きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

ペパーミント・キャンディー

2009年06月22日 | 韓国
ペパーミント・キャンディー(原題:박하사탕)  2000年  ☆☆☆☆☆
監督:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョングムン・ソリ、キム・ヨジン




20年ぶりに同窓会に現れたキム・ヨンホ(ソル・ギョング)。ヨンホは突然鉄橋の線路の上に立って自殺をしようとする。彼は40歳にしてすべてを失う人生をどう歩んできたのか。


ストーリーは時間を逆行して1999年から1979年の20年前までさかのぼります
トンネルの出口に向かって走っていると思った列車は
時間をさかのぼるように後ろ向きに進んでいきます

ひと言で言うと暗い映画です
笑えるところ楽しいところがない映画
主人公に思い入れて可愛そうで泣いてしまう映画でもない
でもなぜか切なく、それでも「人生は美しい」と感じる(感じたい)映画



普通はものごとって何かが起きて結果が生じますよね
でも先に結果を見ると、なぜそうなったのかそれがどういう意味があるのか
最初はちょっとわかりにくくて、
ヨンホの人生に思い入れができなくて少し退屈に見てたんです
でも時が遡るのつれてだんだん彼の人生が見えてきます
そして
兵役中、光州事件に関わった衝撃的な事件が
彼のその後の人生を大きく変えたことを知って理解しました

その事件のために彼は初恋の人スニムのところに帰れなかったんでしょうか
そのあとの人生の選択を間違ってばかりするんでしょうか

20年前のピクニックで
「いつかカメラを担いで、名もない花を撮り続けたい」と話すヨンホと
ハッカ飴をさしだすスニム
ヨンホの兵役中にいつも手紙に添えられたハッカ飴
そして20年後死の床にいるスニムに贈ったハッカ飴
映画の冒頭はわからずに見ていたけど
意識のなくなったスニムが流した一筋の涙の意味が20年前に遡ってやっとわかります

はじめての場所にもかかわらずヨンホがそこを知っているような気がしたのは
20年後の自分を予感していたからでしょうか

純粋で希望に満ちた青年ヨンホが切なくて
そして20年後
そのカメラをたった4万ウォンで売ってしまうヨンホが悲しかった



ヨンホ役ソル・ギョングの演技が圧巻で
純粋で無垢な青年から堕落しきった中年男まで完璧に演じてました
このときソル・ギョングは新人でまだ世間に知られてない俳優だったそうで
いや~~ビックリです
突然こんな俳優が現れたらビックリするでしょうね
初恋の人スニムはずっとどこかで見たことあるって思った見てたんですけど
太王四神記に出てたムンソリさんでした

NHKが共同制作
韓国で日本の大衆文化が開放された後の初めての日韓合作品だそうです
そして、いい映画ってやっぱり音楽がいいですよね




イ・チャンドン監督インタビュー→シネマコリア

春の日は過ぎゆく

2009年06月22日 | 韓国
春の日は過ぎゆく (原題:봄날은 간다)  2001年  ☆ヽ(*^ω^*)ノ
監督 ホ・ジノ
出演 ユ・ジテ、イ・ヨンエ




風の音、波の音、川の流れる音
自然の音が重要な役割をしているので
ゆったりと静かに流れるようなとても心地良い映画でした



どこにでもあるような出会いと別れなのに
いや、どこにでもありそうだからジーンとくるのかなぁ

ジテさんは、陽だまりのように暖かな、心の優しい青年サンウでしたねぇ
川の音を録音している時にウンスが気持ちよさそうに鼻歌を歌って
それに気付いたサンウは嬉しそうにこっそり録音する
その時のサンウの愛おしそうな優しい笑顔がすごく良かった

若い頃にこういう作品を残せたジテさんって幸せな俳優さんだわ
しかも相手はイ・ヨンエだし(笑)

ウンスから「別れましょ」といわれた時のサンウ
しばらく黙ってから「なぜ愛は変わるんだ」ってつぶやくシーン
「優しくするから」「僕を愛してる?」って、、、
若いから愛に一直線なサンウが可愛く切ないです



失恋して苦しんでるサンウに、痴呆のおばあちゃんが
「つらいんだね」「バスと女は去ったら追うもんじゃないよ」って慰めるのもよかった
呆けちゃって昔の楽しい思い出だけに生きるおばあちゃんが可愛い

成熟した大人の寂しい女を演じるウンスはとても魅力的で素敵でした
(イ・ヨンエさんってなんともいえず上品で本当に綺麗ね~)
「キムチ漬けられる?」というサンウにとっては何気ない言葉でも
ウンスにはいろんなものが見えちゃったのね
結婚生活は愛だけじゃ成り立たないから
リアルな問題です(笑)
真っ直ぐなサンウの気持ちが眩しかったと思うのよね
でも同時に負担でもあって、、

両方の気持ちが理解できるのよね
結婚は相性もあるしタイミングもあって
縁なのよ、、(おばちゃんがよく言う台詞だわ、笑)




録音技師のサンウ(ユ・ジテ)とラジオ局のDJ兼プロデューサーのウンス(イ・ヨンエ)は番組制作のための取材で初めて出会う。年上で離婚経験のあるウンスはサンウを自分のアパートへと誘い二人は恋におちる。人生は「孤独」だと考えるウンスと「変わらぬ愛」を信じるサンウ。二人はしだいにすれ違い、そして別れていく。