厳冬の風情もあった、2013=平成25年2月も、早下旬となった。気象情報によれば、今の厳寒もほぼ今月末までで、続く3月よりは、少しは春めく日々もありそうだと言う。梅の開花も全般に遅れていると言われている折、この予報を信じたい所だが、天の事共は、その時になって、言わば「開けてみなければ分らない」のも事実である。
さて、内外の情勢も大変な折、安倍内閣総理大臣は先日来 米合衆国へとご出張。昨日は現地の日中に、オバマ合衆国大統領と会談され、共同声明も発表された。注目される、環太平洋経済連携協定TPPへの我国の交渉参加取扱いが一つの焦点だったが、問題の多い貿易関税の撤廃については、農業関係などの例外、所謂「聖域」の存知を一応認めさせる結果となった様だ。ただ、基本方針は「向こう10年での撤廃を目指す」原則が生きている以上、余りの楽観ができないのも事実。我国の農業分野も、今後の国際競争力向上へ向けての、厳しい対応を徐々にだが迫られる様になるのかも知れない。
安倍自公政権の前任、民主党政権の無力(できれば、直近の野田政権は除外して差し上げたい思いもあるが)もあって、本当に経済・社会保障など内政、領土・安保など外交の両面で、難問が絶壁の様相を成している訳だが、その陰で、これも決して軽視できない問題がある。今年初以来、全く(鳴かず)飛ばず、駐留施設で寝続けている飛行機が何機もいた!ボーイングB787である。
ウィキペディアなどで調べもしたのだが、次世代の主力航空機に位置付けられる同機は、当初予定よりかなり遅れの2009=平成21年暮れに初飛行、我国の航空路線には、2011=同23年中途より登場したのは良く知られている。自動車レース、F-1世界選手権の競技車への多用で知られる炭素繊維によるカーボン・コンポジットの本格採用により機体を大きく軽量化、電気周りも新世代のリチウム・イオン電池の採用と電子制御化で、操縦、航行、信頼の各性能の大幅向上が図られたはず・・・だった。
しかし、就航前のテスト中より諸問題が多く、特に開発と製作が我国をも含む多国籍に亘った事もあって、その解消と緩和には苦労が多かった様だ。中でも今年初、米合衆国内にての我国国際線トラブル、我国内の四国・高松空港への緊急着陸事態は、いずれも電源たるバッテリーの大きな損壊が原因だったとされ、一つ間違えば大事故に繋がりかねない懸念もあった様だ。原因は調査中の為、これ以上の言及は控えるが、問題のバッテリーは我国産だったとは言え、リチウム・イオン式は、現状では発火事故リスクが高く、その様な状況での飛行機への採用が果たして妥当だったのか、疑問が残る所でもある。
その他にエンジン系統、油圧系統の信頼性にも疑問符が付いてしまい、目下世界に50機程いると言われるB787は、これまでほぼ1ヵ月半は飛行停止、地上での待機状態が続いている。ただでさえ芳しくない所へ、更に困るのが、全体のほぼ半分が我国に配置されている事だろう。最大勢力のZ社に17機、一時は経営危機に直面した老舗のN社に7機、実に24機が我国の保有機なのである。既に主力機と位置付けていたZ社では、多くの欠航が経営に悪影響を及ぼすレベルに達していると言われ、追随する形のN社でも、決して影響は少なくないだろう。現状では危険なリチウム・イオン電池の安全を担保する機器の技術は目下開発中で、来年途上には市販できそうな話を聞いたが、それまでの繋ぎ、暫定の安全策を講じる事はできないものだろうか。ボーイング社は、関連各社とも連携の上、現状のバッテリーに当面の安全策を施した上で飛行可能とする様対応する方針の様だが、早くても4月中途となる見込みの模様。来月下旬よりは、春の企業各社の人事異動などで航空需要が増すだけに、ボーイング787が、ブーイング787に成り下がった、などと揶揄する声も聞こえて来そうである。本当に、日本語読みも英語読みも、一字違いでこうなってしまうのだから(Boeing~Booing・・笑)、何とも皮肉であり、又少しく面白くもあるのだが、いやいや、やはり「笑えぬ喜劇」と心得るのが本当だろう。1日も早い、安全裏に空への復帰を願いたいものである。今月の拙ブログはここまで。ラタ、マイ月。
P.S 今回画像は、東日本の知友の方よりご提供頂いた資料を載せております。