Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

安保と鉄道 その⑮

2022-08-30 23:29:25 | 国際・政治

2022=令和 4年 8月も後僅な所へ、我国経済屈指の巨人の訃報を聞いた。稲盛和夫・京セラ名誉会長の逝去。まずは一言の弔意を申す次第。対中経済への関与など 賛否はあろうが、一面で 今の我国経済が最も必要としている強く健やかな姿勢の持主であったのも事実だろう。願わくば望ましい形での、稲盛会長の精神的後継者の出現を望みたい気もする所だ。

今夏の拙特集日記は 鉄道開通 150周年に因む意味もあり、大きな一課題である 国の安全保障と鉄道の関わりにつき触れてきた。最近特に目立つ地方鉄道路線 所謂「ローカル鉄道」の今後と、各地の住民にとり より望ましい交通手段のあり方などについての提言を国主導で促している所あるのも事実。その議論自体は必要だろうし、尊重もする者だ。

しかしながら 前回も触れた様に、有事や災害時に備え 不採算といえど存続が必要もしくは望ましい鉄道路線もあるのは明らかだ。北海道、本州、四国、九州の各地にそれぞれある事だろうが、拙者が特に重視すべきと心得るのが JR函館本線南部の 函館北郊・新函館北斗と渡島半島北部の交通要衝・長万部(おしゃまんべ)の間約 100kmについてである事は一度述べた。

西暦 2030年台の初頭、令和 10年代前半位に 北海道新幹線が札幌進出を果たすと、在来の函館本線は JRによる運営を離れ、自治体などが関与の別組織・第三セクター移行かバス路線転換による鉄道廃止などを迫られる。前述の長万部から小樽西郊の余市間 約 120kmについては残念ながら路線廃止のやむなきとなりそうだが、その南・長万部から函館を結ぶ路線は 旅客需要は希薄になるといえど、本州向けの多くの貨物輸送の実態から 存続の努力が強く求められるとされる。

この区間の存続には、沿線自治体がメインの第三セクター運営だけでは採算に乗せるのは無理で、線路や地上施設を自治体が保有し、車両と運転は引き続き JR北海道に願う「上下分離方式」が考えられて良いと拙者などは思うのだが、それでも不採算をカヴァーするには至らないらしい。貨物運行を担う JR貨物の更なる関与も考えられてい良い様なものだが、これにも限界がある様だ。

そこで考えたのが、我国の防衛安保上重要な鉄道路線という位置づけだ。既に複数の識者の方々も指摘される所だが、今は一貨物便ユーザーに留まる 防衛省と自衛隊の対鉄道関与を今より少しでも深化させ、保線や運転管理などの分野にも一定関われる様 道を開くべきではないかという事だ。

既に空自にては、自衛隊基地と共有の地方空港管制を自衛隊側で行うケースもあると聞く。こういう考え方を鉄道の分野にも広げ、空自のケースと同じ考え方で 陸自による必要な範囲の鉄道運営を行える様、法制度面を含めて見直しを願いたいとの希望を込めて 今月の記事を綴って参った次第。現実的には 前述の「上下分離方式」に 安全面を大きく考慮の上、陸自が地上と列車の両面で 必要な関与を行って輸送路線の存続を図れれば、などと愚考している所である。

こうした議論は、例えば北海道内の他路線、札幌と道東を結ぶ JR石勝線~根室本線や同石北本線、道北へ向かう JR宗谷本線についても行われている様だ。ある程度の輸送密度ある石勝線~根室本線・釧路まではとも角として、他の路線は概ね過疎化の進む地域を通るも、今 東欧ウクライナ危機を引き起こしている大国ロシアの南下脅威に晒される所で、不採算を理解するにしても存続を図る考慮はされて良い様に思う。

前述危機も 早半年を経た訳だが、露軍苦戦の背景には、宇側に向けた欧米からの軍事・経済両面の支援に加え、インター・ネットを含む通信面の援護と 宇国内に周到に張り巡らされた鉄道網の力量に負う所も大きいとされる。ここは我国も学ぶ所があるのではと心得る者だ。

函館本線南部と根室本線釧路までを除いた北海道各線は、湿地帯などを通る事もあって線路が弱く、同道の主力機関車たる DF200大型ディーゼル機の運行が困難とされる。旧国鉄の蒸機時代もそうだったが、もう一回り小型で線路負担も少ない機材(主に当地愛知に展開する DD200型ディーゼル機)を 寒冷地装備を追加の上導入の必要もあるかも知れない。勿論その前に 函館本線南部以外に防衛省と自衛隊が関与すべきかの議論も必要は当然だが、仮に実施となれば考慮されるべき点だろう。

南方も基本は似た考えで願うべきだろう。先日記事で、自衛隊鉄道貨物の現状南限は JR鹿児島本線沿いの佐賀・鳥栖となっているが、貨物便そのものは鹿児島市まで乗り入れている。当然有事には 自衛隊装備輸送が行われて然るべきであり、JR初め第三セクターを含む鉄道関係各位も考慮を願いたい所だ。こちらは無理レベルの海洋政策を強行せんとする 中国大陸の動きを念頭に置いたものである。他にも本州、四国などで同様の事情にある鉄道路線はあろうが、恐れながら今回は割愛致す次第。

輸送密度の高い 東海道・山陽新幹線とその影響下にある九州新幹線の貨物輸送は無理としても、東北・北海道新幹線については可能性があろう。これも先日記した様に、栃木県内の沿線に 新幹線貨物拠点を設置すれば貨物便運行に道が開けよう。その折、車両設計共々 自衛隊装備輸送を織り込んだ新幹線貨物列車のあり様が周到に議論され、実現に繋がると良いと思う。戦車・装甲車を含む自衛隊装備は、在来線貨物便に載せる時は 一部部品の脱着を要する事があるそうで、新幹線貨物便での輸送が実現すれば その手間を省く事も一定は可能性があるのではないか。

後になったが、元五輪陸上代表のスポーツ評論家・為末 大さんが先日某新聞紙上で語られた、折しも流行の中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症対策についてのご見解を載せたい。安保面についても、我々日本人はこの様な課題を抱えているのかも知れない。こうした見方とも謙虚に向き合って、この難しい課題を少しでも乗り越えられればとと思う所だ。

「日本の得意技は はっきりとしていない基準でも空気を読みながら 皆が規律を持って対処することだと思います。しっかりと中央に情報を集約し 考え指示を出す時間がないような災害時にとても機能します。一方で、情報をしっかり集め 意思決定をする際には混乱します。なぜならば意思決定は やらないことを決めることでもあり、全体への配慮が強すぎれば意思決定はできないからです。日本人の意思決定は 空気が醸成されるまで配慮と検討を続け、世論に押されるように決めることが多い(つまり実際は意思決定ではない) わけですが、それはコロナ(感染症) 対策の後半戦には とても不利なやり方なのだろうと思います」(引用ここまで)

以上の 為末さんご見解は、我国安保の事共にも相当に当てはまるのではないかと思う。有事には、早い判断と行動が求められる。やはり官民の垣根を越えたレベルで平時から色々と考え、準備しておくべきと改めて思う。「備えあれば憂いなし」という事だ。今回画像も、前回に続き 当地北郊・清州市内にての大型機 DF200の様子を。南郊の JR関西本線から稲沢へと向かう所です。

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安保と鉄道 その⑭

2022-08-28 22:56:12 | 国際・政治

又も本題からそれるかもだが、米N,Y にて開かれていた 核兵器拡散防止条約NPT の再検討会議。結局、当初は対露非難の文面が盛り込まれるはずが 同国の「返り討ち的反対」に遭って不採択➡決裂に終わった様だ。

既報の様に、露軍はウクライナ危機に際し、同国南東部の大型原発・ザポリ―ジャ発電所を占拠して軍事拠点化し、敷地近くに複数回砲撃を行って 悪くすると放射性物質の漏洩を起こしている可能性があるという。事実なら、憂慮と警戒を要する所。

ここは国連機関が強く主導して 露の核不使用を担保されるべきだったのだが、安保理常任理事国の立場を悪用したともいえるこの出方に、国際社会は非難の声を上げるべきではないのか。或いは国・地域によっては 食糧やエネルギー供給の元を掴まれていて実行し難い所もあるのは分っているが。以下暫く 昨日の産経新聞ネット記事を引用して、みて参る事に。

「首相、異例の態勢も実らず 揺らぐ核なき世界、NPT決裂」

米N,Y で開かれた 核拡散防止条約NPT 再検討会議は 8/26、ロシアの反対で最終文書が採択されず、決裂に終わった。岸田文雄首相は 自身が掲げる「核兵器なき世界」の実現に向けた機運を高めるため、日本の首相として初めて会議に出席し、高官を派遣して交渉に当たらせるなど異例の態勢で臨んだが、再び厳しい現実に直面している。

「ロシア 1カ国の反対により、コンセンサス(全会一致) が成立しなかったことは 極めて遺憾だ」

首相は 8/27、公邸からオンラインで記者団の取材に応じ、悔しさをにじませた。同時に「責めはロシアが負うべきで NPT体制の問題ではない」と指摘。最終文書にロシア以外は反対しなかったとして「NPT の維持、強化が国際社会全体の利益であるとの認識を 多くの国が共有している証左だ」とも語った。

首相は 8/1に 米N,Y の国連本部で開かれた再検討会議で演説し、核兵器の不使用や核戦力の透明性向上を訴えた。不透明な核管理体制が批判される中国(大陸) を念頭に、兵器用核分裂性物質(FM) の生産状況に関する情報開示なども求めていた。

首相が自身の出席にこだわったのは、ウクライナに侵攻したロシアが 核使用をちらつかせるなど「核軍縮、不拡散をめぐる環境はより厳しくなっている」からだ。外相として出席した 2015=平成 27年の前回会議で最終文書が採択されなかった苦い経験もあった。このため、会議中盤から外務省の 山田重夫・外務審議官ら幹部を現地に派遣し、交渉に当たらせた。終盤には 武井俊輔・外務副大臣も現地入りした。

9月の国連総会では 包括的核実験禁止条約CTBT フレンズ会合が外相級から首脳級に格上げして開催される。政府は 11月には広島市で国際賢人会議を開催し、来年には先進 7 カ国首脳会議(G7 サミット) も控える。首相は記者団に「『核兵器のない世界』の実現に向けた国際社会の機運を高め、現実的な取り組みを粘り強く進めていきたい」と改めて強調した。(引用ここまで)

最終文書不採択➡決裂の前述結果は、岸田総理と同時期に現地入りの 被爆者団体各勢力の失望と不興も買った様だ。個々の所への言及は控えるが、今回は安保理常任理事国のロシアによる核使用を示唆する様な出方が穏やかではない。と同時に こうした深刻な事態になっても国連の主導力が疑問視されかねない状況を招いてしまったとも取れるのではないか。

とまれ、露のこれ以上の暴走を看過する訳には参らない。我国を含む欧米側は、露の「核の暴走」を許さない為にも、この結果と真摯に向き合い 改めての強い対応策を早く案出し実行すべきと愚考する。

前置きが長くなったが、今回の本題は短めに触れる事としたい。それは、今月初めから折に触れてきた、北海道新幹線札幌延伸に伴う 高速貨物輸送の可能性についてである。数年前 既に函館北郊の 新函館北斗まで通じ 曲りなりらも北海道進出を果たした新幹線だが、実は本州との連絡隘路「青函海底トンネル」で主に貨物便用の在来線と線路を共有しているのは知られる所。トンネル内の速度は 速くても 160km/H に規制され、北海道新幹線高速化のアキレス腱の一つだとか。

拙者としては 青函トンネル内の速度規制よりも、むしろ昭和期以来不変の 岩手・盛岡以北の整備新幹線区間が最高 260km/H の見直しの方が有意義だと心得る者だが。前述規制は 1973=昭和 48年初制定以来、見直される事なく全整備新幹線路線に適用されるものだが、盛岡~新青森間は線路条件も概ね良い様で、高架橋などの線路構築物側の問題がなければ、精査の上最高速を 285km/H位までは向上させても良いのではないか。

上下線がそれぞれの線路を行く複線とはいえ 多くの列車が走れる上限たる線路要領の問題もある事は分るが、東海道・山陽新幹線に比べればかなりの余裕がある事は明らかだ。詳しくは末尾リンクの関連記事に譲るが、一定の高速運転を条件に 新幹線貨物列車の運転を認めても良いのではないか。

車両の事少し。基本的には国内コンテナが主な積荷となろうが、かねて要望の強い 海上コンテナも積載可能とし、かつ 自衛隊装備品にも対応する仕様に初めから設計すべきと愚考する。平時は民生コンテナ輸送を主とし、有事には自衛隊装備輸送にも道を開くものだ。

と同時に、本州~北海道間の 幅の狭い在来線路も青函トンネルを介して残すべき。これは、新幹線or在来線のどちらかの輸送路が支障で使えなくなっても、他の一方が生き残れる様にする配慮という事だ。既に新幹線貨物駅も色々と構想されている様だが、首都圏方のそれは できればより近い栃木・小山、難しくとも宇都宮辺りが理想だろう。首都圏から 100km 以内なら、大型トラック又はトレーラーによる高速道陸送が十分可能だからだ。

新幹線貨物便も、積荷の全部又は一部が自衛隊装備輸送の時は それはある程度の速度規制もやむなしだろう。そうしたとしても、在来線便よりは速達も可能だろう。列車の形態としては、古くからの電気機関車による牽引先導もそれはありだが もう一つ。貨物編成の両端数量に分散して動力を備える高速電車方式も考えられて良い。

これは JR東海道本線を夜間走行する、首都圏と関西圏を結ぶ 某陸運系貸切便「スーパー・レールカーゴ SRC」で運転実績があり、新幹線貨物便具体化の折は 是非検討されればと思う。今回画像も振り返り恐縮だが、先年 熱田神宮近くの東海道本線を、時刻変更で日中関西圏へ向かう高速便・SRCの様子を。以下に 関連記事をリンク致します。(マイナビニュース 8/9付) 「貨物新幹線」は必要だが、その前に現在の鉄道貨物を改善すべき | マイナビニュース (mynavi.jp)

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安保と鉄道 その⑬

2022-08-26 13:14:02 | 国際・政治

先の参院選地方遊説中、銃撃に遭い急逝の 安倍元総理の四十九日となった。主なき自宅にては近親各位メインの法要が営まれ、静かに故人を偲ばれた様だ。一国民として、又 人間「安倍ちゃん」の一支持者として、改めての弔意を表す者だ。

関連して、些か「遅いのでは」の趣もある警察庁と奈良県警両トップの 事実上の引責辞職も表されたが、それと事件の捜査は無関係。まだ途上とも思われる、容疑者供述の更なる引き出しと まだ一発が不見ともいわれる銃弾確保など、引き続いての徹底捜査を願いたい。

拙個人的には是とするの国葬の賛否も 未だに騒然と取り上げられ、一体 元総理経験者が悪しき形で失われた事への静かな、謙虚な向き合い姿勢があるのかと訝しくもなるものだ。特に左派左傾側のそれが、誠に酷い。以下 保守言論の重鎮・櫻井よしこさんの SNSご見解を紹介するが、拙者もこの見方に賛同する者だ。

「凶弾に斃れた 安倍晋三元総理と (旧)統一教会について、わが国における大方のメディアの報道には 受け入れ難い焦点ずらしがある。TV局も新聞社もおしなべて 安倍氏と (旧)統一教会の関係が疾(やま)しいものであるかのように報じている」

前述中、櫻井さんが「疾しい」と表されたのは「過分に疾しい」という事ではないだろうか。つまり左派野党とそのシンパたる左傾メディアが、ネットを含めた挨拶メッセージ程度の関与でも「過ぎた疾しいレベル」として、貶めの為利用する目的で悪しざまに取り上げているという事だろう。こうした騒ぎは国葬直前まで続くだろうが、何しろ相手は 先日の広島・長崎両原爆忌会場辺りでも、静かな追悼の場を弁える事なく騒いでいた連中だ。聞く耳を持たないかもだが、国葬当日位は「静かにしていろよ」と一言申しておきたい。

本題です。その安倍元総理の遺志にも沿うだろう「安保」つまり我国の安全保障と鉄道の浅からぬ関わりに触れて参った今月だが、いよいよ一番強く申したい所に立ち入って参ろうと思う。その場所とは、北海道南部の JR函館本線・函館市北郊の新函館北斗と、渡島半島中程の交通要衝・長万部(おしゃまんべ) の間、100km弱の路線の今後のあり方を巡る事共だ。まず 基本的な考え方として、以下 日本戦略研究フォーラムのネット記事に載った、寺井 融(てらい・とおる)・政策提言委員のご見解を引用して みて参りたい。

「JR北海道の感幹線は、国防や大災害の備えであることも考慮せよ」

JR北海道が運営する鉄道の約半分にあたる、13区間約 1237kmの経営維持が困難になってきていて、今後の存廃は議論の上で決定されて行くと発表された。

もともと国鉄の分割民営化の際、本州 3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)に比べ、島嶼 3社(JR北海道、JR四国、JR九州)の経営環境は、厳しいものになると見られてきた。うち JR九州は、新幹線の開業や豪華観光列車の展開も成功させて、株式を上場させるまでに好転させてきた。しかし JR北海道、JR四国の 2社は、依然として厳しい経営状況が続く。

特に JR北海道。以下、5 点の問題がある。

➀北海道は カバーする面積が広く、人口は約 538万人、人口密度が 65人/㎢ (全国平均 339人/㎢=2015=平成 27年調べ) と少ない。

➁道内の道路は整備されていて、しかも札幌と拠点都市を結ぶ空路(例、新千歳・稚内間や新千歳・釧路間など) も充実している。

➂札幌市の市営地下鉄がゴム車輪であり、JRとの相互乗り入れが実現していない。と言った要因のほか

④JR北海道の労組が、革マル派の影響が強いと言われている 旧動労系の JR総連が大半を占めていて、労組関係が厳しい。

⑤道産子の アバウトで大陸的な性格もあって、安全認識が緩い傾向にある。ずさんな管理体制とも相俟って事故を起こしてきた。

と言った 諸事情が大きいものと思われる。’’道産子気質’ は、なかなか変えられるものではない。問題は、労使関係である。JR 全体の労働組合勢力図で言えば、旧鉄労(旧同盟・民社党) 系や旧鉄産労(旧国労穏健派・社会党) 系らが母体の JR連合と、旧動労系の JR総連が勢力を拮抗させており、「箱根から西が JR連合、東が JR総連」が強い(北海道に関していえば、総連 7000人対連合 600人)と言われている。そんな状況の改善が、ますせ必要であろう。

それらと共に、北海道の鉄路をどうするのかを検討する場合、経済合理性の追求もさることながら、国防や大災害に(向けた)備えでもあることを忘れてはならない。これが 第一である。名寄から釧路、釧路から根室、旭川から網走といった基幹路線も 廃止候補に入っている。もし 隣国ロシアとの間で戦端が開かれでもしたら、どうなるのか。相手は かつて東北海道の僚友を企図し、最近ではクリミア半島の強奪を果たした国なのである。

また 東日本大震災のとき、津波で仙台国際空港が一時 使用不能となった。本来 東北自動車道の一部が滑走路仕様になっていれば、問題が起きなかったはずである。東京ほか大都市には、深く掘られた地下鉄が走っている。これら路線についても、核シェルター機能を付与しておくべきである。国土や交通網の整備は、常に国防や大災害への備えの観点が必要なのだ。たとえ支線や枝線がバス路線への転換を進めるとして、(鉄道)幹線の存廃は、別の視点が肝要なのである。(引用ここまで)

寺井さんの前述見解は、北海道ご出身の識者らしく 大変地元事情を汲んだ合理的な向き合いと理解するが、各地の時期には緩急があろう。やはり一番優先されるべきは、北海道新幹線の札幌延伸が 2030=令和 12年頃に固まってきた並行在来線となる、JR函館本線の函館方であろう。

詳しくは 末尾リンクの関連記事に譲る所もあるが、別情報などから 前述新幹線延伸後の扱いは「自治体も関与の第三セクター組織による鉄道存続」「新幹線停車の新函館北斗~長万部間の廃止→バス路線転換」に大別される様だ。取るべき合理的な策は 安保面からも要鉄道存続が明白で、バス路線転換は絶対に避けるべき。

この線区は本州~北海道間の長距離貨物便も数多く、鉄道存続の有力な根拠にもなり得よう。JR北海道から分離された後の 沿線自治体の経費負担が一番の問題だろうが、ひとまずはこの線区に限り 資金面や運営面を含め 自衛隊の関与をより深化させ得る様願いたいという事だ。北海道内の自衛隊各所が必要とする装備輸送にも、現函館本線・函館方線区の果たす役割は大きいだろう。資金面にしても、防衛予算の一部が充てられる事となれば、少しは運営の安定化に資する事だろう。

法制面にしても 憲法の見直しまでは必要なく、自衛隊関連法規のそれで対応可能ではないか。距離にして 100km足らず。沿線各自治体が困っており、かつ安保上も重要な鉄道線なら 自衛隊のより深い関与も厭わない姿勢が大事と心得るがどうか。今回画像は、北海道地区貨物便の主戦、大型ディーゼル機関車 DF200の、当地名古屋辺りでも見られる様になった雄姿を。以下に 関連記事をリンク致します。(Merkmal 6/11付) 函館線「長万部~函館」存廃問題 もはやJR貨物の手に負えず、国も自治体も膨大赤字にダンマリの現実(Merkmal) - Yahoo!ニュース

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安保と鉄道 その⑫

2022-08-24 23:45:41 | 国際・政治

今回も余談からで恐縮だが、左派系女性集団「選挙ギャルズ」が一部で話題になっているやに聞く。自称若手女性活動家の集まりの様で、ここまででお分かりの様に 左派野党系の政見。だから銃撃で急逝の 安倍元総理の国葬にも改憲にも反対で、それに絡む街頭活動の挙にも出ている様だが、本当にこうした勢力の正統的後継かどうかは疑問視もされている様だ。以下は NEW'S VISIONネット記事から。

「社民党、福島みずほが推す”選挙ギャルズ”に各方面から疑問の声『ギャルはどこに?』『女性の商品化』」

社民党党首で参議院議員の福島みずほ氏が 8/21、自身のツィッターを更新。「昨日は選挙ギャルズのパレードに参加。最後まで楽しく歩きました。ポップで楽しい選挙ギャル。『みずほっち』と呼ばれ、楽しくやっています」と 憲法改正に反対、安倍晋三・元首相の国葬に反対する女性集団『選挙ギャルズ』が街頭デモを行う様子を伝えた。

選挙ギャルズの存在を 8/20に伝えた東京新聞によれば、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら 平均年齢 21歳の 10人が 5月末に結成。この日 SNSで参加を呼びかけた約 110人が『ラブ&ピース・パレード』と称し、東京都心部で軽快な音楽に合わせて『うちらは求めてない国葬』『返せようちらの民主主義』と声を上げ「国葬反対」「憲法改悪マジ反対」など 自作のプラカードを掲げて歩いたという。

「ポップで楽しい選挙ギャル」と街頭パレードを楽しんだという福島さんの投稿に対し、ネット上からは「ギャルはどこに?」「選挙ギャルが若者にウケると思ってやっているとしたら 本当に痛い」「ヤングでナウいと思ってるのでしょう w」「ギャルが見当たらない」「ギャルへの偏見とかルッキズとかを煮しめたような時代遅れを感じて 頭痛がした」など、さまざまな意見が寄せられていた。

福島さんの投稿に「このパレード、ギャルはどこにいるんですか?福島さん。」と反応した 編集者でジャーナリストの有本 香氏はさらに続けて「私が『選挙ギャル』を揶揄する本心は、その集団の中に『ギャル』が見当たらず、おじさんおばさんばっかりだからではなく、『ギャル』という属性を看板に政治活動することの非リベラル性が 虫酸が走るほどイヤだから。ふだん『女性を商品化するな』と言ってる 和式リベラルの二重基準はまことに耐え難い」と批判的だった。かつての学生グループ「SEALDs」を思い出させる選挙ギャルズだが、はたして彼女たちの問題提起は 同世代(?) の若者たちに広がっていくのだろうか。(引用ここまで)

拙者などは 福島社民党首の名やツィッターなる SNSの名が出ただけで不興を覚える者だが、前述記事も余り熟読しない方が拙心身には良いのかも知れない。せめてもの救いは、女流保守言論人の有本さんが この連中の実態を適切に捉えて解説を下さった事だろう。以前跳梁の「SEALDs」と思考や政見が似通っている所は、やはり日共・社民など左派野党から派生した事の証左だろう。旧統一教会との至近な距離問題などで苦境の自民ら保守側だが、だからと言って 若い世代多数の思考が革命的に変われる訳ではないだろう。

今月の本題からはそれてしまった「脱線」の趣だが、それにしてもこの左派容共勢力に、我国安保に関しての まともな対話など期待する方が無理だろう。事ある毎に「平和外交を!初めに対話を!」などと大声で騒ぐのも有名な所だが、まぁ抑止力の伴わぬ外交に 力などない事を、いつまで経っても理解しない所は唖然とさせられる。考える基本として、外交と安保は一枚のカードの表裏を成すものである事を 一から学び直すべきだが難しいか。

という事で 今回は予告編レベルになってしまった風情だが、今月の帯テーマで拙者が強く申したいのが、北海道新幹線の札幌延伸に伴い経営変更が濃厚な JR函館本線についての事共。西暦 2030年代の早期に実現するだろう北海道新幹線の前述延伸に伴い、現函館本線の中央部、渡島半島北の山間を行く 長万部(おしゃまんべ)~小樽間の 沿線過疎化などに伴なう廃線が濃厚となった。

廃止後は、複数の企業による路線バス転換の可能性が大きそう。所謂「山線」と呼ばれるこの区間の廃止はやむなしとしても、それより南の函館方は 対本州向けの貨物便も多く、安易な廃止を許してはならないのではないか。次回以降 その事により詳しく触れて参りたく思う所。今回画像は、前述の函館線の山間区間で急行列車の先導などに携わった、今は京都鉄道博物館で保存展示の大型蒸機の様子を。時折火入れのボイラー・オンとされ、構内運転を見る機会位はありそうだとか。以下に 関連記事をリンク致します。(Wikipedia JR函館本線) 函館本線 - Wikipedia

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安保と鉄道 その⑪

2022-08-22 21:03:29 | 国際・政治

今日午前 当地名古屋都内の都市高速道にて生じた、市中心部と北郊の 愛知県営名古屋空港とを結ぶ連絡バスの火災事故は遺憾の極み。まず犠牲のお二方への弔意と、負傷各位へのお見舞いを申したい。

事故原因や背景については県警や事故調査委の捜査途上につき 多言は控えるが、事故直前のバス走行が安定していなかった模様との目撃談もあるとかで、バス自体や巻き添えになったとされる他車にも備えられているだろう記録システム ドライヴ・レコーダーの解析など詳しい解明が待たれる所。又 かく申す拙者も、長距離高速バスにはしばしば世話になる立場だけに 車体後方の非常ドアや消火器の位置確認、火災を伴なうケースでは微妙な所もあろうが シート・ベルトの原則必着など 乗客側からの安全策を改めて心がけようと思う。

本題です。そのバスへの転換が折々話題となる 不採算なローカル鉄道の話。今年は 1872=明治 5年秋の我国鉄道初開通以来 150周年という事もあって、鉄道に関するメディア記事も多いのかもだが。総人口減のあおりからの過疎化もあって 今後のあり方も問われているのは分る。詳しくは 末尾リンクの関連記事に譲る所も多いが、採算や輸送密度が低くても 存続を要するケースもあるのも事実の様だ。以下 その所を引用して、みて参りたい。

「(ローカル鉄道) 貨物輸送を担う線区は 存続議論の対象外に」

「鉄道事業者と地域の協議による地域モビリティの刷新に関する検討会」のとりまとめ案は JR(各社) が単独では維持が困難になるとする「輸送密度 2000人未満の線区」について、沿線自治体が中心となって法定協議会等を設け、将来に向けた地域モビリティのあり方を検討するという基本方針を示した。

また多くの自治体にまたがるなど広域的な調整が必要な「輸送密度が 1000人未満、かつピーク時の 1H当たり輸送人員 500人未満」の線区については、国が「特定線区再構築協議会 (仮称)」を設置し「廃止ありき、存続ありきという前提を置かず」に協議する仕組みを提案した。

ただ (輸送密度)1000人/日未満の線区が一律に検討の俎上(そじょう) にのぼるわけではない。利用者数では計れない社会的便益を持つ線区、具体的には「わが国全体の経済成長や地球環境問題への対応、災害対応や安全保障等の観点から重要な役割」として

◦ 拠点都市間を連絡する特急列車等が設定されており、相当程度の利用がある線区

◦ 全国一元的な貨物鉄道輸送サービスを構成する線区

◦ 災害時や有事において 貨物列車が走行する蓋然性(がいぜんせい) が高い線区

などに該当する線区は鉄道として維持する必要性があり、協議の対象から除外するとしている。例えば輸送密度 1000人/日未満の線区では JR羽越本線、同津軽線(青森ー中小国[なかおぐに]間)などがこれに該当する。(引用ここまで)

以上三項目共 それぞれの重要性は認め尊重する者だが、今回特に触れたいのは 後の二項目だ。「有事」という言葉は二文字に留まり 余り目立たない表現が遺憾な所だが、我国を取り巻く安保情勢が緊迫しつつある昨今は、我々の努力でもっと強調したいものだ。年毎に深甚の度を加える印象もある災害への備え、それに伴う輸送網寸断をカヴァーするバイパス経路の確保も必要は当然だが、それを有事に活かす事も考えられて良いはずだ。

この記事の筆者である都市交通研究家・枝久保達也さんも認めた、こうした提言を 是非安保面にも反映して頂きたいもの。記事中の JR羽越本線と津軽線は、対北海道貨物輸送網の根幹をなすもので 安保面の意味も深いはずだ。首都圏からの JR東北本線とその関連路線が使えない時の、有力なバイパス路にもなり得る。先頃の大雨に伴なう水害で 一時両路線が同時に麻痺する事態に見舞われたのは遺憾。今後再発させない為にも、事態の検証と総括を誠実に行い 改善へと進めて頂きたい。

これから今月下旬へと向かうに当たり、実は前述の様な重要貨物路線で、今以上に防衛省・自衛隊の関与を深めて頂きたい路線に触れて参ろうと思うが、続きは又次回以降にしたく思う。今回画像も 振り返りで恐縮。先年訪れた 新潟県柏崎市内の海岸にて。通る線路は、前述の JR羽越本線から新潟市内で接続し 西方の北陸、そして関西へと向かう信越本線。以下に 関連記事をリンク致します。(プレジデント・オンライン 8/22付) 毎日乗っているのは高校生ぐらい…「東北のローカル線44区間」が大赤字路線となった根本原因 運転本数は減りつづけ、いっそう不便になる悪循環 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

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