横須賀うわまち病院心臓血管外科

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横須賀市立うわまち病院移転先と津波ハザードマップ

2019-03-05 15:08:01 | 心臓病の治療


 横須賀市立うわまち病院移転先予定地と、津波ハザードマップを重ねてみると、3~5mの津波が来たときに浸水が予想される地区に入っています。東日本大震災でもみられたように、もし東京湾に津波が発生した場合は、おそらく大津波が押し寄せると言うよりも、川を家や土砂ごと津波が逆流して遡るような形で浸水が進むと予想されます。久里浜の神明公園の場合は、京急久里浜駅と同じく、津波被害のオレンジーゾーンに該当する地区に相当しており、ハイリスク地区といえます。特に川が近く、その川からあふれ出た土砂の被害に直面するリスクがあり、また京急線が動かなくなる、橋が使えなくなる、職員が病院に通えなくなるなどの、交通の麻痺に伴う災害時の機能低下が予想される地区と考えられます。また、海岸とほぼ標高差がない地区でもあるため、津波の直接被害の可能性もあるときいています。
 現在の横須賀の救急医療の一翼を担っている横須賀共済病院も同じくオレンジラインの中に存在しており、この二つの救命センターを要する病院が同時に機能停止になるリスクが同地に移設した場合は発生することになります。

現在のうわまち病院の災害拠点病院としての機能を失うよう可能性のあるロケーションとなっています。ここに病院を本当に建設するならば、想定される津波に耐久性のある構造にする必要があり、また屋上ヘリポートなど、院外への搬出などが可能な構造は必須になります。津波被害などを受けない地区、ということが選定の一条件となっている、とは聞いていましたが・・・。

久里浜のひとから聞いた情報です。


この条件について、新病院の構想としては、考えられる最大級の津波として6mの津波が来た場合のハザードマップにおいて、ぎりぎり津波が到達する部分が新病院の敷地内に入る予測線の外に建物を建築する計画にするようです。ぎりぎり津波が接する場所に対した場所には盛土などを行って補強をする、という計画のようです。しかしながら、津波の波打ち際に病院を建てようとする計画、ということは、病院の建物が保存されることは重視しているのかもしれませんが、その病院へのアクセスなどが壊滅するリスク、災害時に有効に機能するかどうか、ということは想定していない計画です。ヘリポートの計画もまだ全くの未定です。
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