心臓の疾患は突然死につながる可能性のある重大な病気です。突然死の約3~4割は心筋梗塞と言われていますが、それに続く突然死の原因となる心疾患に大動脈弁狭窄症があります。大動脈弁狭窄症は加齢とともに発症頻度が増加するため、高齢者が増加している日本においては今後ますます増え続ける疾患です。原因の多くは加齢に伴う動脈硬化によって大動脈弁が硬くなり、石灰化を伴って可動性が低下し、収縮期にうまく開放しないために、心臓から血液を送り出す際に過剰な負荷が心筋にかかってしまう病態です。
javascript:void(0)
画像のように性状ではゴム手袋のように元々柔らかい大動脈弁の弁尖が通常は左のように大きく開いて弁口面積を一定以上確保出来るのに対して、大動脈弁狭窄症では弁尖が固くなって動かなくなるために右図のように収縮期でも開放されず大動脈弁口は狭いままです。これでは、心筋はかなり力を入れて血液を絞り出さないと全身に血液を送れなくなり、このときに生じる圧較差が心筋に障害を与えます。病的な圧較差は50mmHg以上で、これを超えるといずれ心不全を起こしたり、不整脈などの突然死の原因となります。心臓は一瞬も休むこと無く動いているため、一日に10万回動く心臓が10万回過剰な負荷がかかって心筋がばててしまうのです。
重症の大動脈弁狭窄症の5年生存率は20%とも言われており、これは膵臓癌や末期の肺癌に匹敵する重度の病です。心不全などを呈する有償状の大動脈弁狭窄症になると二年生存率が半分以下で、まさに死の病です。緊急で手術しないと救命できないことも少なくありません。
この重篤な大動脈弁狭窄症は、癌と大きく違うのは、手術によって確実に治すことができることです。残念ながら一度固くなった大動脈弁をお薬で治療することは出来ません。
残念ながら、手術を怖がって逃げている間に突然死してしまった残念な患者さんを何人か経験しており、また手術予定だったのにその直前に亡くなってしまった患者さんも経験しています。たしかに手術は誰もが受けたいものではありませんし、怖いものです。全国平均の大動脈弁置換術の死亡率は2%とも言われていますが、それよりはるかに高い確率で突然死の危険があるので、適応と診断された患者さんは少しでも早く治療を受けてもらいたいと思います。重症化してから手術した方が手術死亡率も当然高くなりますので、具合の悪くなる前にできるだけ治療する必要があります。
javascript:void(0)
画像のように性状ではゴム手袋のように元々柔らかい大動脈弁の弁尖が通常は左のように大きく開いて弁口面積を一定以上確保出来るのに対して、大動脈弁狭窄症では弁尖が固くなって動かなくなるために右図のように収縮期でも開放されず大動脈弁口は狭いままです。これでは、心筋はかなり力を入れて血液を絞り出さないと全身に血液を送れなくなり、このときに生じる圧較差が心筋に障害を与えます。病的な圧較差は50mmHg以上で、これを超えるといずれ心不全を起こしたり、不整脈などの突然死の原因となります。心臓は一瞬も休むこと無く動いているため、一日に10万回動く心臓が10万回過剰な負荷がかかって心筋がばててしまうのです。
重症の大動脈弁狭窄症の5年生存率は20%とも言われており、これは膵臓癌や末期の肺癌に匹敵する重度の病です。心不全などを呈する有償状の大動脈弁狭窄症になると二年生存率が半分以下で、まさに死の病です。緊急で手術しないと救命できないことも少なくありません。
この重篤な大動脈弁狭窄症は、癌と大きく違うのは、手術によって確実に治すことができることです。残念ながら一度固くなった大動脈弁をお薬で治療することは出来ません。
残念ながら、手術を怖がって逃げている間に突然死してしまった残念な患者さんを何人か経験しており、また手術予定だったのにその直前に亡くなってしまった患者さんも経験しています。たしかに手術は誰もが受けたいものではありませんし、怖いものです。全国平均の大動脈弁置換術の死亡率は2%とも言われていますが、それよりはるかに高い確率で突然死の危険があるので、適応と診断された患者さんは少しでも早く治療を受けてもらいたいと思います。重症化してから手術した方が手術死亡率も当然高くなりますので、具合の悪くなる前にできるだけ治療する必要があります。