今はただ、無心に、虚心にこの言葉を捧げたいと思います。
巨視的である事。公正である事。そして何より、前を向いて先を見つめ続ける事・・・。
名古屋鉄道パノラマカーは、多くの愛好者、そして当地の鉄道ユーザーに、この様な強いメッセージを発してその鮮やかな赤の軌跡を残して走り去ったと私は今、感じている所であります。
今、我国のみならず、世界が経済の低迷に喘いでいます。その様な中、昨日見たTV番組にては、地球環境保護に向けた自然エネルギーの活用を(健全な)商業ベースに乗せ、相当な雇用の創出にも成功している例を紹介していました。これは欧州の例ですが、我国にても将来に向かっては大いに参考となる面もあり、今後注意して見守って参る必要があるかと思います。こうした活動には勿論、行政の適切な援護もあり、建設・重工業優先の我国の現状は糾されるべきであり、後を推す我国行政の姿勢も転換されるべきでしょう。
とに角、今までと同じ視点では落ち込んだ現状は上向かない。何か新しい視点が求められているのかも知れません。
先日定期運行を離れ、最早退任挨拶を残すのみとなったパノラマカーの最後のメッセージはこうしたものかも知れず、事実とすれば誠に重いものがあると強く思います。
安全保障の面にしても然り。中東にて相次ぐ海賊の跳梁による船舶被害への対応を図り、麻生内閣総理大臣は来年の早期に海上自衛隊の艦艇派遣を検討する意向であるとされます。
武力行使や海上での緊迫した事態の対応については慎重万全を期すべきであるのは勿論ですが、「派遣するだけで海賊の攻撃意図をくじく抑止力となり得る」との見解にも相応の説得力があると私は見ています。
中東産の化石燃料を大量に消費し、便利で快適な現代生活を享受する以上は、応分の危険負担に応じるのは当然の事であり、麻生政権の現実をしっかりと見極めた賢明な判断と対応を心より願いたく思います。
又、折々問題にされる朝鮮民主主義人民共和国による日本人拉致事件にしても、そうした強固な姿勢の積み重ねが、やがて問題の解決へと繋がって行く様な気が致します。
振り返ると、名古屋鉄道パノラマカーは沿線の風景のみならず、そうした現代社会の抱える諸問題の景観、あるいは歴史の風景をも我々に見せてくれた様な気がしている所です。
ある交通雑誌の記事「夢の前面展望は、斬新な発想と着実な技術開発により実現され、いつでも(追加料金なしの運賃のみで)気軽に乗って楽しむことができた。
パノラマカーは産業遺産であるだけでなく、登場時に製作された紹介映画の題名通り『僕らの特急』として心に刻まれているのだ。」
本当にその通りだと強く思います。
そしてその展望は、ただの良き眺めに留まらず、人々の心に大いなる広がりをもたらし、希望を届ける素晴らしい空間だった。だからこそ多くの、遂には海の向こうの愛好者をも掴むに至ったのだと感じている所であります。
今の社会の低迷は、高度な管理化が進んでしまった為に、人々が以前の様な夢や希望を抱き難くなってしまった所が一つにはあるのかも知れない。
パノラマカーの軌跡は、その事に対する一つのヒントとなり得るかも知れません。
同車亡き後、実子とされる特急車「パノラマ・スーパー」は暫く残る様ですが、その後の展望車両は少なくとも当分は現れないのではと言われています。ただ、将来的には希望が持てるとの見方もあり、ここは長い目で見守るべきかも知れません。
今年2008=平成20年の拙日記もそろそろ締めくくりとなりました。続く2009=同21年が、難しくも少しでも希望の持てる年となる事を祈念して、この稿を終わりたく思います。
今年一年の交流、誠に有難うございました。各位どうか、良いお年を・・・。
来年も又、宜しくお願い申し上げます。
参考資料(文献)
Rail Magazine(株式会社ネコ・パブリッシング刊)2008=平成20年7月号「名鉄パノラマカー最終案内」
鉄道ビクトリアル(株式会社電気車研究会刊)同年12月号「名鉄パノラマカー」
産経新聞 同年11/20&12/5号他。
(サイト)掲示板2ch、鉄道路線・車両板「名古屋鉄道129&130号車」「名鉄の注目編成を追え!」
名古屋鉄道(株)公式HP http://www.meitetsu.co.jp/ *(日本)*