いまインスタント味噌汁が大人気だという。
スーパーのインスタント味噌汁コーナーはいま花盛り。
生味噌タイプ、粉末タイプ、熱風乾燥ドライタイプ、そして大袋まとめ売り、一個売り、十個連なり売りなど形もさまざま。
こんなにたくさんのインスタント味噌汁、いったい誰が買っていくのだろう。
おかしいじゃないか。
味噌汁は衰退の一途をたどっていたはずだ。
20年ぐらい前から、味噌汁はみんなに嫌われはじめていたはずだ。
その頃の子供たちは「泥みたい、気持ち悪い」
といって学校給食で残した。
女子校生や大学生も味噌汁を飲まないで捨てていた。
そんな女子校生と大学生が将来結婚したら、その家庭から味噌汁は絶滅するであろう。
20年前、すでに味噌汁は絶滅の危機に瀕していたのだ。
それなのになぜ?
この花盛りの棚は
味噌汁そのものは衰退したが、インスタント味噌汁は生き残ったということか。
「朝から味噌汁を作るのはアレなので、ウチは朝はインスタント」
「一人暮らしなので、わざわざ味噌汁をつくるのはナンだし」
というのが多い。
「アレ」とか「ナン」で、味噌汁を作るのはめんどくさい。
それにインスタント春雨スープが人気商品となって、ダイエット食品として若い女性に人気になってるらしい。
つまりインスタント味噌汁も、スープの一種とみなす層が新たに出てきたということらしい。
インスタント味噌汁、ではなくインスタントのミソスープ。
コンビニのおにぎりの棚の隣には、ほとんどのコンビニがそうであるようにカップ味噌汁の棚になっている。
どうしたってカップ味噌汁に手が伸びる。
中高年世代の我々にとってもありがたきコンビニ、なのである。
この棚並びは、コンビニ側の客への親切ととるか、コンビニ側の売上増進の悪巧みととるか。
アタクシとしては、親切と悪巧みの良き成功例としたい。
本物の味噌汁の衰退と、インスタント味噌汁の繁栄は時代とともに替わるのでした。