老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

句集 にまつわる話

2018-02-13 10:49:21 | 俳句
   水槽の中で鰭を振って泳いでいるような金魚草。  


 楽しみに将来は句集を出そうと思っている人も多いはず。
昨日は、常々、自分の思っていることを呟きすぎた。ずいぶん辛辣で嫌味に聞こえたかも。

 自家蔵版の句集を作って、私にくれた親しい友人がいた。
「母の残した句を纏めました。読んでやって下さい」
「喜んでいただきます。読ませていただきます」
勿論、目をとおした。平凡な一生を終えた平凡な幸せが詰まった句であった。




電車の待ち時間がたっぷりあったから、古本屋を覗いた。
ずいぶんと懐かしい結社の名前の同人たちの出した句集があった。
傍に、私も記憶にある方が出した句集もあった。
ああ、こうやって、句集は古本屋に並ぶのかと手にとった。
合同句集には、私の俳句の始めての師の名前もあった。懐かしさのあまり買ってしまった。
しかし、彼と関係ない町の古本屋に並んでいるのを考えると面白い流れ。

   フレームの中に咲いていた 「金魚草」。

 東京から、句友が来た。
あちこち吟行に行く。途中、電車の中でこんな話を。
 ある図書館で、瀬戸内寂聴文庫というコーナーが有り、そこにあった 鈴木真砂女さん の句集を借りた。
「表紙に謹呈、瀬戸内寂聴さんへ、」、、とサインがしてあった。と云うと
ヘーそんな本は無くしたか電車の中に忘れたとか言って、図書館に弁償金を払えばよいのに、、、と云った。

ビックリしたな~。
彼はまことに人格の仕上がった人、私の尊敬をする方であった。
その口から出た言葉である。
人間は複雑だ。この方にして、俳句に対する執念、胸の奧で燃え盛っている炎を見た気がした。
名誉も地位もありながら、趣味の世界、マニアといおうか、ことの他、驚いた。
(受験生、世の中の全員が知っている大学の教授をしていた。お亡くなりになったから時効。俳句の世界では世に出ることがなかった。)


  金魚草とはぴっったりの良い名前だ。 

 句集は自家蔵版にしてでも、親しい人に読んでもらえばよい。
出版社から送りつける物ではないと思う。礼を失している。




しりとり俳句から

    🍒    欄干に凭れ初蝶見送りぬ   ラスカル

    🍒    欄干にもたせてありぬ遍路杖    むめこ

    🍒    てふてふも仲間に入れてあげやうよ    ラスカル

    🍒     おもはざり高く早くと冬の 蝶   むめこ

 ラスカルさん、有り難うございます。季語のヒント。
コメント
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