
ユーロスターで、ロンドン ウォータールー駅に到着し、
そのまま片道のチケットを買い、
ポーツマス・ハーバー行きの特急列車に乗り込む。
ロンドンから、特急で、南に30分ほど下ったところが、
今日の目的地。
ロンドン市内から、市街地へ、そして
テニスで有名なWimbledonを過ぎたくらいから
車窓の風景は、
ただひたすらな、グリーン・グリーンの世界に変わる。

なつかしい、ギルフォード駅に到着
駅に停まっていたタクシーに
私の学校名を伝えると、
”まかしときっ

というような、ジェスチャーをして
荷物を運び入れてくれる。
ここは、南イングランド サリー州のギルフォード。
イギリスでもっとも美しいとされる、典型的な
イギリスのカントリーサイドだ。
映画”Holiday"で、アイリスのコテージがあったのも
このあたり。

20年前と少しも変わらぬ、果てしなく広がる緑。
新緑の季節とあって、
太陽の光が木々の葉の間からこぼれるその美しさの中には
”妖精~フェアリー~”がそこにも、ここにも、
存在しているような錯覚さえ、覚える

30分ほど、美しく、懐かしい緑の景色を眺めていると
サリー州から、ウェストサセックス州へとかわり、
突如、学校の看板が、現れる。

中学・高校の6年間を過ごした、
色々な思い出がいっぱい詰まった、宝箱のような、場所。
現在は、私達がいた頃よりも
生徒の人数が少なくなって、
でも、学校の敷地は大きくなって、
東京の、地価が一番高い銀座の小学校に
通っている息子は、
小さな小さな校庭に見慣れているので、
その広大なキャンパスにただただ、驚いたようだった


男子たちが泥だらけになって走っていた、サッカーフィールド

私がいた頃は、牛が昼寝していたところが、立派なトラックになっていた

先生方の宿舎、イーストハウス
自然な景観を大事にするイングリッシュガーデンには
花がきれいに咲きそろう。

クラシカルな色のイングリッシュ・ローズ

私達が、寮としたり、ダイニングとして
使用していた本館は200年以上も古い建物。
イギリスでは、家などの建物は
古ければ、古いほど、ステイタスとなる。
だから、イギリスには
たくさん、幽霊のお話があるし、
こうもりなんかも住んでいるし、
雷の日なんかは、本当に、ディズニーランドの
ホーンテッドマンションみたいに、なる。


本館~今は女子寮として使われているそう。
先生方との再会や、
生徒と一緒の夕食など、
ひと時、中・高校生時代を思い出して、過ごす。
夕食後に、”卒業生から、一言お願いします”と
先生から、スピーチを頼まれたので
”・・・20年前に卒業した・・・”
と、口にして、はっ、と自分で驚く。

その、時のはやさに・・・。
まるで、ここでこうやって生活していたのが
ついこの間のようなのに、
あれから、20年も経っているなんて・・・。

アリブラスターの庭の”この木、何の木、気になる木

ヨーロッパの初夏は、午後9時ごろになっても
まだ、明るい。
私達の今日の宿は、学校の近くのRudgwick村にある
アリブラスターハウスというB&B(ベッド&ブレックファスト)。
ここも、広大な敷地の中にある館で、
私が高校生の時は、老人ホームだったけれど
今は、すっかり美しいカントリーサイドの宿になっている。

この宿の部屋を見た瞬間、
私は、高校時代から夢みていたことを、思い出す。
それぞれの部屋は
たとえば、ブルーの部屋、オレンジの部屋・・・など
テーマが決まっていて、
インテリアコーディネートされている。
壁紙、ベッドリネン、タオル、ソファ・・・などなど。
イギリス人は、食べ物や普段の生活はとっても質素だけれど
なぜか、インテリアにはこだわりとお金をかけている。

私達が泊まった、”ブルーの部屋”
そう、私の夢は、
きれいなお家に住んで、
お部屋をローラアシュレイとかでコーディネートをして、
朝、ミルクティーを持ってきて、起こしてくれる
ご主人様と結婚すること・・・だった

・・・・・


ねえ、みてみて

木の下に、鹿がいるでしょう

アリブラスターの庭には、鹿やきつねが遊びに来る。
目の前の庭で、鹿が楽しそうにしている姿をみながら
マグカップにたっぷりのミルクティーを頂く。
ここは、この世の楽園かも、しれない。
そんな、果てしなく グリーン・グリーンの世界が続く
南イングランドの旅。

