きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

悪人

2010年09月17日 | 日本
悪人 2010年  ☆☆☆☆☆
監督:李 相日
原作:吉田修一
出演:妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、樹木希林、柄本 明

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ずっと前から妻夫木君が良さそうじゃない?なんて友達と話をしてて、観に行こうと思っていたところに、深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞してビックリ
ってことで、公開されて最初のレディスデーにさっそく映画観てきました

納得の映画でしたね
最近韓国映画ばかり観てるから、いろんな意味で納得
日本映画は繊細だなぁ
そして主演(助演)俳優が輝くのはもちろん演技力が基本だけど
良い脚本と良い演出があってこそだと実感しました
俳優冥利に尽きる映画なんじゃないでしょうかね~

いい映画って最初から違うよね
暗闇の道路をひた走るシーンなのに、物語の先を暗示してるみたいでワクワクしました

最初からなんだかわからないけど涙が出てきて困ったわ
深津絵里が登場する前から泣くなっちゅーの(笑)
本当に私の涙もろさには我ながら辟易します

孤独なんだもん、みんな
どうしてそんなに寂しそうなの?どこにも行くところがなさそうで、、

「殺人を犯した男と、出会ったばかりの男と一緒に逃げる女」
逃亡しながら二人は何を見たのか、、

そんな映画なんだと思ってたけど、観終えてからの感想はちょっと違うんですよね
さっき映画関係のインタビューを見てたら妻夫木君が「群像劇」って言ってて
あっなるほどなーって思った
そうなんです、二人が迫真の名演技をしててい凄いのに
脇がそれに負けない(それ以上?)くらいにもっと凄いの
殺された女性のお父さん役の柄本明がすごく良かったんだけど
それよりももっと良かったのが、妻夫木君のおばあちゃん役の樹木希林が最高でした

「誰が本当の悪人なのか」っていうキャッチコピーだけど
誰も悪人じゃないんですよね、それがすごく恐ろしい

殺された女性(満島ひかり)と最初に疑われる大学生(岡田将生)
今の若い世代の人たちの閉塞感がものすごかった
普通の子なんだよね、大学にも通って、親の愛情も受けて大切に育てられてて
悲しくなるくらいに薄っぺらに生きてるの(生かされてるの)
っていうか自分を生きてないっていうか
でも自分は悪くない、そこそこの人生を歩いてるって信じたくて
ガムシャラに生きることは恥ずかしいって思ってて
辛がってたり嫌なことは、自分は笑って傍観できるって思ってる
でもそういう子供を育てたのが柄本明が演じる床屋のお父さんや樹木希林演じるおばあちゃん世代なんだよね

光代が「国道を曲がったところに小学校や高校があって、その国道に職場の紳士服売り場があって、自分は今までずーっとその国道を行ったり来たりして生きてきた」って言ってたけど
床屋のお父さんも祐一(妻夫木君)のおばあちゃんもそうやって狭い地域できちんと生きてきたんだよ

最後におばあちゃんが闘ったの
自分を騙した男のところに行って必死で闘ったの
カッコよすぎて、悲しくて、泣ける(今でも泣ける)
おばあちゃんは地に足をつけて必死で生きられるのに
無力で何もできないおばあちゃんはきちんと闘えるのに
この若い世代の子たちは闘う気力も知恵もなくて
閉塞感のなかで何が辛いのかもわからないまま自分の人生を歩みだす術もなさそうで
たぶん、最初から涙が出てきて困ったのはそれが悲しくて仕方なかったからだと思う

深津絵里良かったですけど、妻夫木君、凄かった
ラストシーン、、最高でした
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キャタピラー

2010年09月17日 | 日本
キャタピラー 2010年
監督:若松孝ニ
出演:寺島しのぶ、大西信満

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キャタピラーって芋虫のことなのね
夫が戦場で両脚と両腕を失い頭半分にヤケドして口も聞けない状態で帰ってきた
国からは勲章をもらい、村では生ける軍神として褒め称えられる
でも夫はただ寝ていることしかできない
生きている証は、食欲と性欲だけ

映画開始そうそうが戦場でのレイプシーンだったので若干憂鬱になった
あーー、わかってたけど重い映画を観に来たもんだー、って

でも夫久蔵が芋虫状態になって帰ってきてからのシゲ子との日常生活は
重いという表現とはちょっと違う
夫が手足がなく寝たきりだということはあっても
妻が働き、ご飯を食べ、セックスする
考えてみたら当たり前の(ぎりぎりの範疇だけど)の夫婦の生活のようにも見えて
「戦争の不条理」を問う映画だと言われてるけど
なんだか究極の夫婦の話のような気もしてきた

もちろん綺麗ごとの夫婦愛ではない
夫は戦場に行く前はDVでありシゲ子は暴力も受けていた
シゲ子には軍神の妻と呼ばれる晴れがましさもある
寝て食べてセックスを求める夫だけのへの嫌悪感もある
同時に夫婦としての愛情もあって
理屈抜きに揺れる感情を寺島しのぶは見事に演じてた

私が好きなシーンは久々に白米を炊いて食べるところ
感情をむき出しにぶつかっても人間おなかがすいたらご飯食べるでしょ
どんな悲惨な状況になっても夫婦でご飯を食べるって本質だなと思ってしまった

でもこれが夫婦の話ではなかったとラストでわかった
そうだ、戦争の不条理を突き付ける映画だったんだって

エンドロールで流れた元ちとせの「死んだ女の子」の歌は
それ自体がすごい力を持ったメッセージで
映画の内容とはまったく別の存在感があって
違和感でもあり不思議でもあり、その歌そのものに感動しました


愛 サラン

2010年09月17日 | 韓国
愛 サラン(原題:사랑)  2007年  
監督:カク・キョンテク
出演:チュ・ジンモ、パク・シヨン、チュ・ヒョン

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ドクターK、チング、トンケの蒼い空、タイフーン、目には目を歯には歯を
どうも私はカク・キョンテク監督とは相性が悪いみたいなんですよね
でも、最近私の中で人気急上昇のチュ・ジンモ主役ということで、期待して観ました

、、、、
ん~~~~ん、、、、

ロミオとジュリエットですか?
すれ違い恋愛ドラマみたいな結末は悲しくて泣けるけど
あらすじを追うだけの展開なら16話くらいのミニシリーズがいいんじゃないですかね~

相手役のパク・シヨンは「九尾狐家族」の狐の長女役がすごく可愛かったんだけど
(そういえばチュ・ヒョンもお父さん役だった)
幸せ薄い悲劇のヒロインっていう雰囲気じゃないですよね
顔がバタ臭くて(スイマセン)華やかで、あまりにもイメージが合わない気がするんですけど

でもイノ役のチュ・ジンモ
良かったわ~~~~!!!
上のポスターもなかなかでしょ?いい表情してる
決してビジュアルで褒めてるんじゃないですよ
(正直イケメン好きじゃない私はどっちかというとジンモ氏は好みのビジュアルじゃないし)


無骨だけど純粋で、惚れた女を守るためだけに生きた男
カッコよかった
ドラマ「砂時計」でコ・ヒョンジョンを必死で守ったイ・ジョンジェばりのカッコよさでした(これ相当の褒め言葉です、笑)
そういう意味では面白かったです


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チェ・イノ(チュ・ジンモ)はミジュ(パク・シヨン)に初恋を告白するまで7年かかったウブな17歳。ところが彼女を守ることを誓ったイノは暴力団員を刺殺し行方不明、ミジュは組織から追われる身になる。7年後、釜山の波止場で肉体労働するイノは、地元の有力者ユ会長(チュ・ヒョン)に認められ会長の下で働くことになる。そんなとき思いがけずミジュと再会する。