2023=令和 5年の上半期も終わろうとしている。武力紛争危機を含む 内外の緊迫する情勢下で、何とも脳天気な報に接した。河野洋平・元内閣官房長官が団長の 日本国際貿易促進協会が対中代表団を送るというのだ。
正直「何を考えているのか?」の疑念を余儀なくされるもの。この訪問団には 玉城デ二―・沖縄県知事も合流参加、県レベルの対中外交行動に臨むというが、本来は国レベルですべき外交行動を 中共政府はどう向き合い、利用するのか注視したい気もする所。
それを踏まえても 我々日本人から見て多くの問題が山積する今の状況で 果たして訪問の意味があるのか、甚だ疑問である。以下 一昨日の日本経済新聞社説
を引用して、みて参ろうと思う。
「中国(大陸)の反スパイ法に毅然とした対応を」
これでは安心して中国(大陸) に行けない。同国は 7月にスパイ行為の摘発を強化する改正「反スパイ法」を施行する。日本人を含む外国人の拘束が増えるのではないか、そんな不安が高まっている。
アステラス製薬(我国の薬品メーカー) の中国(大陸)法人に勤める日本人男性が、スパイ行為の疑いで同国当局に拘束されて 3ヵ月がたつ。日本政府は すぐに解放するよう求めてきたが、解決への道筋はみえていない。
中国(大陸)側は「関係部署が 確たる証拠を得ている」と繰り返すばかりだ。(前述)男性が どんなスパイ行為をしたのかを明らかにせずに拘束を続けるのは、納得できない。
一部の日本企業は 社員の安全を保てないとして、対中出張を制限している。同国にかかわる研究者の多くも訪中を見合わせる。さまざまな分野で 日中間の往来に影響が出ている事態を、習 近平(しー・じんぴん)政権は深刻に受け止めるべきだ。
反スパイ法が施行された 2014=平成 26年以降、中国(大陸)でスパイの疑いで拘束された日本人は 少なくとも 17人に上る。米国人などと比べ、日本人の拘束は格段に多いとの指摘もある。
今回の改正で、知らぬ間にスパイの疑いをかけられるリスクは一層高まったと言わざるを得ない。「スパイ行為」の定義が広がり「国家の安全と利益」にかかわる情報のやり取りがすべて摘発の対象になるからだ。
何が「国家の安全と利益」にあたるかは明示していない。「その他のスパイ活動」という曖昧な規定も残る。当局の恣意的な判断でスパイに仕立て上げられる恐れが強まり、中国(大陸)で仕事をする日本人は 緊張を強いられている。
岸田文雄首相は 最近の講演で「訪中についても考えていく」と表明した。実現すれば 習 近平国家主席に直接、アステラスの社員ら拘束されている日本人の解放を求める機会になる。自国民の安全にかかわる問題だ。首相のリーダーシップに期待したい。
中国(大陸)は 新型コロナ・ウィルスがしたあとも、経済が振るわない。景気テコ入れのために、外資の力は必要なはずだ。中国(大陸)の李強首相は 世界経済フォーラムが主催するん異議で「高水準の対外開放を推進する」と約束した。
不透明な反スパイ法の手続きはそれに反する。日本政府と経済界は 毅然とふるまい、中国(大陸)に日本人の安全を守るよう圧力をかけ続けるべきだ。(引用ここまで)
昭和後期に多発した 北鮮の日本人拉致事件と形こそ違え、中国大陸・中共当局による日本人複数への 不当が疑われる拘束事案は解消していない。その様な状況下で、河野元官房長官は 自身が会長の日本国際貿易促進協会の訪中団を率いて中国大陸入りを図っている。これはもう「無神経」レベルを超えた 真正の媚中レベルだろう。
流石は平成初期の宮澤内閣期に、悪名高い 所謂慰安婦問題に関する「河野談話」の発出者といえるのではないか。このままでは 又同じ事が繰り返され、結局は中国大陸側からバカにされるのがオチではないだろうか。
玉城沖縄県知事もその後に続こうとしている。もし 中共側から尖閣諸島の領有悔過を主張されたらとの問いに「明言を避けるのも対応の一つだ」などとの答弁だった様だが、中国大陸側から「沈黙は同意」などとみられかねない事だろう。つまり「間違った発信」をしかねない懸念があるという事だ。又 沖縄県下にあっては、一度鎮静化した新型コロナ感染症が再度流行しているとの報も聞いている。こんな状況での訪中は本当に適当か?再考を願いたいものだ。
河野元官房長官のグループは 表向きは国際貿易の促進を目指すも、実体は対中貿易が主だろう。心あるなら前述の引用記事にある様な 我国の独立をも脅かしかねない事象の発生をよく自覚し、取り止めを含めた慎重な対応に努めるべき。今回画像も振り返り恐縮。先年の 当地愛知と東隣の静岡両県境近くの浜名湖畔を西日本へと下る、東海道・山陽新幹線列車の様子を。以下に 関連記事をリンク致します。「私的憂国の諸様」