Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

参議院の衰え

2013-05-11 15:15:25 | 国際・政治

雨天下の冴えない空模様の当地愛知だが、今季長らく悩まされた冬場の寒気よりは、ようやく解放されそうな風情である。今月は、改正手続きの緩和的見直しの動きある日本国憲法の今後をメインに、諸々の権利が林立して収拾のつかなくなる「人権インフレ」の問題や、我国益の為とは言え、先の震災において津波などの襲来に遭い、その安全性に疑問符の付いたまま、中東諸国と原子力平和利用に関する協定を結んだ安倍政権への一抹の疑問など、取り上げたい事は多いのだが、今回は、先日参議院にて強行された、自由民主党参議院環境委員長だった、元外務大臣 川口順子(かわぐち・よりこ)さんの解任騒ぎを巡る、参議院に衰えの感じられる状況について、少し触れたく思います。

今日拝見した、全国紙S新聞電子版に載った、この問題についての記事を引用しながら、各野党の国益軽視の不良姿勢や、参議院そのものの機能低下の印象を受ける事などを思考して参ろうと思います。

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「川口順子氏が死守した『国益』 そして民主党は『ブーメラン』を投げた」

参議院環境委員長だった自民党の川口順子元外相が9日、解任された。その理由は4月に訪中した際に急遽(きょ)セットされた、楊国務委員(外交担当)が出席する会合に出席するため滞在を延長し、環境委員会が流会したためだ。常任委員長の解任決議可決は衆参両院共に初だが、果たして野党が強行したこの解任劇に正義があったのか?甚だ疑問だ。

一連の経過を振り返る。

川口氏はアジア各国の外相経験者らの「アジア平和・和解評議会」メンバーの一員として4/23に中国大陸・北京入りした。参議院から翌4/24まで渡航許可を得ており、環境委出席のため同日中に帰国するつもりだった。

だが、4/24になって急遽、同評議会と楊氏との会談が4/25に設定された。川口氏はすぐさま自民党 脇 雅史参議院国会対策委員長にTEL連絡、会議出席のための渡航延長を訴えた。

川口氏が出席しなければ、沖縄・尖閣諸島の問題について、中国大陸がねじ曲げた主張を一方的に繰り広げることになり、他の参加者に誤った認識を与える危険があるからだ。

脇氏も「会議に出席するのは『国益』にかなっている」と即断即決した。川口氏に中国大陸に滞在し出席するよう伝え、早速、滞在延期に向けた野党との交渉に入った。

ところが、野党側はそれを許さなかった。開会中の常任委員長の海外渡航は自粛することで与野党で申し合わせており、特別に渡航を許可したのに、さらに滞在延長をしたと言う理由だ。

「前代未聞の国会軽視」と批判を強めた野党は4/25になっても同意せずに、同日の環境委は流会、川口氏は楊氏との会談に臨み、帰国した。

川口氏は理由を説明し謝罪したが、民主党やみんなの党など野党7党は5/7、川口氏の解任決議案を参議院に共同提出した。珍しく野党が一致して共同戦線を張り、5/9の同院本会議で可決した。野党は「国会ルールを無視した」と非難するが、滞在延長には「国益」を守ると言う相応の理由があり、解任は行き過ぎた野党の横暴だ。

川口氏は5/7夜、首相官邸に安倍晋三大臣を訪ね、10分間程会談している。楊氏らとの会談を報告するためだ。報告の内容は明らかでないが、政府関係者は「日本の政治家と中国要人が会わない状況で、楊氏の『声』を聞いたことが大事だ。安倍首相が『有意義だった』と感じるものだったようだ。」と説明し、野党が批判する「私的な外交」ではないと強調する。安倍首相も翌5/8には「尖閣諸島の問題も議論された。日本の立場を主張するのは有意義だった」と川口氏の立場を支持した。

川口氏が欠席していた場合、各国の参加者は、楊氏らから中国大陸のねじ曲げた主張だけを聞かされる事になっていた。

一方的に、中国大陸の主張を刷り込まれてしまう危険があったのだ。

川口氏も「領土問題で日本の立場を言わねばならないし、靖国参拝問題もあった。帰れば中国側に色んなメッセージを送る事になり、国益を守れない」と振り返る。

環境委員会は5/9、委員長代理を立て、審議を進めた。4/25の流会は委員長不在が理由。その場で代理を立てれば審議はできたはずなのだが。

「国会ルールを破ったのだから当然の結果だ(輿石 東参院民主党議員会長)」。民主党は久しぶりに国会闘争で優位に立ち、自民党を打ち負かした高揚感が漂う。高支持率を維持する安倍政権を睨み、対決姿勢を際立たせた。野党共同戦線を成功させた事にも酔っているようだ。勿論、対決姿勢も野党共闘もこの夏の参院選を意識してのことだ。

自民党に一太刀浴びせた喜びに沸いている民主党だが、実はとんでもない大きな間違いをした事にまだ気づいていないようだ。「国益」を無視し、参院選目当ての党利党略にしか映っていないことを・・。

民主党は又もや十八番の「ブーメラン」を投げてしまったようだ。それはこの夏に返って来るだろう。参院選で有権者の声として受け止める事になる。

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この記事を、各位はどうお感じになりますか?政局ばかりに気を取られ、内外の問題に取り組む力量を身につける努力を一向にしない、民主党の不良姿勢と不良体質が透けて見えるのは、俺一人ではあるまい。推測を恐れずに申せば、どうも、川口さんの解任騒ぎを主導したのは、輿石参院議員会長の印象も受けるが、同氏は他ならぬ、かつての同党々党首にして、今は同じ野党の小沢「生活の党」党首とは盟友の間柄だったと聞く。事によると、今回の川口さん解任騒ぎも、輿石~小沢ラインが巧妙に機能したのかも知れない。何しろ小沢さん、「壊す事」に関しては天才的力量を発揮するからねぇ。最初にして最後かも知れぬ、解任決議案の全野党共同歩調も、このラインによるコーディネートだった線もあろう。ただ、今回の「鬼の首を取った」様な民主党の優位も、今回限りとなる可能性は高いだろう。

事がいざ選挙となると、そう簡単に事態は進まないだろう。幾ら国会会期中の海外渡航自粛申し合わせがあると言っても、それは原則論。沖縄・尖閣の件の様に、外交上急迫した必要ある時は、与野党の立場の差を越えての理解と協力は、欧米先進諸国にては当たり前の事共であり、野党各党もそれ位の理解把握をしていなければならない。尤も、我国にてはおかしな事に、この「国益」の意味を理解しなくても公認政党になれるとの変な慣行がまかり通り、これも糾されなければならない所だが。

もう一つ、これが去年までの民主党政権だったらどうだろう。直近の、野田内閣の対応にしても似た様なものだろうし、野党側の自民・公明両党もある程度は問題にしようが、解任決議案まで提出するかどうかと言う所だろう。それ以前に、民主党閣僚に、中国大陸を向こうに回しての対話力、交渉力がそも存在したかどうかが疑わしいのだが。とに角、今回の環境委員長解任騒ぎは、近夏の参院選向けの政局絡みによる所が大きい。その事を含め、野党の不勉強もさる事ながら、参議院の機能そのものが衰えて低下している印象も拭えない。政局に翻弄されている様な議会に、監査機能や「良識の府」の使命を期待する事自体が最早無理と言うものだろう。事によると、我国に、欧米流の議会二院制は相応しくなく、大韓民国にて実行されている様な一院制の方が向いているのかも知れない。我々国民市民は、そうした所も念頭に置き、この様な低レベルのドタバタ・バカ騒ぎを繰り広げる参議院に対し、「全うに機能できぬなら、一院化するぞ!」と言う位の、厳しい視線と姿勢を持ち続けなければならないのではないか。

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