どんな食べ物にも、その食べ物に合った最適の場所がある。
まさに適材適所。
何の変哲もない塩むすびを家で食べても面白くも何ともないが、山で食べると俄然おいしくなる。
山の斜面の切り株かなんかに腰掛け、谷のせせらぎを聞きながら食べる。
こういう場所では、ツナマヨなんかはかえっておいしくない。
縁日の焼きそばもおいしい。
キャベツも肉もろくに入ってなくて、ソースべっちゃりのほうがおいしい。
紅ショウガが生き生きとおいしい。
皿は発泡スチロールでなければならない。
高原で飲む牛乳もおいしい。
空気が澄んでいて、ビンに入っているのをゴクゴク飲むとおいしい。
野球場で食べるホットドックなんか最高においしい。
緑の天然芝がまぶしい野球場、手に手にグローブをはめた陽気な観客、7回裏に歌う「それいけカープ」の大合唱。
こういうときの生ビールはプラコップでなければならない。
プラコップにビールがずっしり。
このずっしりは、ガラスと違ってプラなのでビールだけの重みが何だか嬉しい。
こういう場所では、銀座のクラブなどで使われる高級カット入りグラスは似合わない。
ここでふと思った。
ハンバーガー屋はたくさんあるが、ホットドック屋はめったにない。
ハンバーガーもホットドックもハンバーグとソーセージが入れ替わるだけで、あとの構成は同じだ。
ハンバーガーとホットドックを二つ並べて、どっちか一つ食べなさいと言われたら、ホットドックを選択したい。
モスバーガーのホットドック 
ソーセージがパンからはみ出しているのが嬉しいのでした。