2日ほど間があいてしまいましたが、裏高尾で会った花をもう少しご紹介したいと思いますので、お付き合いください。
イチリンソウ(一輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属
同じ仲間には↓のニリンソウやシュウメイギク、ユキワリイチゲ、ハクサンイチゲなどがあります。
落葉広葉樹林のなかや山麓の土手などに生える多年草です。
名の由来は、花をひとつだけ咲かせることによるそうです。
白い花弁に見えるのはガク片で、花弁はありません。深い切れ込みが入った緑の葉から、
長めの柄をだし、その先端に4センチほどの白色の花を咲かせます。
ニリンソウ(二輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属
名の由来は、花を2個つけることによるそうですが、1個や3個のこともあります。
林縁や竹林、土手などに生え、群落をつくる多年草です。裏高尾では、沢の傍や道の斜面など
いたるところで白い花を見ることができました。
マルバコンロンソウ(丸葉崑崙草) アブラナ科タネツケバナ属
山地の木陰に生える越年草です。白色の十字状の花をつけます。
( 撮影日:2015年4月18日 )
高尾は植物の種類の多さで知られています。
スミレは今まで25種類が見つかっており、高尾はスミレの宝庫と言われています。
3月初旬咲き始めるアオイスミレから、5月にかけて順にいろいろな種類を楽しむことが出来ます。
今回見ることのできたのは「ヒカゲスミレ」「タカオスミレ」「タチツボスミレ」「ニョイスミレ」「マルバスミレ」の5種類でした。
(スミレの見分け方は難しく、もしかすると中には間違えているものもあるかもしれません。)
ヒカゲスミレ(日陰菫) ミヤマスミレ類
名前のとおり、谷筋の落葉樹林など湿度の高い半日陰に生えます。
今回、タカオスミレの葉が緑のものを「ヒカゲスミレ」だと、散策をしている方からおしえて
いただきました。
(たぶん、見分け方を教えてくださったのではないかと思います)
タカオスミレ(高尾菫) ミヤマスミレ類
高尾で発見され命名されたスミレです。
花は基本種のヒカゲスミレと同じですが、葉がこげ茶色~黒紫色で、他のスミレと容易に区別を
することが出来ます。
ちょうど開花の時期だったのか、次々と見つけることができました。
タチツボスミレ(立坪菫) タチツボスミレ類
日当たりのよい草地や落葉樹林の下、林縁などでも見ることができます。
鎌倉でも、花色が濃いスミレと並びタチツボスミレが咲いているのを多く見かけます。
ニョイスミレ(如意菫) ニョイスミレ類 別名:ツボスミレ(坪菫)
開花時期がもっとも遅いもののひとつで、サクラが散ってもしばらくは見ることができるそうです。
ただ、今回は2株ほどしか見つけることが出来ませんでした。
沢沿いの林の中など、少し湿り気のあるところに生えます。
花はタチツボスミレの半分程度の大きさでしょうか。少し長めの茎をすっくと立てた姿が印象的です。
(2010年4月24日撮影)
マルバスミレ(丸葉菫) ミヤマスミレ類
まるみのある葉と純白の花が特徴的で、容易に他のスミレと見分けることが出来ます。
他のスミレに比べ、花弁が厚いように感じます。
ときに淡い紅紫色を帯びた花があり(6枚目の画像)、その場所を探してみましたが、
今回は見つけられませんでした。
( 撮影日:2015年4月18日 )
5年前、栃木にイワウチワを撮りに行った際、林道脇で見た花「トウゴクサバノオ」を、今回、裏高尾でも初めて見ることができました。
いままで5月の連休中に裏高尾へは数回行っているのですが、この花を見つけたのは初めて。。わずかな日にちの違いでも、見ることのできる花が変わるのでしょうね。
トウゴクサバノオ(東国鯖の尾) キンポウゲ科シロカネソウ属
名の由来は、東国(関東地方)に多く、果実の形を魚の鯖(サバ)の尾にたとえたのだそうです。
確かに、V字形の果実は魚の尾に似ているような気がしますが、どうして鯵(アジ)では無く
サバなのでしょうね。
山地のやや湿ったところに生える多年草です。
花径は6~8ミリで淡黄緑色、全開せずに少し下向きに咲きます。
外側の花弁に見えるのはガク片で5枚あり、実際の花弁はハート形の黄色の部分で、
蜜腺化しています。
( 撮影日:2015年4月18日)
先週、数年前の画像でキケマン属の花たちをご紹介しましたが、今日は先週土曜に撮影したものをアップいたします。
ヤマエンゴサク(山延胡索) 淡い空色と薄紫色のなんともいえない雰囲気の花、今回もっとも
再会したかった花です。
5年前に見た場所で、以前より少し大き目の株になっていて、夢中でシャッターを押しました。
でも、生えている場所が水辺に近いため、また、植生保護のため立ち入りが制限されていて、
一方向からしか撮ることができず、同じようなアングルばかりになってしまいました。
それでもまた会えたことで、十分満足でした♪
ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索 ) 思いがけず散策路脇のところどころで見ることが
できました。
ヤマエンゴサクのような優雅さより、ドナルドダック似の花は愛嬌があって可愛いらしさを感じます。
撮影場所によってホワイトバランスで色の印象が違って撮れることがありますが、
白っぽいもの、淡いピンクや紫色のものなど、個体によって少しずつ色の違うものがあります。
ムラサキケマン(紫華鬘) 近くの市民の森や鎌倉で普通にみることができる花ですが、
ほとんどが紅紫色の花です。
裏高尾ではシロヤブケマンと呼ばれる花の後ろ側が白いものや、紅紫色が淡いものなど
色変わりを楽しむことが出来ます。
( 撮影日:2015年4月18日 )
4/18、今年に入ってなかなか行くことができなかった墓参に行ってきました。
自宅から電車を乗り継ぎ約2時間かかりますが、上野原で見られる花や寄り道の花の撮影も目的のひとつになっています。
今日は、上野原にある墓地の林縁で咲いていた花たちをアップしたいと思います。
ジュウニヒトエ(十二単) シソ科キランソウ属
やや明るい林の中や道ばたなどに生える多年草です。
画像のジュウニヒトエは山の斜面に造成された墓地の上部の段で、墓石などがまだ作られていな
い場所にタンポポやカラスノエンドウなどの野草に混じって咲いていました。
草丈は10~25センチ、茎の先に4~6センチの花穂をだし、1センチ程度の淡紫色~白色の花を
つけます。
素朴な姿と草に混じって生えている様子が愛おしく感じます。
下の画像は鎌倉の寺社や一般の家庭でも見ることができ、ほとんどの方が「ジュウニヒトエ」だと
思っていると思います。
けれど、正しくは「セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)」、別名「アジュガ」と呼ばれる
外来種です。
( 自宅近くの花壇で撮影 )
イカリソウ(錨草) メギ科イカリソウ属
通路脇の林の斜面で見つけました。
今まで植栽されたものはいろいろな種類をみてきましたが、自生をしているのは始めてでした。
妙本寺近くに生えていた「ヤブニンジン」とは少し花序の様子が違うような気がしますが、
葉の姿からたぶん「ヤブニンジン」、、、だと思います。
ハナイカダ(花筏)の雌花
クサイチゴ(草苺) バラ科キイチゴ属
山野に普通に生え、高さ20~60センチになります。
4~5月、枝の先に直径4センチの白い花を1~2個開きます。花弁は5個、果実は直径1センチの
球形で赤く熟し、食べられます。図鑑で見る果実は、ちょっとヘビイチゴの実に似ているような・・・
葉っぱが違うので、間違わないとは思うのですが。
( 撮影日:2015年4月18日 )
昨日は春のお彼岸に行けなかった墓参に行ってきました。そして、定番になっている帰り道の裏高尾花撮影を楽しんできました。
天気にも恵まれ、再会したいと思っていた花たちにも出会え、新緑の中で頬張ったおにぎりも、、、最高の一日になりました。
画像の整理がまだ終わっていないため、アップまで少しお時間をください。
萌黄色の新緑 再会できた「ヤマエンゴサク」
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先週の日曜に撮影した分の最後のアップ、妙本寺へ向かう途中の民家や道端に咲いていた花たちです。
お店裏の駐車場にショカッサイ、キバナオドリコソウ、レンゲ♪♪
お店の方に許可をいただき撮影をしました。
アケビ(木通) アケビ科アケビ属
落葉つる性で山野に生えます。小葉が5枚あることで、3枚のミツバアケビと見分けることが
出来ます。
雌雄同株、雄花(画像1枚目)は花序の先に数個付き、直径1センチほどで雄しべは6個。
雌花(画像2枚目)は雄花の下に1~3個付き、雄花より柄が長く大きく、雌しべは3~9個ですが、
画像のは雌しべは8個、先端に蜜が付いているように見えます。
葉を揉むと料理の香辛料で使われるローレルの香りがしたため、ゲッケイジュかと思ったのですが、
帰宅して調べたところ、花の様子が違うような…何でしょうか??
竹林に咲いていたショカッサイの青紫の花とバイモ。
クサノオウ ケシ科クサノオウ属
茎や葉を切ると黄色の乳液が出るので「草の黄」だという説、また、薬草の王様という意味で
「草の王」ほか、 諸説があるようです。
日当たりのよい道ばたや草地などに生える多年草です。
鮮やかな黄色の花と、全体に毛におおわれているので、白っぽく見えます。
( 2015年4月12日 )
妙本寺の参道に向かう途中で、いつもつい引っかかってしまう、小さな小さな草の花。
どれも花の大きさは5ミリに満たないほど小さく、足元で咲いていても気づかないほどです。
でもその造作は繊細で可憐、肉眼ではわかりませんが、パソコン画面で見ると本当にきれいです。
ヤブニンジン(藪人参) セリ科ヤブニンジン属
葉がニンジンに似ていて、やぶに生えることから付いた名だそうです。
林のふち、竹やぶなどの日陰に生える多年草です。
枝先から複散形花序を出して、小さな白い花をまばらにつけます。
花には両性花と花柱が退化した雄花とがありますが、たぶん花序の中心にあるのが雄花ではないかと
思います。
果実は4枚目の画像で確認できるように、長さ2センチほどのこん棒状で刺毛が上向きについています。
遠目には白い花火のよう。。この花を「わぁ~きれい!」と見てくれる人はほとんどいませんが、
通り過ぎる人に「虫眼鏡でみるときれいなんですよ♪」とおせっかいをしたくなります。
ツメクサ(爪草) ナデシコ科ツメクサ属
細い葉が鳥の爪に似ていることから付いた名だそうです。
庭や道端などの生える1~2年草です。
花径は4ミリ程度、花弁は白色で5個ありますが、退化して無いものもあるそうです。
撮影場所は参道脇の細かい砂利が敷かれた所、砂粒と花の大きさを比べると、この花の小ささを想像
していただけると思います。そして、砂利の上に膝をついて撮影する姿勢の辛さも(笑)
ムシクサ(虫草) ゴマノハグサ科クワガタソウ属
同じ仲間にオオイヌノフグリやタチイヌノフグリなどがあります。
名の由来は、ゾウムシの仲間がしばしば子房に虫えいを作って、果実のようになることによるそうです。
花は白色で直径2~3ミリ、2個の雄しべと1個の雌しべがあります。
画像でははっきりとは確認できないと思いますので、是非一度、虫眼鏡で見てみてください。
タチイヌノフブリ(立犬の陰嚢) ゴマノハグサ科クワガタソウ属
ユーラシア原産の2年草で、畑や道端などに生えます。気をつけてみると、意外に身近なところで普通に
生えています。
花は4ミリ程度、オオイヌノフグリを小さくした感じですが、葉やガクに細かい毛がついています。
花色は青、ときに淡いピンクのも見つけることがあります。
( 撮影日:2015年4月12日 )
昨日キケマン属の花たちをご紹介しましたが、5年前2010年4月に裏高尾で他のキケマン属の花を撮っていましたので、ご紹介をしたいと思います。
鎌倉での小さな花たちをご紹介する前に、もう一日キケマン属の花にお付き合いください。
シロヤブケマン(白藪華鬘)
ムラサキケマンの白花品種です。
散策路脇などで咲いている様子は、ハッとする美しさです。
同じ仲間で、紫色の点の無い、全体がほぼ白色のものは、「ユキヤブケマン」と言います。
ムラサキケマンとシロヤブケマンが一緒に咲いていました。
ムラサキケマンは、身近かなところで見るものより、少し色が薄いように思います。
生える環境によって、色が微妙に変わるのかもしれませんね。
ジロボウエンゴサクも色が違うのがあり、画像は無くしてしまってお見せできませんが、
淡黄緑色に近いものもありました。
ヤマエンゴサク(山延胡索)
薄いブルーの花は気品があって美しく、一度見たら忘れられません。