MICS = Minimally Invasive Cardiac Surgery
最近注目の低侵襲心臓手術ですが、患者さんのご家族に、そのリスクは?という質問をあらためてされました。
低侵襲だからリスクが少ない、というのはもちろん合理的ですが、メリットばかりが強調される懸念があるのも事実です。
右小開胸の弁膜症手術において、胸骨正中切開と比較した場合のリスクは
① 片肺換気で手術するため術中の低酸素血症が起きやすい・術後の無気肺や再膨張性肺水腫のリスク
② 肺が癒着していると手術が出来ない可能性があり、また癒着しているかどうかは術前検査ではわからない
③ 肺損傷のリスク
④ 視野が悪く、出血した場合は、止血が困難
⑤ 術野が遠く、専用の器具を手が届かないところで操作するので手技が難しくなり時間もかかる
⑥ 肋間神経痛が遷延する可能性
⑥ 大動脈遮断の位置が限られる・術中の表在エコーでの遮断部位の評価が出来ない
などです。
考えうる内容として、このくらいの説明をした時点で、「聞かなければよかった。これ以上聞きたくない。」と言われてしまいました。幸い、その質問した患者さんは何のトラブルもなく予定通りの手術(僧帽弁形成+メイズ手術)を3時間50分で終え、術後の経過も良好です。
低侵襲手術なので、トラブルの発生によって過大侵襲になっては意味がありません。絶対にうまくいく、と判断した症例を選んで実施しているため、そうしたトラブルには幸い過去見舞われたことはありませんが、常に想定しておく必要があると思います。
最近注目の低侵襲心臓手術ですが、患者さんのご家族に、そのリスクは?という質問をあらためてされました。
低侵襲だからリスクが少ない、というのはもちろん合理的ですが、メリットばかりが強調される懸念があるのも事実です。
右小開胸の弁膜症手術において、胸骨正中切開と比較した場合のリスクは
① 片肺換気で手術するため術中の低酸素血症が起きやすい・術後の無気肺や再膨張性肺水腫のリスク
② 肺が癒着していると手術が出来ない可能性があり、また癒着しているかどうかは術前検査ではわからない
③ 肺損傷のリスク
④ 視野が悪く、出血した場合は、止血が困難
⑤ 術野が遠く、専用の器具を手が届かないところで操作するので手技が難しくなり時間もかかる
⑥ 肋間神経痛が遷延する可能性
⑥ 大動脈遮断の位置が限られる・術中の表在エコーでの遮断部位の評価が出来ない
などです。
考えうる内容として、このくらいの説明をした時点で、「聞かなければよかった。これ以上聞きたくない。」と言われてしまいました。幸い、その質問した患者さんは何のトラブルもなく予定通りの手術(僧帽弁形成+メイズ手術)を3時間50分で終え、術後の経過も良好です。
低侵襲手術なので、トラブルの発生によって過大侵襲になっては意味がありません。絶対にうまくいく、と判断した症例を選んで実施しているため、そうしたトラブルには幸い過去見舞われたことはありませんが、常に想定しておく必要があると思います。