うな重やうな丼にはオーラがある。
食べるたびに思う。
出雲ひがしやのうな重
フタを取ったとたん、こいつは只モノじゃないと思う。
香ばしい匂いが只モノじゃない。
その匂いの主として泰然と佇む褐色の王者。
その濃淡、そこに連なる焦げ目の点々。
王者の貫禄、勝者の威容。
隙間許すまじの精神で挑んでいる。
こうでなくっちゃ。
尻尾のところを少し折りたたんで無理やり押し込みました、という感じがあるとなおウレシイ。
最初の箸をどこに差し込むか。
人によっていろいろだと思うが、重箱の左側の下の部分からスタートする。
そのあとどっちの方向に進んでいくのか。
上方に直進か、横に向かうのか。
これまた人によっていろいろだが、次はいきなりど真ん中を攻める、という人はいない。
韓国の人は何でも搔きまわしてぐちゃぐちゃにして食べ始めるので、日本でもそういう食べ方をする人がいても不思議ではないのだが、そういうことをする人をこれまで見かけたことがない。
案外美味しいのかもしれないが、いざ現物を目の前にするとたじろぐ。
土用の丑の日が近くなると、やっぱりウナギが主役だと思う。
そして今年も半分終わりましたね。
幸も不幸もありましたが、とりあえず明日に向かっていくのであります。