老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

満濃公園吟行 (C)

2015-09-15 21:49:47 | 俳句


香川県の西讃地区には、八朔節句、馬節句の風習がある。男の子がいる家では、「だんご馬」を作り、子供の健やか成長を願うようだ。
八朔の頃は、早稲の穂が実るので、農民の間で初穂を恩人などに贈る風習が古くからあった。このことから 田の実の節句 と言う。歳時記には、慿の節供 姫瓜の節句 八朔の祝などとして載っている。
丸亀藩生駒家の家臣、曲垣平九郎にちなんで、讃岐の丸亀辺りでは、米の粉でだんごの馬を作ったともいわれている。

     ☆   祓はれて闇夜の海へ田面舟   林 徹

     ☆   八朔祭猫もかまぼこ貰いけり   香野倫子

古い江戸時代の俳人の例句にはあるが、近代の作家の例句はほんの2,3句しか載っていない。
私が満濃公園の自然観察園を訪れた時、この男の節句飾りを、さぬきの家に飾っていた。
テレビのニュースなどで、観たことはあても、実物の、だんご馬を見たのは初めてだ。
だんごで作った勇み駒の手綱や腹帯を赤い布で美しく装っている。

     八朔の祝いへつつい残る家
     秋暑しまず広縁に招じらる
     これ見よと田の実節句の馬飾る



      たつた今開きしばかり羊草
      ひつじ草婆さまの履く布草履
      種瓢へついに貼る火伏札
      



      秋暑し水を張りある木の盥
      花梨の実束の間憩ふ広き縁
      バッタ跳ぶ一気に越して釣瓶井戸
      紅槿さながら十八番娘とも

子供達が沢山遊んでいた。釣瓶井戸もめずらしいし、木の盥など名前も知らぬようだった。
      


リメイクの布草履。お婆さんが、布団を潰した生地で、若い皆さんに作り方を伝授していた。     






      


     
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満濃公園吟行(B)

2015-09-14 22:48:49 | 俳句



公園には、陶芸教室、ハーブでリースを作るイベントとなどが開催されている。琴の音が流れる一角では、お茶席などもあって、人々が集っているみたいだった。
とりあえず、私達は自然生態園に、珍しい植物や、昆虫を見に行くことに。

     花野行く二人に大き日矢さしぬ
     木の実降る小さき獣の足の跡
     昼鳩のくぐもる声や秋の風
     秋色の径を若き二人行く 



     一隅に茶席のありて竹の春
     貴船菊釉かけしやう白き
     お茶の花おたいこ帯をぽんと打つ

お茶席から、出てきた老婦人がおもむろに、着くずれをなおし、おたいこの帯をぽんと叩いた。
         


     秋の風ひまわりよそよそしく咲いて
     曼珠沙華貸し自転車の家族行く
     彼岸花手折りうち捨てありにけり



     秋あぢさゐ昨夜の夢をうろ覚え
     蜘蛛の糸秋あぢさゐに絡みある
     紫陽花に夏の名残りの朱き色
     
     紫のハーブのリース小鳥来る
     秋興の何にもやんちゃな次男坊

自然生態園までの小道でのぶらぶら吟行。





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満濃公園 吟行(A)

2015-09-14 11:29:20 | 俳句

良いお天気に誘われて、うらうらとドライブがてら、国営の公園に行く。
子供が中心の公園だが、童かえりしている、お脳には、良い場所だ。

      秋うらら迷子の放送ひきりなし
      秋うらら小踊りしをる坊のゐて
      

この公園は、空海が造ったと言う伝説の残る、満濃池のすぐ近くにある。
満濃の池が龍の形に似ていることから、園のいたる所に龍のモニュメンがたくさんある。
どの龍も子供に愛されるように、愛らしい顔をしている。4~5メートルもある龍は大い牙に、にあわず、目をくるくるとさせて、入園者を出迎えている。

     秋暑しきらきら光る龍の角
     汗だくで子を見失まいと母走る
     秋興のドラゴンとにらめっこかな
     菊の服ドラゴン衣裳持ちなるぞ



     この風はコスモス畑を抜け来しか
     秋日濃し片陰恋しかりにけり
          


     公園に起伏七坂小鳥来る
     チルチルミチル思ひつ小鳥追ひにけり
     幸はほんの近くに小鳥来る
     色鳥やまなかひの枝ゆきもどり
     色鳥を子らと静かに観てをりぬ
     群とんぼ子らの歓声遠近に

帰り道、身体に悪いのに、徳島ラーメンを食べる。
遊ぶと日常の節制を忘れしまう。血糖値、コレステロール、どこかへ飛んで行け、オソマツな終わりかただった。
     
     
     
     


     

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秋のドライブに

2015-09-13 19:22:38 | 俳句


ドライブをする時、夫は暑がりなので、冷房を利かす。
私は寒がりなので、とても堪らない。
膝かけを作った。
フレアーのスカートを長方形に剥ぎ合わせた。
本当にリメイク中のリメイク。
好きだったレリアンの愛用したスカートだったから、捨てるには忍びなかった。
アップリケをして、出来上がり。自動車の中で冷房が効き過ぎても、しっかりと用を足す。
庶民生活の知恵だ。




      秋出水神さまゐるのかゐないのか
      颱風禍大和まほろばずたずたに
      山も野もでんぐり返す野分かな
      
      小鳥来る煙出てゐるログハウス
      曲水の庭ある古刹小鳥来る
 
      草の香や後ろに誰かをりさうな
      地虫鳴く話のつぎ穂みあたらぬ
      無花果や捨てたきものに気の病

      児童館ひとり残る子金木犀
      鳩吹くや地図から消える小学校
      秋遍路人形焼きを買ふてをり
      笑み絶えぬマネキン人形秋うらら

      すいすいと蜻蛉に道のあるのかな
      ねこじゃらしなんぞ横目の猫なりぬ
      うとうととうとと足湯や赤とんぼ
      鉦叩未来ゆき出る銀河駅

 しりとり俳句 から生んだ。
捨てるには惜しいし、投句するほどでもない句。一句一章の句が出来ぬ。季語なんてサーキットの車のように走る。動いて跳んで。
オソマツでした。

今日は「秋暑し」

      秋暑し子らのゲームに駆り出され       


      
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天国へ行った犬が解らない猫

2015-09-12 10:06:56 | 俳句

姫 が 殿 の小屋を覗く                  いつも一緒にいた
?

姫はベランダに出ると、いつも 亡くなってもそのままにしている 殿 の犬小屋を覗きに行く。
殿 が生きていた時は、猫と犬だが、なんとなく仲が良かったと思う。
姫 は自分の思いどうりに物事がはこばないと、いわゆるストレスがあれば 殿 に八つ当たりをしていた。
いきなり 殿 の尻尾にかみついたり、ぽーっと、している 殿 の前にゆき、猫パンチをくらわす。殿 が(*_*; して、追いかけると、さーっと部屋に逃げ込む。
殿は、時には怒って逃げる 姫 を追いかけるが、部屋に逃げ込まれては、なすすべも無い。
殿 と私が散歩に出かけると、姫 は外の階段で、帰るまで待っていた。

殿が亡くなって、一年はとっくに過ぎたが、早期に癌だってことに気が付かなかったことを今でも悔やむ。痛かっただろうか、苦しかっただろうなと。
姫 は今でも、殿 の匂いが、残っているのか、小屋を覗きこんだり、見えないと思うと、小屋の中べ寝ていることもある。
殿 の死が理解できぬ、姫 なのだ。



        初秋の湖畔を走る白馬かな   R
        青馬の御幣を飾る神の秋   M
        朝駆けの神馬お山は薄紅葉   O
    馬のしり取りでこの句が続く

        酒の宴鬼女微笑みて紅葉狩   M
        秋興や誰が持ち来し鬼女の面   O
        新走り天狗の面を飾る店   R
        山粧ふ烏天狗が息吹けば   O
        懐の深きか風なり秋の山   P
    鬼女→面→天狗→山  に しり取り

たかがしりとり俳句されどしりとり俳句、あなどれない。



      
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