高津川の天然鮎を食べに、割烹美加登家(みかどや)へ同居人(妻のことですが)と日帰り旅行。
なにしろ高津川は清流日本一。
通の間では、鮎も当然評価が高い。
その鮎をちゃんと食べられる場所は、調べるとここ割烹美加登家さんしかないようだ。
食べログでは、高い評価のある割烹。
口コミの数は多くはないが、どれも圧倒的に詳しい通の文章が読める。
ミシュランガイドに載っても不思議ではないようだ。
鮎が採れる時期だけしか鮎のコースは提供されず、シーズンオフの時期はスッポンやふぐ料理が提供されるようです。
私たちは13500円のコースを予約。
サービス料10%と消費税が別の、鮎三昧です。
日本屈指の美食家である「北大路魯山人」の鮎に関するエッセイによれば、若鮎の塩焼きがベストだという考えだ。
せごしより洗いを褒めている。
彼の話は本質をついていると思う。
川でとれた場所で食べるしかないのだ。
生簀で送ると数日で腸がやせて味が落ちる、というがこれは正解だ。
うるかが減っていく。
鮎は内蔵のうるかが味の命だと思う。
塩焼きは、うるかがたっぷり残っている取りたてが当然美味しい。
今回は8月末で、時期が時期であるだけに大きく育っている分、料理法も当然6,7月に食べる食べかたとは異なるでしょう。
そこらへんはプロの腕を信じて食べに来ました。
この料亭は、それぞれの時期に合わせた対応で、一番美味しいと思われる鮎料理を提供してると感じます。
着物を着た女将と若女将に迎えられ2階の個室へ案内された。
通された部屋
お茶のお香が焚き染めてあります。
茶香炉っていいですね。
高級とされる沙羅でもなく沈香でもなく、ずばりお茶を選んでくるこのセンス。
美加登家さんのすごさが見えたって感じです。
ここで鮎のフルコースをいただく
一品目の苦うるかと白うるか
鮎の内臓を1年熟成させた苦うるか
初めてまともに食べたんですが、美味しすぎて一品目から泣きそうです。
苦みが強く、単純においしいってものではないけど、誰にも渡したくないっていう不思議な美味しさです。
鮎の洗い
山葵は地元産、ピリッとしたなかに甘みがある。
小鮎と冬瓜のお椀
上質な小鮎は吸い地を濁すことなく、スダチが味を引き締める…絶品です。
塩焼きはこの料亭独特の焼き方
皮がパリパリで、骨まですべて食べられるように焼いてある。
日本一の鮎の塩焼き、香りや苦み、旨味を楽しみたいものであります
うるか茄子
いつもジューシーなお茄子に大人の色気を加えて、ご飯と一緒だとさらに美味しく。
鮎はさみ揚げ
生うるかと味噌を練ったものを射こんで、鮎と揚げていますよ。
骨煎餅バリバリ(^^♪
鮎昆布〆
胡瓜、山芋、トマトを土佐酢で。
鮎めし&小鮎の白みそ仕立て、香の物
鮎の旨味が御飯に…まさに絶品。
鮎の飯物、これが一番好きかも。
デザートの青梅の甘露煮氷
さっぱりひんやり~。
高津川の天然鮎、自然の恵みですね。
清流高津川の恵みを一身に受けた゛清流の貴婦人"に舌鼓。
居ながらにして、心は清流へと馳せる
鮎の美味しさ、無駄な味付けがなく素材そのものを楽しませてくれる、そんな老舗料亭でした。
余話ですが…
なかなか予約が取りづらい店舗であります。
6月初旬、日本一の清流と名高い高津川の恵みを受けた、絶品の若鮎を予約するのは困難に極めます。
当方もそんな時期を狙って予約しましたが、満員御礼で入れる余地は無し。
なんとか7月中旬に滑り込みセーフで予約を入れたが、よく考えたら当日は中学校時代の同窓会。
他にも行事があったので、泣く泣く7月の予約はキャンセルしたけれど、何とか日程変更であく日がないかと尋ねたら、8月末の日曜日がたまたま空いてたので、迷わずその日をキープとなったしだい。
交通し極不便に感じるかも、ですが全国各地の鮎好きからは絶大な支持を仰ぐ名店であることは間違いなし。
経済と時間的余裕があれば、また訪れたいと思うのであります。