大動脈解離における分類において昨年、新しい表記方法の提案があり、今後は学会発表や論文などでの表記はこの方式に変更していくものと思われます。
A型かB型かと、それに大動脈解離を呈している範囲(Zone0~12)を表記することでより、大動脈解離の実像が分かりやすくなる可能性があります。
たとえば、下行大動脈の上部から腹部大動脈まで解離している場合は、B4,9と記載します。A型の場合はZone0の表記は不要で、単に末梢側の管理範囲を記載し、たとえばA10などとなります。I型とは、上行大動脈に解離がおよぶがエントリーがはっきりしない、日本で言う血栓閉塞型と言われるものです。血栓閉塞型という分類はこれではなく、内膜血腫=Intramural hematomaという分類をしています。日本の場合は内膜血腫も実はエントリーが見えないだけどどこかに小さいエントリーがあって真腔と偽腔が交通している、という概念で考え、通常の大動脈解離と同じ扱いをしています。
今までのA型、B型、DeBakey分類などは今後表記されなくなるとおもいますが、内膜血腫おける考え方の違いから日本の場合はすぐにこの表記方法が普及するか微妙ですが、洋ものを重視する古来からの日本人の性格からはすぐに一般化するのかもしれません。