心嚢液貯留を繰り返す慢性心膜炎などの病態では、心嚢内の液体貯留による拡張障害のため浮腫などの体液貯留が慢性化してしまうため、その自覚症状改善の治療として心膜開窓術があります。これは心膜と主に左胸腔、まれに腹腔内の間に穴を開けて心嚢内に貯留した心嚢液を胸腔または腹腔に逃がすルートを作る手術です。胸腔も腹腔も心嚢内よりも液体の吸収が早いので、通常開窓術後に胸水貯留や腹水貯留で臨床的に困ると言うことは殆どありません。もし胸水や腹水が大量に貯留した場合でも胸腔や腹腔なら心嚢よりも安全に穿刺除去が可能です。
通常、左第5肋間から小開胸すると、直下に心膜があるので、この位置で心膜を切開し、500円玉ほどの大きさの穴をあけ、同時に心嚢液、および心膜を病理検査や培養検査、生化学検査に提出します。この場合は開胸しますが、分離肺換気は必要ありません。
癌性心膜炎に対する開窓術では、その後の予後が延長した経験はありません。癌性心膜炎の場合はかえって侵襲を与えない方がいいように思います。
通常、左第5肋間から小開胸すると、直下に心膜があるので、この位置で心膜を切開し、500円玉ほどの大きさの穴をあけ、同時に心嚢液、および心膜を病理検査や培養検査、生化学検査に提出します。この場合は開胸しますが、分離肺換気は必要ありません。
癌性心膜炎に対する開窓術では、その後の予後が延長した経験はありません。癌性心膜炎の場合はかえって侵襲を与えない方がいいように思います。