ふっと気がついた。
鳥の姿が見えぬ。
鳴き声がしない。
いつも来ていて、今まで気づかなっかた。
去年、不注意から眼鏡を落としてしまった苦い思い出が残る椿園。
そこにも普通なら、この頃であれば、ひよどりや、雀など、どこでも見ることのできる定番の小鳥がいるはずである。
椿の葉がくれに枝渡りしているであろう鳥が一羽もいない。
椿園や、梅園を巡り、蠟梅の坂道を登ると、飛行場がある。
電波塔やくるくると回っている「何て名前」扇風機の大きな羽とような建造物。近くには管制塔がある。
空には真っ白い春の雲が。、、、見ただけで旅心がわいてくる場所なのだ。離着陸する飛行機が見える。
もしかすると、飛行機の離着陸の時に発する大きな爆音が、鳥たちが近かずけないでいるのではないのかと考えた。
もうすぐ三春から讃岐に贈られてきた瀧桜が咲く。
あの日本三つに入る名にしおう桜、三春の瀧桜の子供。固い莟を付けている。
何棟も温室が建ち並び、県民がいつも花を見に来る農業試験場である。
小鳥の囀ずりが色を添えたら、もっともっと素晴らしく楽しい場所だと、少し残念だ。
しりとり俳句から
🍒 梵字薄る磐に幣張る寒桜 (薄い )
🍒 瀧桜讃岐へ嫁に三春から (桜)
🍒 塗盆に粗相を残し雪うさぎ (雪うさぎ)
🍒 早梅や満ちたり欠けたり月ひと夜 (梅)
🍒 父遺す今年も見事盆の梅 (盆)