横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

弁置換術後の抗血小板薬

2020-06-22 00:16:03 | 弁膜症
この春に弁膜症治療のガイドラインが改訂されました。その中で、これまで弁置換術後にはアスピリンの併用が望ましいとして、ワーファリンとアスピリンの併用をしているケースが多かったのですが、このたびの改定を確認すると、生体弁の弁置換術後症例では出血リスクが高くない限りは可能な限り終生、抗血小板薬を継続することが妥当としてあります。アスピリンが不要となれば、それに伴う胃潰瘍予防薬も不要となり、外来管理はより簡略化されることをちょっと期待しましたが、生体弁置換術後でも年1%弱の塞栓症発生率があるということで当面は継続すべきです。(内容に誤りがあったため、訂正させていただきました)。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 後光が差し込んでいるような... | トップ | 地域医療における心臓血管外... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2022-06-13 11:54:37
突然に失礼いたします。本ブログにつきまして、2020年心臓弁膜症治療のガイドラインを確認してみました。アスピリンの併用不要については、同ガイドラインの94項及び95項の抗血栓療法の記載かと思いますが、特に95項の(2.2.2)「生体弁における抗血栓薬の適応と選択(表47)」には、アスピリン併用投与不要の記載は無いようです。貴ブログでの意味は、表47での生体弁の欄における、「アスピリンまたはクロピドグレル単剤投与の続行」が推奨クラスⅡa / エビデンスレベル C と記載されていることを指しているのでしょうか? 失礼いたしました。
返信する
Unknown (gregoirechick)
2022-06-13 22:42:08
ご指摘ありがとうございます。自分も循環器学会弁膜症ガイドラインおよびAHAの最新のガイドラインを確認してみました。ご指摘のとおり生体弁置換術後はいずれのガイドラインでも出血のリスクが低い限りは終生、抗血小板薬内服が妥当というステートメントがクラスIIaでした。あるAHAのガイドラインの日本語版の簡略版で抗血小板薬の推奨の記載がなかったので、推奨から外れたと思ってしまい、原本を確認せずにこのような記載をしてしまったものと思われます。現時点では抗血小板薬は可能な限り継続、というのが妥当と思われます。ご指摘、心から感謝いたします。誤った記載を残して、支障が出る危険がありますので、この記載は削除する、もしくは訂正が必要と思われますので、まずは記事の訂正をさせていただきます。
返信する
Unknown (Unknown)
2022-06-14 11:13:50
ご回答、誠にありがとうございました。感謝申し上げます。
返信する
Unknown (gregoirechick)
2022-06-15 06:06:08
こちらこそ深く感謝申し上げます。また、誤りがあったり、ご指摘、ご意見などありましたら是非、頂けたら有難く思います、
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

弁膜症」カテゴリの最新記事