年初来の中国大陸発、新型コロナ・ウィルス肺炎の脅威に翻弄された 2020=令和 2年 5月も 後一日となった。関連の政府緊急事態宣言が一応の解除をみて間もない昨日辺りから、福岡県下は北九州市内をメインに再び感染者増の兆候が出てきた。東京都下でも集団感染クラスター発生の可能性が伝えられ、まだ決して油断ならない状況が続く。世界的には犠牲者数が低く抑えられ、世界保健機関 WHOからも「上手くやったじゃないか」と評される我国だが、拙感想は「ホントかね?」の 決して真に受ける訳には参らない想いが一方にあるのも事実である。
アジア圏に限って申せば、犠牲者の全感染者中に占める割合、死亡率は高い部類であるのも油断ならないのではないかとの一理由である。安倍総理大臣は先日の記者会見席上で「日本モデル」なる言葉を用いたが、拙者などは果たして適切か?と首を傾げたものだ。確かに大阪府などは 緊急事態宣言解除後のルート・マップの様な目安を明示するも、国レベルでのそれは不明朗ではないのか。その詳細を巡り、西村経済再生相と吉村大阪府知事の間で見解の齟齬(そご)があったのは記憶に新しい。
そんな状態で明快な「日本モデル」が存在したかといえば否と言わざるを得ないのではないか。ここはまぁこの辺りを指摘するに留めて、次へ参ろうと思う。吉村府知事は医療危機などについて 当地の大村愛知県知事から揶揄された様だが、同様発出先の小池東京都知事と共に どうか余り気にされない様願いたい。拙者も些か呆れている所だが、大村県知事の曖昧な批判的表明は、到底具体的証拠エヴィデンスに欠けるものだろうから。緊迫する医療の現場をご存知の高須克弥・高須クリニック院長らが大村県知事のリコールへ向け運動を進められる意向の様だが、拙者にも一定は理解できる所だ。
本題です。自称前述感染症の抑え込みに成功したとする中国大陸(勿論、かなりの所で疑問符もつくのだが)が、我国の沖縄・尖閣近海での不穏な公船航行などと共に、これまで一国二制度を容認してきた香港への締め付けを ここへ来て強化している事への国際的非難が日増しに強まっている。先の全国人民代表大会では、香港にての反中共政府的言論取締りなどを目的とする「国家安全法制」導入が決まり、香港民主勢力の大きな反発を招き、併せて欧米メインの国際世論からも厳しい批判を浴びるに至った。我国でも少し遅れはしたが、与野党から反発と不興の声が上がり、自由民主党部会が昨 5/29、中国大陸非難決議を菅(すが)内閣官房長官宛提出した。安倍政権が依然予定する習 近平(しー・じんぴん)同国主席の国賓来日にも再検討を求めた由。
1997=平成 9年までほぼ一世紀に亘る英国の租借終了→対中国大陸返還に当たっての前提だった、半世紀に亘る高度な自治などを保障した「一国二制度」のあり様が 中共政府の一存で容易(たやす)く変更された事への「自由と民主主義尊重の観点から、看過できない重大かつ深刻な憂慮」を表したもの。安倍総理からも同様の表明があった模様。自民部会では習主席の国賓来日についての反対意見も複数表され、非難決議には「再考を含め、慎重に検討」する様政府に求めることも付帯された。
英国を初め 30カ国超の国会議員らが、中国大陸・国家安全法制への深刻な懸念を表明する共同署名には、我国だけで与野党計 100名超の署名が行われている由。菅官房長官は先日の記者会見で「関連の状況全体を見ながら、日中間で意思疎通を続けたい」と述べるに留まった。外務省筋の見解も「日本企業への影響を最小限に抑える為にも、日中間の意思疎通が必要」とするもの。
それにしても、安倍政権が未だに中国大陸、習国家主席の来日に拘泥しているのは、随分と弱腰なのではないか。或いは与野党、そして財界にも跨って広く存在するとされる媚中国大陸勢力の脅しや圧力に屈したのかも知れないが。前述の深刻な対香港問題の他にも、西部辺境域などでのウィグル、チベット両少数民族への不当な弾圧や、我国も直に影響ある沖縄・尖閣海域の不穏な領海侵犯などの事案、そして何よりも同国発の疑いなき新型コロナ肺炎の世界的伝播に関する何らかの引責など、中国大陸が世界へ向け 誠実な説明と対応を迫られる諸問題は多いのだ。
確かに我国の主要企業で中国大陸に進出する社が多い事は分かるが、我国民市民多数を命と健康の脅威に晒し かつ国内経済を戦後最悪級の危地に追い込んだ責任は、決して安倍政権だけに問うべきではないだろう。我国として 国際社会でどの様な位置にあるか、又 どうあるのが最善なのかを改めて自覚し、手を携える相手を間違わぬ様処して行く信念ある姿勢こそが必要なのではないか。習国家主席の来日が 安倍政権の実績作りに利用されようとしている所は否めないし、そういう理解も一定は必要だろうが、現実レベルとして 今のままでの習主席国賓来日は断じて認められない。少なくとも中共政府の世界的感染症流行への何らかの引責が明確にされるまでは、なき事とするのが正道だろう。今回画像は、先日 当地東郊の愛知・静岡県境近くの JR東海道線を東上する東京メトロ・地下鉄用新車の輸送風景を。先導のディーゼル機は、浜松市内で電機に交代して首都圏を目指します。