だけで治療を放棄してしまう現実を目の当たりにすることが非常に残念に思います。
なぜ、治療途中で、DNAR(Do Not Attempt to Recuscitate = 心臓が止まっても蘇生しません=この患者さんに対して救命措置はしません)の承諾書を家族を説得してまでサインさせるのか、理解できません。まだ診断もついていない救急患者に対して、まず最初に蘇生不要の同意書のサインを強要する救急医も見てきました。その後に急性大動脈解離と診断がついて、それで心臓血管外科が要請されて緊急手術で救命する、こうした現状があるのも事実です。
もちろん、十分な検討の上、それ以上の治療は行わない、という判断をするのも妥当な事例もありますが、それでも患者さんの苦痛や不安を取り除く努力を最後まで続けることが、医療の本懐だとおもいます。
最近は緩和医療という言葉や専用のセクションも出来ているのも事実ですが、全ての医療スタッフに行きわたっているとは言えない現状があるのも事実です。緩和医療に携わっている部署だけでしか通用しない現状があるのかもしれません。
すべての医療者は、患者さんの苦痛を緩和する、病気を治す、困っている人を助ける、それを医療の本懐とする。そうした行為によって患者さんやそのご家族に喜んでもらう、ということを最大の喜びにしているのが医療者のはずです。こうした基本を忘れないでもらいたいと個人的に思いますし、自分も常にそうありたいと思います。
哲学的なことを時間をかけて考える余裕というか、プロセスに時間をかけることはあまり心臓血管外科医はありませんが、患者さんが助けてほしい、苦痛を取ってほしいという要望にダイレクトに応答する反射神経のようなプロセスは、通常の心臓血管外科医なら持ち合わせていると信じています。
建前はそうでも、実情はそうもいかない現状もあります。90代の急性大動脈解離が搬送され、緊急手術が可能な病院へ依頼しても、高齢、という理由だけで、治療の適応がないといって断られてしまう、こうした事実があります。また、術後の合併症で、もしかしたら他の診療科の応援がほしいと思っても、同じように高齢という理由だけで、それ以上の治療適応がない、と言われてしまう事もあります。この一週間で二度もそのような反応を目の当たりにして、世の中は残念な医者が多い、と思わざるを得ませんが、横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、基本的に医療の本懐は患者の苦痛を和らげることを本懐としているため決して年齢だけを基準にそのような対応はしていないつもりです。それを具現化する証拠として、90代の症例の緊急手術を何例も受け入れています。
とはいえ、高頻度に、高齢という理由だけで治療を放棄してしまう現実を目の当たりにすることが非常に残念に思います。
なぜ、治療途中で、DNAR(Do Not Attempt to Recuscitate = 心臓が止まっても蘇生しません=この患者さんに対して救命措置はしません)の承諾書を家族を説得してまでサインさせるのか、理解できません。まだ診断もついていない救急患者に対して、まず最初に蘇生不要の同意書のサインを強要する救急医も見てきました。その後に急性大動脈解離と診断がついて、それで心臓血管外科が要請されて緊急手術で救命する、こうした現状があるのも事実です。
もちろん、十分な検討の上、それ以上の治療は行わない、という判断をするのも妥当な事例もありますが、それでも患者さんの苦痛や不安を取り除く努力を最後まで続けることが、医療の本懐だとおもいます。
最近は緩和医療という言葉や専用のセクションも出来ているのも事実ですが、全ての医療スタッフに行きわたっているとは言えない現状があるのも事実です。緩和医療に携わっている部署だけでしか通用しない現状があるのかもしれません。
すべての医療者は、患者さんの苦痛を緩和する、病気を治す、困っている人を助ける、それを医療の本懐とする。そうした行為によって患者さんやそのご家族に喜んでもらう、ということを最大の喜びにしているのが医療者のはずです。こうした基本を忘れないでもらいたいと個人的に思いますし、自分も常にそうありたいと思います。