きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

セイジ 陸の魚

2012年09月02日 | 日本
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これ映画館で観たかったんだけど
引っ越しであれこれしてる間に上映が終わってしまって残念でした
レンタルされるのをずっと心待ちにしてました

小説において「行間を読む」という言い方があるけど
映画で言うとそれは「疑似体験する」ってことかなと思う
説明的な台詞や描写がなされなくても感じるもの
(それは当然ながら各々感じ方として違うんだろうけど)
それをたくさん感じる映画が良い映画なんだと常々思ってるんだけど
そんな映画でしたね、こういうの大好きです

観終えてからじわじわと良さを実感する映画
正直、途中で中弛みして集中力を欠いたところもあったけど
ラストの衝撃で覚醒しました
中だるみは理由は、たぶん寡黙な映画だから
ストーリも最初からあんまり動かないしね
ドライブイン「HOUSE475」に集まってくる人たちを淡々と描いて進む

大学4年のボクは就職を内定して自転車で一人旅をする
事故で死んだイノシシを連れて行くセイジを見かけた後、自分も軽トラに轢かれてドライブイン「HOUSE475」に連れられてやってくる
この店でアルバイトをすることになったボク(旅人)は、翔子さんやセイジの事情を知っていく
ここが居心地いいんだよね、集まる人たちが居心地いい

新井浩文が良いアクセントになってた
テレビドラマ「鍵のかかった部屋」で初めて拝見して
ぜひ映画の彼を見たいと楽しみに観たんだけど、期待通りの俳優さんでした

ドライブインのオーナー翔子さん役の裕木奈江は久しぶりに見たなぁ
まだ俳優さんしてたのねってくらいに久しぶりだったけど
すごくいい感じに熟してて
いい意味でちょっとだけおばさんな感じが、それがすごく魅力的だった

津川雅彦はその存在だけで映画がどっしりと落ち着く
人間の営みの、老いることも含めて、悲しみや愛しみをを表現するような存在でした

視点がみんなから旅人と呼ばれたボク(森山未來)の一人称で
彼の記憶を辿る20年前の話であること
そして映像の綺麗さからくるものなのか、夢を見ているような気分の映画だった

記憶を何度も反芻したくなる夢の中の物語

西島さんは「CUT」と同時期にこの映画を撮影したそうです
静と動の対極だけど、怒りを体現する存在というところでは両者は似ている
監督さんから神のような存在にならない様にって注文があったらしいけど
左手と、そして心が抜け落ちてしまった少女の人格を自らの体を痛めることで取り戻したのね
衝撃でした

西島さんの寡黙ななかに内に秘めた激しさは素晴らしいのひと言
ま、あれですけど(あれって)
素晴らしい肉体をおもちでした(惚れ惚れ~)

最近、森山未來くんを良く見てる気がするなぁ
(「苦役列車」見たし、「モテキ」もレンタルしてきた)
彼はどの役をやっても自然にピッタリはまって
あまりにも自然なので当たり前に見ちゃうけど
実はそれはすごい役者さんってことなんだろうなぁって思う

パンフレット情報によると、実際の「HOUSE475」のロケ地は栃木県日光市の山奥にあるんだけど
森山君はチャリンコで野宿しながらそこまで行ったんだそうです

伊勢谷友介監督の精神を根底に感じる映画
静かに主張する作品もあっていいと思う




セイジ 陸の魚  2012年  
監督:伊勢谷友介
出演:西島秀俊、森山未來、裕木奈江、新井浩文、津川雅彦 

20年前。バブルの熱気冷めやらぬ頃。適当に就職先を決めた“僕”(森山未來)は、学生最後の夏休みに1人で当てのない自転車旅行に出かけた。いくつも街を超え、気ままにペダルを漕ぎ続けていると、山道でカズオ(新井浩文)が運転する軽トラックに衝突してしまう。幸い大した怪我ではなかったものの、手当てのためにと、旧道沿いの寂れたドライブイン“HOUSE475”に連れて行かれる。そこで出会ったのは、雇われ店長のセイジ(西島秀俊)。自由に生きているように見えるセイジは、普段は寡黙だが心を捉える言葉を持ち、夜な夜な集まる個性溢れる常連客たちからも慕われていた。そんな彼らに強く惹かれた“僕”は、いつのまにか住み込みで働き始める。


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