横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

生体弁の弁周囲逆流にみえる人工弁由来のリーク

2021-07-14 14:19:53 | 心臓病の治療
 大動脈弁置換術において、生体弁移植後に人工弁周囲から左室内に抜ける血流が術中経食道エコーでみられることがあります。ほんのわずかに見えるものから、軽度、中等度に見れるものまで様々ですが、この漏れ(リーク)は、一般には弁周囲逆流と考えられ、術者の手技に関係するものと考えられてきました。縫合糸を結紮するときにゆるんでしまっているとか、逆に、強く縛りすぎたために弁輪組織がカッティングしたり崩れたものの可能性もあります。こうしたリークが術中に見られた場合の多くは中等度以上の逆流であれば再度大動脈遮断して、大動脈切開を再度開けて原因個所を同定、追加針をかけたりしてリークを抑えようとすることが多いと思います。しかしながら、そうした時の多くは追加針では解決せず、リークが残存してしまうことが多いのが現実です。確実にこのリークを止めるのは、新しい人工弁で再置換するしかない。実際に再置換してリークが消失した経験が何度かあります。
 しかし、実はこうしたリークの多くは、人工弁周囲逆流ではなく、生体弁の交連部分の一部から漏れ出る血流である、とのことです。交連部のステントの下にある三角形の隙間は、布の部分しかない薄い部分があり、この部分から漏れることはよくあるそうで、これって術者の技量の問題ではなく、製品上の問題ということになります。
 Moderate以上のリークがある場合は、再置換をすること、Mild以下であれば、再遮断することなくそのまま放置でよいという、新たな術中方針が必要ということになります。
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大動脈炎症候群に合併した虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術

2021-07-14 09:38:44 | 心臓病の治療
 大動脈炎症候群は高安病とも言われ、大動脈に炎症を起こす自己免疫疾患と言われています。微熱や炎症所見などだけでなく、この病気の特徴は大動脈の炎症によって、その分枝の入口部を狭窄させてしまうことがあることです。典型的には弓部分枝が閉塞したり狭窄したりして、脳や上肢の血圧、血流が低下して、上肢の血圧が測定出来なくなる「脈無し病」の別名があるような病態です。筆者が経験した患者さんでは、首を横に向けると脳に行く血流が低下して意識を失ってしまうといような重症の頸動脈狭窄がおりました。ほとんど女性に多い印象です。CT画像では大動脈の炎症性肥厚、散在する石灰化などがあります。

 この大動脈炎症候群に虚血性心疾患を合併することがあります。特に冠動脈の入口部に狭窄や閉塞を来す病態で、末梢の冠動脈の性状は良好なことが多い印象です。この患者さんにはカテーテル治療は不適なので、冠動脈バイパス術を依頼されることがあるのですが、普段使用している内胸動脈は、鎖骨下動脈や腕頭動脈の狭窄を来していることが多い、または今後進行することがあるので大伏在静脈を使用したバイパス術が必要になることがあり、この場合は大動脈のどこに吻合するかということが問題になります。上行大動脈に通常通りに中枢側吻合をおいた際に、将来吻合部狭窄を来す可能性があるため、大腿から採取した太い大伏在静脈を、吻合口を通常の約1.5倍に大きめにする工夫をした症例がありました。今回、そうした吻合を行った症例に手術して14年後の冠動脈CTを撮影したところ、入口部の大きさ6mmがそのまま開存しており、バイパスも三カ所全て開存が見られました。この症例は左冠動脈主幹部が閉塞しているところに唯一の血流ソースである右冠動脈の入口部に厳しい狭窄を生じた不安定狭心症に対して、前任地で冠動脈バイパス術を実施した患者さんですが、14年経過しても静脈グラフトが劣化することなく開存しているのを見るのは嬉しい限りでした。

 静脈グラフトの開存を長期化させるために、最近はNon-touch harvestingなどが盛んに報告されるようになっていますが、長期開存の最も有効な手段は、デマンドの大きいターゲットに吻合して流量を確保することが最重要ということであり、今回の症例の開存はその証拠としていえると思います。
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The King of Fruits:Passion!

2021-07-14 09:36:07 | 心臓病の治療


個人的にはフルーツの王様は、パッションフルーツです。この香り、酸味の中の甘み、まさの大人の味です。この季節、奄美大島や沖縄から送られてきますが、この夏の季節の楽しみの一つです。

先日、パッションフルーツソースのカモ肉のソテーが超特価で売っていたので、お店の商品を全て買い占めてしまいました。
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夏は野菜の季節

2021-07-14 08:00:32 | 心臓病の治療


夏は野菜の季節です。美味しい夏野菜が安く買えるので、野菜の食べ貯めの季節とも言えると思います。しかし、最近のトマトって本当に甘くて美味しく、まさにデザートですよね。特に写真の、山形の実家の80歳になる母親が行列に並んで買って送ってくれるトマトはおそらく世界一の甘さです。
昔のトマトって青臭くて、甘さより苦みが強かったりして嫌いな子供も多かったと思いますが、その青臭いトマトって絶滅してしまったのでしょうか?

横須賀は特に野菜が超特価で手に入るので健康的生活には非常に適した土地です。とはいえ、不健康な人もたくさんいて、動脈硬化性疾患の患者さんはまだまだたくさんいます。。。
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かが と いずも 横須賀に

2021-07-13 16:48:17 | 心臓病の治療




空母かが、と、 空母いずも どうちらもちょうど横須賀にいます。大きな鑑定二隻が同時に入港できないのか、かがは沖合に停泊中。
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外巻き生体弁の評判

2021-07-12 21:43:04 | 弁膜症
 外巻弁はステントの外側に生体弁の弁膜を張ることで弁口面積が大きくとれるというメリットがありますが、早期に壊れる症例があるので使用しないとする施設も多いと思います。外巻弁には大きく、アボット社のトライフェクタ、リヴァノバ者のクラウンがあります、また、クラウンの前モデルとしてマイトロフローというものも数年前までありました。

 マイトロフローは当時、イタリアのソーリン社が作った外巻弁で、筆者も2014年に多く使用経験がありますが、幸い早期の弁機能不全症例は今のところ聞いていません。またマイトロフローの改良版のクラウン弁も現病院で使用経験がありますが、こちらの弁も現時点で2016年から30例以上移植していますが、現時点では弁機能不全はなく、外巻弁でもTrifectaのように早期弁機能不全は起きないと思っていました。しかしながら前々回の胸部外科学会関東甲信越地方会でマイトロフローの早期弁機能不全の発表があり、会場からも早期弁機能不全の経験があるという医師も多数いて議論となり、やはりTrifectaに限らず、マイトロフロー、クラウン共に外巻弁は弁の可動範囲が大きいことで弁口面積が大きくなる一方、その分、弁膜にかかるストレスが大きくなって壊れやすくなるのではないか、という認識が一般化しているものと思われました。先週も都内の病院で、クラウン弁移植後の再弁置換手術を実施した施設があり、その部長に直接話を聞いたところ、3年ほどで再手術となったということでした。
 マイトロフロー、クラウンの最もいい点は、同じサイズでも実際の弁の大きさが最小であることです。特に19mm弁は現存する人工弁で最も小さく、一番小さい機会弁よりも小さいので、狭小弁のため機会弁しか入れられない、という事態が発生しなくなりました(この弁の使用経験がない施設ではいまだに狭小弁という理由で機会弁を縫着したという話を聞きますが。)マイトロフロー自体はその意味で筆者の印象としては悪くありませんが、他施設での評判としては外巻弁は早期に壊れる症例がある、という点で現時点では評判がいいとは言えず、使われる頻度も少ない生体弁と言えます。です。
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MICS勉強会

2021-07-09 03:45:23 | 心臓病の治療
 自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科医局では定期的に医局内での勉強会を行っています。最近はZoomを利用したオンライン勉強会が主流となり、今年に入ってからは、EVAR/TEVAR勉強会、TAVI勉強会が行われ、毎回胸部外科学会地方会の後のタイミングで実施されたため、次回も11月6日の予定で行う予定です。筆者が幹事を仰せつかっているテーマは、MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery)です。
 内容としては、医局内で主に指導的な立場で実際に臨床で行っているエキスパートに講演してもらいディスカッションするという内容で
①MICS-MVP/MVR
②MICS-AVR
③MICS-CABG
④Partial SternotomyによるMICS-AVR
⑤新規のMICS導入について
⑥MICSの施設実施状況
についてをそれぞれ15分ずつレクチャーしてもらい、それぞれについて議論するという内容を考えています。
 入局予定者等にも門戸を広げて参加者を募ることも検討したいと思っています。
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左内胸動脈と大伏在静脈で行うMICS-CABG:冠動脈外科学会2021

2021-07-09 03:43:43 | 心臓病の治療
冠動脈外科学会は今年は山口県山口市で行われる予定です。この冠動脈外科学会に横須賀市立うわまち病院心臓血管外科から演題応募したのが「左内胸動脈と大伏在静脈で行うMICS-CABG」という内容です。

 左小開胸アプローチによる多枝再建冠動脈バイパス術(MICS-CABG)は、左内胸動脈以外のグラフトをどうするか、技術的な課題が多いため普及が進まず、実施施設が限られているのが実情ですが、このMICS-CABGにおいて左内胸動脈―左前下行枝以外の血行再建における左大伏在静脈使用が確立されれば標準術式として確立できると考えられます。
 CABGにおける多枝再建症例は左内胸動脈と上行大動脈に部分遮断鉗子をかけて中枢側吻合した大伏在静脈を基本的に使用しており、右内胸動脈、右胃大網動脈の使用は症例によって検討している。当院でMICS-CABGを導入した2017年10月から2021年2月までの間に実施した冠動脈バイパス術80例のうち、MICS-CABG症例は30例(38%)で、うち、1枝バイパスが18例(60%)を占め、2枝以上の多枝バイパスが12例(40%)。多枝再建症例のうち、2枝再建7例、3枝3例、4枝1例、5枝1例。経皮的カテーテルインターベンションとのHybrid治療は2例。平均枝数は1.7枝で、同時期に行われた正中アプローチ50例の平均枝数3.3に比較して有意に少なく、術式の術中変更症例は3例。目的とするターゲットへの血行再建は全て完遂。

 この、大伏在静脈を使用したMICS-CABGの最も手技的に難しいのは中枢側吻合であり、これが安全、確実に実施できれば今後普及していく可能性が高い。もし、手技的に困難な場合の術式の変更について十分検討しておくことが重要。

以下、次週発表の抄録です。

左内胸動脈と大伏在静脈で行うMICS-CABG

【背景】左小開胸アプローチによる冠動脈バイパス術(MICS-CABG)は、左内胸動脈以外のグラフトをどうするか、技術的な課題が多いため普及が進まず、実施施設が限られている。左内胸動脈―左前下行枝以外の血行再建における左大伏在静脈使用が確立されれば標準術式として確立できる。
【目的】当施設のMICS-CABGにおける大伏在静脈グラフト使用症例について検討する。
【症例】多枝再建のグラフトは左内胸動脈と上行大動脈に部分遮断鉗子をかけて中枢側吻合した大伏在静脈を基本的とし、右内胸動脈、右胃大網動脈の使用は症例によって検討している。MICS-CABGを導入した2017年10月から2021年2月までの間に実施した冠動脈バイパス術80例のうち、MICS-CABG症例は30例(38%)であった。1枝バイパスが18例(60%)を占め、2枝以上の多枝バイパスが12例(40%)で、うち、2枝再建7例、3枝3例、4枝1例、5枝1例で、多枝再建症例の83%(10/12)で大伏在静脈を使用し、Sequential吻合で複数個所を1本のGraftで再建した症例が4例。経皮的カテーテルインターベンションとのHybrid治療は2例。平均枝数は1.7枝で、術後造影ではすべて開存が確認された。術中のConversion症例が3例あったが、目的とするターゲットへの血行再建は全て完遂した。合併症としてPafに伴う脳梗塞1例、NOMI1例、敗血症による遠隔死亡が1例あった。
【考察】大伏在静脈を使用したMICS-CABGの最も手技的に難しいのは中枢側吻合であり、これが安全、確実に実施できれば今後普及していく可能性が高い。手技的に困難な場合の創拡大やHybrid治療など方針変更について検討しておくことが重要である。
【結語】左小開胸アプローチから静脈グラフトの中枢側吻合が確立すれば血行再建のバリエーションが増えて普及が進む。

One of the limitation for the indication of CABG through left mini-thoracotomy, MICS-CABG, is the difficulty of preparation of second graft, addition to the left internal mammary artery. If the anastomosis of a great saphenous vein to the ascending aorta is safely established, MICS-CABG will be widely applied. Our facility conceive the lateral thoracotomy is a standard approach and more than 30% (30/80) of the CABG cases were operated with this approach in these three years. 60%(18/30) were single revasculization with left internal mammary artery to left anterior descending artery, and the other 40%(12/30) were multiple with the saphenous vein grafts, the right internal mammary, and the right gatroepiploic artery, which were all patent in postoperative study. Although the anastomosis to the ascending aorta through mini-thoracotomy is technically difficult, it is crucial to expand the indication for less invasive coronary surgery. The separation of the left costal arch gives an improved working space in case of poor surgical view for both of the proximal and distal anastomosis and enables the complete revasculization. This kind of inta-operative conversion should be considered in the preoperative heart team conference especially in case of the hybrid therapy with percutaneous endovascular intervention.
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MICSアプローチによるスーチャレス弁移植(Intuity)

2021-07-09 03:27:18 | 弁膜症
 縫わなくても移植できるスーチャレス弁が大動脈弁移植用に昨年から発売されていますが、これは縫合糸を大動脈弁輪にかけ、その糸の一端を人工弁の弁座にかけ、弁を弁輪の位置まで落とし込んだ後に一針一針手で、もしくはKnot pusherで結紮するという人工弁移植の一連の操作を省略できるという意味で、約15-30分の時間短縮、および一針一針の操作におけるリスクの軽減が期待できる画期的な人工弁です。
 新しい技術でもあるので、最初の症例はプロクターと言われる技術指導者からの指導のもとに実施する必要があり、エドワーズ社のIntuityは1例目、LivaNova社のPercevalは5例のプロクター指導が必要です。横須賀市立うわまち病院心臓血管外科ではこの両方のスーチャレス弁をすでに実施済ですが、最近はIntuityのほうが若干多く使用しています。
 横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、右小開胸アプローチによるいわゆる低侵襲心臓手術を弁膜症の多くの症例、特に大動脈弁置換においては55%の症例で実施していますが、最新の手術方法としてこのスーチャレス弁によるMICS-AVR(低侵襲大動脈弁置換術)も実施しています。操作性が悪い右小開胸アプローチによる弁手術も、このスーチャレス弁を使用することで低侵襲アプローチの弱点を克服できます。このスーチャレス弁によって約30分の手術時間短縮が可能で、正中切開とそれほど時間的な差がなく人工弁置換術が可能となっています。
 このIntuityは大動脈弁輪下の左室流出路に位置するカフが広がって人工弁を固定すると同時に、印象としては左室流出路お広げる印象があり、今まで使用していたMagna弁やInspiris弁よりも弁口面積が術中の超音波画像上は広がって見え、実際に人工弁通過血流速度を測定すると、従来弁よりも低下し圧格差が少ない症例が多くなっています。人工弁の弁尖に対する負担も小さくなれば、より長期間の使用が可能になるとも考えられます。より長期の耐久性が期待できるResilia牛心膜を乗せたIntuityが一日も早く使用できるようになることを期待しています。
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Cor-knot(コアノット)の裏技

2021-07-07 12:18:55 | 心臓病の治療
 縫合糸を自動で結紮できる装置、Cor-Knot(コアノット)は日本国内でも使用可能となりましたが、MICS弁手術において、ほぼ縫合糸が緩むこと無く結紮が可能です。
 それだけでなく、一度緩んでしまった糸もこのCor-Knotを使用して緩みをとることも「裏技」として可能です。この裏技について、次の学会で呈示しようと思います。
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心臓血管外科医としてのコスト意識とESG

2021-07-07 10:59:47 | その他
 この手術の手技料はいくらか、このデバイスを使用した場合のコストは?
 こうした内容は病院経営上、非常に大切なことなのですが、あまり細かいことを言うと日本人の心境としては、はっきりいって嫌われます。そんなこと気にせず、質の高い手術を最優先でやればいいんだよ!とこういう外科医が心臓血管外科に限らず多いのも現実です。
 筆者は心臓血管外科の医局に入局してからず~っと、こうしたコストのことが気になってことあるごとに口にしてきましたが、はっきり言って皆、いやな顔しますし、好かれないことはわかっています。しかし、無駄やコストに見合わない診療することが納得いかないし、他の診療科でもコスト度外視した診療をしたり、無駄な医療機器を購入して全く使用しない実績を見ると腹が立ちます。日本人は世界一のフードロスの国だそうですが、そのことをニュースで目にするたびに腹が立つのと同じレベルで診療上の無駄をしていることを見聞きするたびに腹が立ちます。
 でも最近、ESGやSDGsなどの考えが浸透してきて、こうした地球環境や資源を無駄にすること自体が認められなくなってくる世の中になり、日本の医療者も無駄をしない、医療資源の有効利用をする、というコンセプトが浸透してくることを期待しています。
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医局説明会:自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科

2021-07-04 10:59:04 | その他
 7月1日 自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科医局の入局説明会をオンライン開催しました。昨年に引き続き、多くの参加者がありましたが、医学部学生さんかの質問があったりと盛り上がったと思います。
医局の説明の多くは、魅力的な研究内容、留学などに充てられていましたが、これは若手を引き付けるにはとても効果があると思いました。現在は研究の実績のあるスタッフが揃っているので、診療のスキルを上げるハイボリュームセンターとしての魅力以上に研究での実績も詰めるとなると、この医局よりも魅力のある医局はなかなかないのではないかと思いました。特に、実際に若手の経験についてもプレゼンテーションがあり、横須賀市立うわまち病院で3年間修練したスタッフが現在はさいたま赤十字病院に赴任していますが、専門医を最速で取得し、多くの論文をすでに発表しており、胸腹部置換や大動脈基部再建術など難易度の高い手術もすでに多く執刀し、来年からはスタンフォード大学に留学予定という、輝かしい経歴を誰でも可能性があるということが示されたと思います。今後も新しいことにチャレンジしたり、多くの関連施設で臨床経験を積んだり、留学したり海外での活躍の場を求めたりと非常に多くの可能性がある医局です。
 何人かここ数年退局した人もいましたが、残った医局員は現在の山口教授と同じ方向性で若手の教育に力を入れるのにまとまりのあるスタッフで揃っているので、5年後、10年後が楽しみです。そのころには関連施設を増やす時期に部長となった医局創成期のメンバーから次の世代に交代する時期でもありますが、来年度も新しく入局する希望者がすでに何名かいるようですし、ますます発展していくものと期待しています。
 医局員の増加に比例して新しい関連施設が必要になってきましたので、魅力的な施設があらたに加わる必要があります。
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雨です

2021-07-03 06:59:58 | 心臓病の治療


完全防水の装備でも電車が立ち往生してしまっています。
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Abott MICS Conference

2021-07-03 06:44:48 | 心臓病の治療


6月30日 アボット社が主催するMICS-AVRのセミナーが行われました。全国規模のカンファレンスで、参加者は280人に上ったそうです。

最近広まりつつある側方小開胸アプローチによる弁膜症手術のなかでも大動脈弁置換は難易度が高いため実施施設はまだ少なく、神奈川県内でもまだほとんど行われていません。横須賀市立うわまち病院では県内最多の実施施設として、このセミナーでは前半のディスカッションに参加し症例の提示も行いました。

主に手技、適応、工夫点や注意点等が話し合われましたが、ディスカッサントの先生たちはまだMICS-AVR未導入ということもあり、これから導入したいという施設にとってはとても参考になるセミナーだったと思います。特にうわまち病院で行っているストーンヘンジテクニックは、初めてどうにもする施設には最も適した方法で、実際に筆者は複数の施設の導入のお手伝いをしてきました。正直なところ、対象として利害関係の発生しない施設にたいして、という条件がありますが。
セミナー後に他県の施設から手術指導の相談がありましたが、その施設の医局の壁の問題で、キャンセルとなりました。この医局の壁も、現実としては最も代表的な利害関係とも言えます。

今月末もまた、次の全国規模のセミナーのディスカッサントを頼まれているので、女優ライトの活躍の場はまだまだあります↓筆者だけ顔色がいいのは、女優ライトの効果です。

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Introduction: The Cardiovascular Surgery Department of Yokosuka General Hospital Uwamachi

2021-07-02 17:07:51 | その他
The cardiovascular surgery department was opened in 2009 and has treated thousands of adult patients mainly around Yokosuka and Miura Peninsula who suffered from cardiovascular diseases.

The cardiovascular surgery team consists of 5 doctors including experienced certified surgeons and clinical instructors. The team receives emergency patients correlated with emergency center and cardiologists, and the specialized ambulance with a doctor on board which can come and pick up for primary medical facilities at any time.

The cardiovascular team has aggressively practiced minimally invasive surgery such as follows:

1. Endovascular aortic stent Stent-Graft surgery for aortic aneurysm
2. right mini-thoracotomy valve surgery
3. left mini-thoracotomy multiple coronary bypass surgery.
One-third of cardiac and thoracic aorta surgeries have been performed by minimally invasive approach. Small incision surgery is also called MICS (Minimally Invasive Cardiac Surgery).


The cardiovascular team has practiced the largest cases of leg varicose veins in Yokosuka and Miura area. Most patients are treated by same-day surgery, and they are applied minimally invasive method with endovascular LASER abrasion or contemporary glue therapy.

The cardiovascular department is responsible for the diseases as follows:

1. Ischemic heart disease (angina pectoris, myocardial infarction, minimally invasive coronary artery bypass)
2. Valvular heart disease (Minimally invasive valve surgery)
3. Aortic disease (aneurysm, dissection, Stent-graft surgery)
4. Peripheral artery disease (Atherosclerosis, arterial occlusion, below the knee bypass, foot-care clinic)
5. Venous disease (endovascular LASER and/or GLUE varicose vein therapy)
6. Arterio-venous shunt for hemodialysis patients (AV shunt surgery, endovascular shunt plasty)



In 2020, we were much influenced by COVID-19 pandemic, and the number of operation cases for cardiovascular surgery was decreased by 10%. But after coronavirus vaccine for medical staff, our practice has become normal and operation cases are increasing. Especially the number of valve cases is increasing as the population of senior people is also increasing.

Minimally invasive cardiac and vascular surgery is getting popular, and our team prioritizes safety and quick recovery, especially for elderly people. More than 30% of cardiac and aortic operation already were performed by minimally invasive approach which is highest rate of apply in Kanagawa prefecture. We started to use the state-of-the art 3D endoscope system to complete mini-thoracotomy surgery to upgrade the quality of surgery.

In 2025, a new hospital will be completed in the Kurihama area. The New Yokosuka Medical Center will be the medical center of Miura peninsula with the highest quality hybrid operation system for endovascular cardiac and aortic surgery such as TAVI (Trans-catheter Aortic Valve Implantation).
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